落し物は光です
重力で光は落ちますか |
ニュートン氏は、質量のあるもの同士の引っ張り合う力として、引力を発見した。 アインシュタイン氏は、重力は、空間をゆがませるから、相手が質量のない光であっても引き寄せると解いた。 はてさて? |
1 | アインシュタイン氏の理論による思考実験(「重力と一般相対性理論」を引用させていただきます。) | |
A | 問題 | |
自由落下するエレベーターの中に観測者がいる。左右の壁に床から同じ高さで穴が開いている。この、左の穴から光が入ってきたとする。光はどうなるか?という問題です。引用した本には光の向きは書かれていないけど、おそらく壁に垂直に入ったのでしょう。そういうことにします。 このとき、自由落下しているエレベーターの中の人は、重力が消えているというのが前提になっています。 |
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B | 答え(上記の本の答え) | |
アインシュタイン氏の理論からの思考実験 落下するエレベーターの中の人にとっては重力が消えていて、光は何の影響も受けずにその人に対してまっすぐ進み、右の穴から出て行くように見える。 このようすを地上の人が見ると、光が左の壁の穴から入って、右の壁の穴から出て行く間にエレベーターは落下しているので、その落下した分だけ光が曲がったように見える。ゆえに、光は地球の重力に引かれて下に曲がったように見える。ということだそうです。だから、光は重力によって曲げられる。といいたいらしいです。 |
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余談(この三段論法の怪) | ||
エレベーターの中の人にとっては重力が消えているから、重力の影響を受けずに光がまっすぐ進むとなっています。これは重力があれば、光は曲がるという前提があることを示しています。そして結論が、光は重力に引かれて曲がるように見えるとなっています。前提が「光は重力で曲がる」なんだから、結論がそうなるのは当たり前のことです。重力によって光が曲がる証明にはなっていません。 |
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C | 疑問 | |
光は、本当に右の穴から出て行くことができるのだろうか? | ||
いろいろな思考実験(負けずに思考実験です。)以下空気の抵抗はないものとして考えます。 | ||
a | 思考実験1 | |
エレベーターの設定は地上に動かずにある。左の穴に銃を固定する。壁に垂直に弾を発射する。弾はどうなるか? | ||
答え 右の穴の下に当たる。 理由 弾は右の壁に到達するまでに地球の重力の影響を受けて落下するから。(高校で習いました。) 結果 スローモーションで見ると、エレベーターの中の人にも外の人にも、弾が放物線を描いて落下しているのが見える。 |
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b | 思考実験2 | |
エレベーターの設定は自由落下・銃は実験1と同じ左の穴に固定。発射された弾はどうなるか? | ||
答え 右の穴から出る。 理由 弾が右の穴に到達する間に、弾が落下する距離と、壁が落下する距離が同じだから。(これも高校で習います。) 結果 エレベーターの中の人は、弾が直進しているように見える。なぜなら、人も弾も同じ加速度で落下しているので垂直方向の相対的な位置が同じだから。これを、外から見た人には、弾が放物線を描いて落下しているように見える。もちろん、人も加速しながら落下している。 (これは、なぜか最初に書いた相対性理論の光の動きと同じです。見え方も。) |
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c | 思考実験3 | |
エレベーターの設定は同じ。銃はエレベーターの通路になっているコンクリート壁に固定。(上記、光の実験方法とたぶん同じ) 上から落ちてきたエレベーターの左の穴が銃の前を通過する瞬間に銃を発射。もちろん壁に垂直です。弾はどうなるか? |
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答え 右の穴の上に当たる。 |
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D | 考察 | |
銃の弾の場合、中の人の状態が銃の弾の運動に影響を与えるとは思えないから、単純に、ニュートンの落下の法則から考えてみました。 なぜ、光は、実験2と同じ結果になるのでしょう?不思議ではありませんか。 光も物質と同じ落下の法則で落下するとしたら、最初に書いた光の実験では、実験3と同じになるはずです。外から飛び込んできた光の落下の初速度は壁のすぐそばから発射されたとするとほとんど0になるはずだから。 このことから考えられることは、光の落下の速度は、光源の動きには関係なく、入ったときのエレベーターの落下の速度と同じになるということになります。一方、銃の弾の落下速度は撃った瞬間の銃の動きに左右されて、エレベーターの動きや中の人には左右されません。光は、銃の弾とはまるで違う原理で動いていることがこのことからわかります。 とくに、、「A、問題」の光と同じ条件でやった「c、実験3」の結果は銃の弾と、光ではまるで違いがあります。(相対論ではそれが当たり前のことでしょうが) 何が違うかというと、銃の弾は、エレベーターに触れていないので、エレベーターの動きに何一つ影響を受けていないことです。落下の初速度0メートルから始まって、ニュートンの引力の法則で落下しながら、放物線を描いて飛んでいきます。ところが、光は、エレベーターに入ったとたん、エレベーターの動きに連動して動くのです。触れてもいないエレベーターの動きに光がどうして影響されるのかというと、重力が消えているからというのです。もし、エレベーターの中の重力が消えていたら、銃の弾は落下しません。