相対性理論の幼稚な時間 (P35〜37)

   (「」内はNewtonからの引用です)


 35ページに、「相対性理論とは簡単にいえば『時間や空間は絶対的なものではなく、立場によってかわる』ということを明らかにした理論といえます。」

 そして、特殊相対性理論では、「光の速さに近い速さで飛ぶ宇宙船の中では、時間の進み方が遅くなります。」そして、宇宙船と月面の両方の観測者を比較して。「宇宙船から月面を観測すると月面の時間が遅くなる。つまり、時間の遅れはお互い様ということになります。」(P68)

(※注 この考えは、ガモフという人の考えた特殊相対性理論とは違っています。相対性理論は人によって解釈が違ってきます。それは相対性理論が常識を打ち破ったからだ、すなわちすばらしすぎるからだといわれていますが、私は、たんに間違っているから、現実に合わせようとすると、とたんにめちゃくちゃになるだけだとおもいます)

 一般相対性理論では、「重力によって光が曲げられ,時間の流れが遅くなる」(P36・37)とあり、「地球とくらべて太陽は1年で1分遅れる。」、「ブラックホールの境界線では時間が止まる。」、重力を及ぼす天体がない場所の時計は「重力の影響がないので、地球よりわずかに時間の進み方が速い。」と具体的に書いてあります。また、35ページには「時速200キロメートルの新幹線の中なら、1秒当たり100兆分の2秒ほど時間の進み方が遅くなっている。」とあります。

(※注 これはガモフ氏の考え方です。[Newton」の考え方では、反対に、地上の人も、新幹線の中から見ると、1秒当たり100兆分の2秒ほど時間の進み方が遅くなっている、と付け加えなければなりません。意見の違いはつねに明瞭にしなければなりません。本当に、適当なんです。相対性理論者は、どうせ、時間なんて、遅れようが進もうが、日常世界には影響ないという考えがまずあるからなんです)

 

1 問題

 この、時間が遅れたり、速くなったりするという現象を、相対性原理者はどのように考えているかを見てみます。少しの間[Newton」から離れて,よく見られる相対性理論の話になります。

2 考察

(1) ガモフ氏の、(不思議の国のトムキンス)

(この本は特殊相対性理論の入門書として有名だそうです。)

 この本には、最高速に近い速度で走ったトムキンスが、そのために遅れた自分の時計を合わすことが書いてあります。遅れる理由は特殊相対性理論です。駅の時計に自分の時計を合わせます。

 このときどのような方法で時計を合わせたのかは書いてありません。合わせる方法が分からなかったから、書いてないのか、あまりにも簡単だから書いてないのかも分かりません。想像するに、ガモフ氏は、時計を合わせるなどあまりにも簡単だと判断したからだと思います。

 「相対性理論」を信じているあなたも、そんな簡単なことは問題にもならないとおもうでしょう。

 では考えてください。あなたはどうやって時計を合わせますか。まさか、指でノブを回したりはしないでしょうね。

ア どちらの時計に合わせますか

 駅の時計と、トムキンスの遅れた時計と、どちらが正しい時刻を指していますか?「時間は絶対的なものではなく、立場によってかわる」相対性理論ではどちらが正しい時刻ですか。それとも正しい時間などは存在しないから、どちらでもいいのですか。

イ トムキンスはなぜ駅の時計に合わせたとおもいますか。

  遅れたのはトムキンスの時計だから、間違っているのは自分の時計だとおもったのでしょうか。

 それとも、駅の時刻が地球の時刻を指しているから標準時だとおもったのでしょうか。上記の本では、トムキンスが駅の時計に合わせた理由は書いてありません。

ウ あなたの家の時計が遅れたらどうやって合わせますか。

 私の家の時計はもう30年近く使っています。ここ数年少しずつ遅れるようになっています。だから、ときどき指でノブを回して時刻をあわせます。なんに合わせるかというと、日本標準時です。

