Newton9月号への反論2
空間の曲がりとはどのようなものか? (Q7)
(以下、「 」内はNewtonからの引用です)
1 問題
「私たちは,3次元空間の住人なので,3次元空間の曲がりを実感することはできません。そこで,2次元の世界,つまり平面の世界を考えて見ましょう」
とあって、メルカトル図法が出てきます。
そして、メルカトル図法上の直線と球面上の最短距離を比較しています。
学生―「たとえば,東京―サンフランシスコ間の地表面に沿った最短距離は曲がった線になりますよね。」
と、教授の代弁をしているようで、なかなか痛いところをついています。本人は気づいていないようですが。
(1)間違1
それはさておき、東京―サンフランシスコ間の最短コース(直線)は地球の中を串刺しにしたコースです。地表面に沿ったコースはどれをとっても、それより長くなります。したがって直線にはならないのは当たり前です。2点間の直線は2本引けないのです。
地表面は3次元世界ではありません。3次元世界を無理やり2次元で解釈した部分です。3次元世界は地球の中身が含まれます。
これは、「東京―サンフランシスコ間の」というところが味噌です。そういわれると、普通の人は、飛行機で行くと、と考えます。昔の人は船で行くと、と考えたでしょう。誰も地中を通るなどとは考えません。そんな交通手段がないからです。だから、最短コースといわれると、旅行に行った気分で、飛行機を考えるわけです。そして、最短コースは直線であるということと重ねて、東京―サンフランシスコ間の地表面のコースが直線であるように錯覚させています。
これが。地球ではなく、粘土で作った球で考えたらどうなるでしょう。2点間の最短コースといったら、粘土玉を串刺しにする学生がかなり出てくるでしょう。そして、それにほとんどの学生が賛同するでしょう。
教授―「実際に、球面内で2点間を結ぶ最短距離を結ぶ線は、メルカトル図法では“曲がった線”になるのです。」
学生―「たとえば、東京―サンフランシスコ間の地表面に沿った最短距離は曲がった線になりますよね」
といっているとおりです。
すなわち、地球面に書いた2点間を結ぶ最短距離を結ぶ(曲がった)線はメルカトル図表上でも曲がっていることになります。
では、本にある、メルカトル図法上に書かれた「見かけ上の直線」はなんに当たるのでしょう。それは、東京―サンフランシスコ間の地中を通った最短コースの線です。すなわち直線です。
このことから、3次元の直線は2次元でも直線になり、3次元の曲線は2次元でも曲線になるということです。
したがって、4次元の最短コースが、3次元で曲線になるとはいえません。反対のことになりそうです。
「太陽のそばの光は,曲がった空間の「直線」に沿って進むので,私たちには曲がって見えてしまうのです」ということはいえません。そのためにはほかの証明が必要です。
(2)間違2
この宇宙に、2次元空間は現実には存在しません。あれば教えてほしいものです。2次元空間というのは理論上にだけ存在する世界です。同じように、4次元空間というのも、理論上の存在です。この宇宙のどこにも、現実に存在してはいません。少なくとも、今までに2次元空間も、4次元空間も見た人はいません。現実に存在しない空間の光が、現実の世界に投影されることはありません。現実に存在しない空間の光は、やはり現実には存在しないのですから。
現実に存在するのは、3次元空間だけです。したがって、すべての出来事は3次元空間の中で起こっています。3次元空間以外の空間の力を借りなければならない出来事は存在しません。
2次元や、4次元の世界はSFの世界です。バーチャル空間です。あたかも、2次元や3次元が存在するかのように論ずるのは、相対性理論家が漫画家かSF作家の仲間であるということです。もちろん、漫画家やSF作家がレベルが低いといっているのではありません。彼らが作っているのは芸術です。科学ではないということです。科学と芸術は違うものです。科学が芸術の手法を使うと、事実を追究する目が曇ります。
2 結論
「一般相対性理論によると,質量を持つすべての物体の周りの空間は曲がってしまいます」ということの証明にはなりません。このことからは、アインシュタインはそのように考えた、ということから1歩も進んでいません。アインシュタインは20世紀最大の天才だから、私は信じるというのは自由です。いまどき相対論を疑うなんて、お笑いだ、というのも自由です。でも、こんなことが、証明になるなんて、大学の教授が本気で思っているというのは解せないですね。小学校の教諭なら疑っちゃいますけどね。
2005年9月5日 並刻記