相対性理論と,そこから生まれた現代物理学(Newton6,2016)について6

 

著者 田 敞

2016年7月14日


 相対性理論と,そこから生まれた現代物理学について  相対性理論と現代物理学5  相対性理論と現代物理学7  メッセージ

 

(以下{ }内は、上記本よりの引用)

{相対論によって生まれた「宇宙論」が,宇宙の始まりにせまる}

 

問題1 {宇宙の創生}

{時間も空間もない“無”から生まれたとも考えられていますが,くわしいことはいまだ分かっていません}

考察1

{時間も空間もない“無”}とはどんなものなのでしょうか。分からないでしょう。

 言葉ではなんとなくかっこいいです。それが現実にあるとしたらどんなものを表しているか、説明不可能でしょう。実際誰もそれを説明していません。かっこいいだけで何の根拠もありません。偽サプリメントを売る人たちのやりかたとよく似ています。

時間がないのにどうして、生まれる瞬間が来たのでしょう。その瞬間の前の宇宙はどういう状態だったのでしょう。他の{時間も空間もない“無”}と、宇宙が生まれた瞬間の{時間も空間もない“無”}とはどう異なるのでしょう。

 空間がない宇宙の周りはどうなっていたのでしょうか。

 {くわしいことはいまだ分かっていません}というのは当たり前です。今まで積み上げてきた物理学が何一つ通用しないのですから。なぜ通用しないのでしょう。非常に特殊だからです。なぜ非常に特殊なのでしょう。宇宙論者の空想の産物だからです。アリスの不思議の国と同じ原理でできているからです。

結論1

相対性理論でもなにもわかっていないということのようです。すなわちまだ空想の段階でしかないということのようです。まあ、今のところ面白い思い付きにしかすぎません。

問題2 {インフレーション}

{宇宙が誕生して10―36秒後ごろ,宇宙は一瞬で10の何十乗倍にも巨大化しました。}

考察2

その仕組みは何一つ分かっていないでしょう。今分かっている物理理論では何一つ説明不可能でしょう。もちろん相対性理論でも。いままで分かっているすべての物理理論が通用しない現象なのだから、今までの物理理論をすべて捨て、新たな物理理論を作るしかないでしょう。

ア 仕組み

なぜちっちゃく生まれて急激に大きくなったのでしょう。最初から膨張した後の大きさでポンと生まれてもかまわないはずです。最初から大きく生まれることは物理学に反する、とでも言うのでしょうか。では、なにもない“無”は物理学に反しないのでしょうか。{宇宙は一瞬で10の何十乗倍にも巨大化しました。}は物理学に矛盾しないのでしょうか。ちっちゃく生んで、大きく育てようというキャッチフレーズですかね。宇宙は人間ではないのだから、ちっちゃく生む必要はないはずです。でも、まあ、宇宙膨張がインフレーションビッグバン論の柱だから仕方ないか。

イ エネルギー

・ {時間も空間もない“無”}にどうして、そのエネルギーができたのか不明。

・ そのエネルギーの種類は不明。

エネルギーができたのなら、その基があるはずです。“無”は、なにもないはずです。宇宙論者の望んだことだけはひょいと出てくる、“無”とはどんな“無”なのでしょう。ドラエモンのポケットでしょうか。

現在観測されているエネルギーには、宇宙をそのように膨張させることができるものはありません。もちろん理論もありません。ダークエネルギーなどと名付けてお茶を濁しているだけです。真実勝負ではなく、ネーミング勝負のようです。かっこいい名前をつけて、何の裏付けもないダイエット商品を売り付けるやり方と似ているのはなぜでしょう。

結論

観測もない、実証もない、科学的理論も存在しない。もっともらしい言葉を並べているけれど、SF小説と何ら変わりがありません。いえ、SF小説の方が、もう少し科学に立脚してますね。

何の科学的根拠もない空想話がまかり通るのが今の宇宙論の世界です。中世の錬金術か、魔法の世界の方が、まだ普通に近いでしょう。

 

問題3 {ビッグバン}

{宇宙が誕生して10−27秒ごろ,宇宙は超高温・超高密度の空間となりました。この灼熱の宇宙の誕生が「ビッグバン」です。}

考察3

{宇宙は超高温・超高密度}

{時間も空間もない“無”}からたった{10−27秒ごろ}という短い時間に、こんなすごい宇宙をどうやって作ったのか疑問に思いませんか。マッチに火をつけるのだって、その、1027倍秒ほどの時間がいります。どうやったのでしょうね。もちろん答えはないでしょう。今分かっている物理学では説明不能でしょうから。

 エネルギーは、どこから湧いてきたのかとか、その種類とかも一切不明です。インフレーションのエネルギーが点火したという意見もありますが、元々、インフレーションのエネルギーが何一つ分かっていないのだから、それでは何の説明にもなりません。謎から出たものは謎のままです。空想から出たものはたいがい空想のままです。

 最初の仮定は「よくわかっていない」と言って、そこから出た次の仮定は「前の仮定によると○○となり」となり、その次の仮定は、「前の仮定によると」、として、3番目くらいからは事実にしてしまう。うまいやり方です。最初の仮定に根拠がないなら、そこから生まれた2番目も3番目も根拠はありません。

ア 超高温

 普通の温度は、物質の振動であるということです。初期宇宙はなにが振動しているのでしょう。説明がありません。超高温の説明と実証がいります。

イ{超高密度}

 なにが高密度なのでしょう。どれくらいの密度なのでしょう。説明がありません。

 無や空間をいくら詰め込んでも、高密度にはならないと思うのですが。この時点では、すでに物質ができていたということなのでしょうか。物質ができていたとしたら、どのような物質が、どれくらいできていたのでしょうか。