エ 言いたいこと

 トムキンスの時計は相対性理論のために時間が遅れてしまいました。私の家の時計は、古くなったために時間が遅れてしまいました。でも、合わせ方は、指でノブを回します。合わせる先は、標準時です。

 ご大層に、光の速度に近くなったために、大汗をかいて遅らせた時間も、ただ古くなったために遅れた時間も、合わせるときは指2本でオーケーです。時間なんて、指2本で自由自在に進んだり遅れたりします。相対性理論など少しも必要ではありません。

 この違いが分かりますか。私の家の時計は、歯車がおかしくなったから時計の針が遅く動いたのです。本当の時間がそのために遅くはなっていません。だから指であわせてもへいきです。生活の便宜上標準時にあわせただけです。針が文字盤のどこにあるかだけの問題です。本当の時間は微動だにしていません。

 一方、トムキンスの時計は、相対性理論が正しいなら、本当の時間が遅くなったためにおくれたはずです。ところが、トムキンスは指で針を動かして、時計を合わせてしまいます。相対性理論もへったくれもありません。

 指で時計の針を動かしたら、本当の時間も動くとおもっているかのようです。小学生だってそんな幼稚なことは考えません。

 昔の本だし、入門書だし,「Newton」の考え方と違うようだし、今はきっと違う考えなのでしょう。

オ トムキンスの時刻の合わせ方の答え

 答えは分かりましたか。トムキンスの遅れた時間を合わせるには、反対に駅を光速で動かすしかないはずです。本当の時間を動かすのですから指で動かすわけにはいきません。指で時間が変わるというのは相対性理論でも、そのほかの理論でもいまだにいわれていません。相対性理論者は、平気で合わせますけれどね。

(2) 双子のパラドックスの時刻(特殊相対性理論の問題です)

 有名な双子のパラドックスという話があります。双子の兄弟がいて、その兄の方が光速に近い宇宙船で宇宙旅行に行って帰ってきた話です。「特殊相対性理論」では、高速で飛ぶと時間が遅れるということから、戻ってきたとき、兄が弟より若いという話があります。(※注 [Newton」の考え方とは違います。この問題には、ほかにもいろいろ解釈があります)

ア 兄はどちらの弟に会うのでしょう

 西暦2000年に兄が宇宙旅行に飛び立ったとします。帰ってくるまでに、2年分時間が遅れたとします。その間に地球上では、5年経っているとします。すると、地球は今西暦2005年です。兄の時計は西暦2003年です。

 空港に降り立った兄は、西暦2003年の弟に会うのでしょうか。それとも、西暦2005年の弟に会うのでしょうか。2003年にいる兄は2005年にいる弟に会えるのでしょうか。2003年の弟に会ったとするなら、今、2005年まで進んでしまった地球があるのに、2003年の地球が同時にこの宇宙のどこかに存在しているのでしょうか。

 どちらにしろ、説明がかなり必要な気がします。

 相対性理論者はこのことについて何にも考えていません。たんに時計が遅れているだけだから、2005年の地球に帰ってきて、兄は2歳弟より若いなどと幼稚なことを言っています。

 

(3)一般相対性理論の時間(P36・37)([Newton」にもどります)

 この見開きのページに、「太陽近くの時計」は「地球と比べて1年で1分遅れる」。「重力を及ぼす天体がない場所の時計」は「重力の影響がないので,地球よりわずかに時間の進み方が速い」。「ブラックホール」では「ブラックホールの境界では時間が止まる」と時計の図を交えてわかりやすく説明してあります。

ア 太陽の時間

 以前書きました。地球ができてから、地球と太陽の時間の差は累積されて、今、太陽の時計は、紀元前5605年を指しています。

イ 重力が及ぼす天体がない場所の時計

 ここは少し時計の針が速いので、やはり地球ができてから、時間の違いが累積されて、場所によって違いがあるだろうけれど、未来の時間をさしているでしょう。仮にこの場所の時計が、紀元2348年を指しているとします。「わずかに」でも40億年の間誰も合わせなかった時計ですから、それぐらいは進んでいる場所もあるはずです。これは推測です。相対性理論はその証明がすべて架空の実験と架空の理論から成り立っているので、推測でしか判断できないのは仕方ありません。

