アインシュタインが考えたことについて目次   相対性理論を原子時計で測ると  空間の曲がりを計る  メッセージ



「アインシュタインが考えたこと」について13

(「アインシュタインが考えたこと」佐藤文隆、岩波ジュニア新書31)

著者 高田敞

 

(以下{ }内は上記本からの引用です)

 

原子時計ではかる(p149)

問題

重力の影響で{上空に置いた時計と地表に置いた時計とでは、地表に置いた時計の方がゆっくり進みます。}

{1メートル上と下とでも時間のたち方が違うということです。}

考察

兄弟がいて、兄は1階で、弟は2階で寝たとします。朝起きてきたとき、少しだけれど、二階の兄の方が時間のたち方が速かったので、弟より、少しだけ未来にいます。過去にいる弟と、未来にいる兄が「お早う」と挨拶をします。

過去と未来が同時に同じ場所に存在します。非常に不思議な現象が起こります。

兄が下に降りたとき、兄は過去に行くことになります。弟が2階に上がったら、未来に行くことになります。

{時間のたち方が違うといっても、非常にわずかなものです。15桁目がちょっと違ってくるくらいなのです。}

ということだから、いいのかも。でも、きちんと計れたのだから、はっきり違ったということです。それは過去と未来がちゃんと違う時刻として、計れたということですから、同じ場所で過去の人と未来の人が顔を合わせたということです。

その他、飛行機やロケットで精密に測ってもいます。どれも時間が異なっているということです。同じ時刻に、過去と未来の時刻の人が顔を合わせるということです。

世の中は進歩したものです。そのうち、あなたの前に、西暦3000年の人が立っていたりするかもしれません。あるいは、戦国武将が出てきたりして。

絵空事ではなく、8000年前の時刻の大きな物質が目の前にある現象が実際にあります。

相対論では、重力と、速度の影響で、太陽は1年間に地球より1分、時間の進み方が遅れるそうです。すると、太陽系ができてから46億年立っているので、太陽は、今地球より46億分遅れていることになります。46億分過去にあるということです。これは約8750年過去ということです。太陽の時刻は紀元前6750年ということになります。今私たちが見ている太陽は石器時代の太陽ということです。紀元前6735年の時刻の太陽から出た光は、8分光年の距離を8分かけて、紀元2015年の時刻の地球にやってきます。紀元前6735年の太陽から出た光は、紀元前6735年の地球に降り注ぐのではないのです。

では紀元前6735年の地球に降り注いでいた太陽の光はどこからきたのでしょう。もちろん、そこから8750年遡った紀元前10765年の太陽の光なんでしょうね。

太陽の光はタイムトラベラーですね。不思議な現象ですね。

 

ニュートン世界は、すべては同時刻にある、異時刻のものは同時には存在しないということでした。アインシュタインの世界は、異時刻が同時に存在できるということです。われわれは、速度も、高さもすべて異なった暮らしをしています。したがって、すべての人は異なる時刻にいるということです。この地球に同時刻は存在しないということです。宇宙全体でも、同時刻のものはおそらく存在しないのではないでしょうか。

今何時といったって、人によってすべて異なる時刻にいるのだから、時刻なんてなんの意味もなくなります。俺は2014年の5月2日11時46分だよ、とか、いやおれは2019年2月4日3時11分だよとか、過去も未来もごっちゃ混ぜになって収集がつかなくなってしまいそうです。

いや、太陽みたいなのは特別で、人の場合は、{15桁目がちょっと違ってくるくらいなのです}から、人間の生活は変わらない、ということかも。でもそうはいきません。

人間の体は原子でできています。原子は宇宙開闢とともに生まれたものです。今宇宙論の主流のインフレーションビッグバン宇宙論では、137億年昔に宇宙は生まれています。それから今までの間に、原子は、ビッグバンの宇宙を飛んだり、太陽よりはるかに巨大な星の一部になったり、それが爆発したりと、ものすごい経歴を持っています。反対に、ビッグバン以降、ただ宇宙を漂って地球にたどり着いた原子もあることでしょう。人間の体のすべての原子が一つ一つ違う経歴を持っています。巨大な恒星の中で、時間が極端にゆっくり進んだ原子もあれば、重力のほとんどない宇宙でプカプカ浮かんでいて時間が速く進んでいた原子もあります。時間の進み方は極端に違うはずです。それが137億年間続いていたのです。身体を構成している原子は、1万年過去の時刻のものや、一千年未来のものやが混在しているはずです。どの原子も一つとして、2015年4月29日17時53分27秒を指してはいないのです。みんなとても遠い過去や遠い未来の時刻に存在するのです。石器時代の太陽の時刻どころではありません。

結論

原子時計は小数点15桁を計ることはできても、人間の体の中の超マクロの時間の違いは測れないようです。

相対論者は時間とは何か、時間が速く進むとは時間の何がどうなることなのか、時間が遅くなるとは時間の何がどうなることなのか。それを説明しなければなりません。異なる時刻にあるものが、どのような仕組みで、今のグリニッチ標準時にだけそろって現れるのか、今の地球時刻は、なぜ異なる時刻の物を呼び寄せることができるのか、それを説明する必要があります。

ニュートンなら簡単です。時間はどこも同じに進む。だから、宇宙のすべては同時刻にあるということです。過去は過去、未来は未来です。混在することはありません。矛盾も存在しません。

相対論は矛盾しかありません。