したがって、銃の弾を外の人が見たら、直線運動していると見えるでしょうし、中の人が見たら放物線を描いて、上に飛び上がるように見えることでしょう。上の銃の思考実験2.3は間違いになります。本当にそうでしょうか。 そこで、光が、エレベーターの加速度と同じ加速度で落下するように見える現象をもう少し考えてみます。 自由落下するエレベーターが、秒速5センチメートルのときに壁から入った光は、初速度秒速5センチメートルで突然落下を始めます。そして、なぜか、そのあとも物質の落下の法則と同じ加速度で落下していき、向かいの穴から出て行きます。中の人から見ると光は直線運動をし、外から見ると放物線を描いて落下しているように見えます。 今度は、自由落下するエレベーターが秒速500キロメートルのときです。壁から入った光は、初速度500キロメートルで突然落下を始めます。そして、やはりそのあとは、物質の落下の法則と同じ加速度で落下していき向かいの穴から出て行きます。このときも、もちろん中の人から見ると光は直線運動をし、外から見ると放物線を描いて落下しているように見えます。 この現象は、光が入った瞬間のエレベーターの速度が、1000キロ/秒なら光も1000キロ/秒、1万キロ/秒なら1万キロ/秒で瞬時に落下を始めるということです。 この現象を外から見るとどう見えるでしょう。エレベーターに入った瞬間に、光はかくっと折れ曲がっているように見えるはずです。しかも、その角度は、エレベーターのスピードに比例してさまざまな角度になるのです。エレベーターの中が無重力だからというのが、その理由らしいですけど、その理由だけでは、このようになる現象が説明しきれないように思えます。 では、このような場合はどのように考えればいいでしょう。 ガラスの大きな部屋を投げ上げます。空気の抵抗がないとすると、部屋の中はこのエレベーターの中と同じに、無重力状態になります。この原理は、ジェット機を放物線上に飛ばして、無重力状態をつくって、宇宙飛行士の訓練をすることに実際に使われています。 相対論が正しいとすると、この部屋の中では、無重力状態なので、光は中の人に対して直進しているように見えます。これを外から見ると、光は、中の人とともに放物線を描いて飛んで行くように見えるはずです。 人工衛星の中は、やはり自由落下と同じ無重力状態だから、光は中の人と一緒に落下していることになります。光は、人工衛星の軌道と同じ楕円軌道を描いて地球の周りを回っていることになります。 そうでしょうか、そんなことが本当に起こっているのでしょうか。 私は、ガラスの部屋の中でも、人工衛星の中でも、光は中の人にではなく、絶対的な静止に対して直進していると思います。だから光は、エレベーターとも、ガラスの部屋とも、人工衛星ともいっしょに動いていったりはしないと思います。 もう一度エレベーターに戻ります。 もし実験の手違いで、エレベーターが落下してこなかったらどうなるでしょう。ただエレベーターの通路だけです。光は直進しますか、重力で落下しますか。相対論では重力で光は落下するすることになっています。したがって、通路の真向かいの壁の少し下に当たります。ニュートン力学では不問です。私は直進して光源の垂直線上のまっすぐ前の壁に当たると思います。本当はちょっと外れます。理由は光は引力には影響されないけれど、地球が動いているからです。このことは、光行差として、実際に観測されています。 では、銃の弾はどうなるか。思考実験3と同じ軌跡を描きます。なぜなら、エレベーターの中を通ろうが、外を通ろうが弾の運動エネルギーは同じだからです。 なぜ光がこんな振る舞いをすると相対論者は考えたのかというと、自由落下は重力を消せると考えたところにあります。それは、単に観察者の錯覚に過ぎないのです。それは、エレベーターの外を見ればすぐわかります。観測者は一瞬で青ざめるでしょう。人工衛星にしたって同じです。地球に対して自分が動いているのがわかるでしょう。静止衛星も同じです。1日1周です。 もうひとつの疑問は光速度普遍の原理をなぜこの場合に当てはめないのかということです。 光速度普遍の原理からすると、光はエレベーターの中の人に対して光速度で飛ぶはずだから、無重力ではなくてもまっすぐに見えるはずです。 ちなみに 銃の変わりに光にすると、光が右の壁の穴に見事命中するのはどれだと思いますか。私は、思考実験2も実験3も、光は、穴より上の壁に当たると思うのですがいかがでしょう。理由は、光は銃弾と違って、地球の引力によって曲げられないから。もし曲がるとしても、物質の落下の法則に従うとは思えないから。 では、思考実験1では光は見事穴を貫通するでしょうか。これも疑問です。銃の弾と違って、光は地球の自転や公転や、その他の動きに影響されずに動きます。しかし、エレベーターは地球の動きに左右されてどちらかに動いています。したがって、光が向かいの壁に到達する間に、向かいの壁はどちらかに動いているはずです。 地球の動きは、秒速400キロメートルだという観測もあります(*1)。したがって、実験1でも光は向かいの壁の穴を正確に貫くことはできません。といっても、3万キロと400キロでは速度に違いがありすぎて、穴は逃げ切れないでしょうけど。このことからすると、実験2も3も光は壁のどこに当たるか分からないことになります。 銃の弾は質量があるので、地球の運動の影響を受け、慣性の法則で示されたような動きをしますが、光は質量がないので、地球やエレベーターの影響は受けずに、絶対静止に対して等速直線運動をすると思えるからです。 (*1)地球の速さについて 相対論からすると、この秒速400キロメートルというのはなんに対しての速度かという事になります。相対論では常に基準が必要です。この速度は、宇宙背景放射のドップラー効果で測ったものだそうです。したがって、この速度は、光速に対する速さになります。30万キロという速さに対する400キロメートル/秒ということです。では、この光速30万キロというのは何に対する速度なのでしょう。光速(光速度ではありません)は普遍であるということを考慮すると、絶対静止に対しての速度ということになります。すると、絶対静止が存在しないから、すべての運動は相対的であるとした相対論は破綻します。 どっすんころりん 妹空並刻記 |