ウ ブラックホール

 ブラックホールは時計が止まるので、できた瞬間から、1年に1年づつ時間が遅れます。2億年前にできたブラックホールの時計は、そのまま止まっているので、紀元前2億年を指しています。銀河系の中心にあるといわれているブラックホールの時計は、おそらく紀元前100億年を指していることでしょう。

エ 月

 月は、重力が地球より小さいので、月と地球ができたときから、月の時計は、少しずつ進んでいます。やはり時計を合わせる人がいないので、今、月の時計はは2007年くらいを指しています。もちろん、これも推測の時刻です。進んでいるということがわかればいいのです。もともとの理論が適当なんだから。どうせ、月の時刻が100億年進もうが、1秒進もうが、地球から見上げる月が、消えるわけはないのですから。

オ 富士山

 富士山頂は、平地より重力が小さいので時計の進み方が速く、やはり未来にあります。有名なエッフェル塔の実験から類推すると14時間ほど未来にあります。昼休み、ビルの窓から見えた富士山頂の時計は、明日の午前2時を指しています。富士山頂が明るく見えたからといって、昼間ではありません。真夜中なのです。

カ 私の家の時計

 私の家にはかなり時計があります。よく見ると、それぞれに違う時刻を指しています。引き出しには、電池切れで止まってしまった時計もあります。みんな、違う時刻の時計なのに、同時に今存在しています。

キ なぜ、違う時刻の時計がいっしょにいられるのか

 紀元前5605年の太陽が、紀元前5605年の地球といっしょにいないで、紀元2005年の私といっしょにいるのでしょう。太陽は、まだ紀元前5605年にいるから、紀元2005年にきてはいないはずです。太陽にとっては未知のはずです。

 紀元前100億年の銀河中心のブラックホールが、100億年前の銀河といっしょにいないで、2005年の私といっしょにいるのでしょう。

 紀元2007年の月が、紀元2007年の地球といっしょにいないで、紀元2005年の私といっしょにいるのでしょう。

 14時間未来の時刻を指している富士山頂が、14時間未来の私といっしょにいないで、今の私といっしょにいるのでしょう。

 さまざまな時刻を指しているさまざまなものが、今の瞬間に集合しています。その理由を「相対性理論」は説明していません。

 その存在の仕方は、いくら違った時刻を指していても時刻と関係なく今同時に存在している、私のうちの時計と同じです。機械の故障で、狂った時計と、速度や、重力で、違う時刻を指してる時計とに、ひとつも現象的な違いがありません。

 ひょっとして、「相対性理論」の時間ていうのはその程度のものなのですか。

 過去や未来のどんな時刻を指していても、今という瞬間にすべてが集まっているということは、今という絶対時刻が存在している証拠ではないのですか。相対時間だとしても、今という瞬間にすべての時刻を指す物体が集合している理由を、相対性理論者は説明しなければなりません。
 一般常識論では、1964年の時刻はみんな1964年にあり、2005年のものはみんな2005年にあり、1秒でも未来のものはみんな未来にあります。違う時刻のものが同時に存在することはありません。本当の時刻が同じものは同じ時刻に存在しているのです。周りを見回すとみんなそうです。明日の、午前2時のはずなのに、さんさんと太陽の光が輝いて見える富士山頂や、紀元前5605年の光を送り込んでくる太陽を除いて。

 

3 結論

 「相対性理論」は、違う時刻の物質が、同時刻に存在している理由を説明できません。

 「時間や空間は絶対的なものではなく、立場によってかわる」などと、かっこいいことをいっても、わが家の時計とまるっきり同じ現象なのです。相対性理論で遅れた時間を指で合わせているのに、何の疑問も感じないようでは、小学生並みでしょう。

2005年7月25日  並刻記

 

 

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