ウ 何ができた

{時間も空間もない“無”}からたった{10−27秒ごろ}に宇宙のすべての物質とダークマターとダークエネルギーとヒッグス粒子と超巨大なエネルギーの原型を生んでしまうのだから、かなり手早い技のようです。たぶん、電光石火の10―27倍の速度というやつなのでしょう。

ビッグバン論だと、地球になる物質の元の物質もその時できたことになります。すごい早わざです。地球を、{10−27秒}で無から作るのですから。今の地球の形を作るのでないから簡単かもしれませんね。今の、エベレストあり、太平洋あり、富士山ありの地球を、{10−27秒}で作るとすると、とても難しそうですけどね。でも、地球を100万個ほど集めると、太陽になるとか。その太陽を1000億個ほど集めると銀河系の星になるとか、その銀河系を1000億個ほど集めると、今観測できる範囲の銀河になるとかいいます。実際の物質は、もっとはるかに多いようです。それを、{10−27秒}で作るのです。言葉では数文字で済みます。その文字を書くのでさえ、{10−27秒}ではとてもできません。それを全宇宙の物質と、ダークマターと、その他なんでもを{10−27秒}で作ってしまうのです。そんなのを宇宙論者は信じているのですね。

実際にそれをやるとなるとかなり大変なことのように思います。どんな風に作ったんでしょうね。魔法使いなら、「宇宙よあれ」とでもいえば、ぱっと宇宙が出現するかもしれません。それでも、「宇宙よあれ」を{10−27秒}で言うのはちょっと無理でしょう。神様ならできるかもしれませんね。それとも、なにもないところに鳩を出したり花を出したりするのは手品遣いの特技ですから、神様のなかの手品にたけた神様が、“無”の中に(“無”に中があればですが)に、ひょいと宇宙を出したのかもしれませんね。神様だから{10−27秒}という電光石火もできるかもしれませんね。ゆっくりだと種を見破られてしまいますからね。見物しているのは神様なんですから。

でも、“無”しかない(“無”というのはなにもないのですから、しかない、というのは変ですが)のですから、神様も手品遣いもいる場所がないですね。

何にしろ、私にはとても信じられません。

もちろん、相対性理論で説明できる現象なのでしょう。

でも今のところ、無から、物質が生まれる仕組みは解明されていません。相対論でもです。量子論によると、真空から量子が生まれるということだけれど、全宇宙はいくら小さくても量子ではありません。高温、高密度と言っているのだから、それだけでも量子のエネルギーをはるかに上回っています。形だけ小さいからといって済ませているようですが、それでは量子論に反します。量子論で生まれるのは、最小のエネルギーの粒子と反粒子ということですから。全宇宙のエネルギーではとても量子とはいえません。

量子論によると、真空の揺らぎから量子が生まれては対消滅しているということです。全宇宙のエネルギーと物質が、あっちでもこっちでも生まれて対消滅したら、あっちでもこっちでも、大爆発が起こってしまうでしょう。まあ、宇宙はあちこちでインフレーションが起こっているという説もありますから。何でもありですから。

宇宙の大きさが小さければ量子だから量子論で生まれるというのは、科学ではないでしょう。

ま、何にしろ、奇想天外の空想からいくらも出ていません。

問題4{陽子や中性子の誕生}

{宇宙が誕生して0.00001秒ごろ,クォークが集まり,陽子と中性子が生まれました。}

考察4

 ビッグバン宇宙論では、宇宙はこの後クォークを生みません。したがって、このとき今宇宙にあるすべての、陽子ができたということになります。この時の宇宙は、まだ、地球より小さいと考えられます。光でも、0,00001秒では3kmほどしか飛べないのですから。いや、インフレーションで宇宙は巨大に膨張した後だというかもしれません。まあ、そんな都合のいいことが起こったとしましょう。銀河系の大きさでも、そこに全宇宙の物質を詰め込んだらブラックホールにならなくても重力で膨張できません。今現在、銀河系1個の物質でも膨張できないのですから。また、0,00001秒で銀河系の大きさに膨張するのでさえ、光速の数兆倍の速度でも間に合わないでしょう。

 {宇宙が誕生して0.00001秒}の時宇宙がどのくらいの大きさにまで膨張していたら、その後も順調に宇宙は膨張できるのでしょうか。示すことはできないでしょう。宇宙の大きさも物質量も想像することもままならないのですから。

 インフレーションというとても都合のいい現象があるようですから、それで、10−26秒ほどで10億光年ほどに宇宙を膨張させておくとうまくいくかもしれませんね。でも10億光年では、空間膨張より、重力の方が上回ってしまう可能性が大きいと思います。なんせ宇宙の銀河はかなり多いようですから。それプラス、その5倍のダークマターがあるのですから、せめて50億光年ほどにすると何とかなるかもしれませんね。でもそうなると、初期宇宙が超高温超高密度になるのは難しくなりそうですし、ハッブルの法則に反してしまいそうです。なんせ、ハッブルの法則は138億年遡ると宇宙は1点に収縮するというのですから。だから超高温になったというのですから。

 小さいと、重力の方が勝ってしまいそうですし、大きいと超高温、超高密度にはなれないし、按配が難しいですね。

 何にしろ、宇宙創成なんですから、難しいのは決まっています。それをやり遂げたのだから手品師の神様は素晴らしいと思いませんか。

問題5{原子の誕生}

{宇宙が誕生して37万年ごろに,水素などの原子核に電子がとらえられ,原子ができました。}

考察5

{宇宙が誕生して37万年ごろ}の宇宙の大きさは、宇宙が光速で広がって、半径37万光年です。大きな楕円銀河くらいでしょう。そこに、全宇宙の原子が詰まっていることになります。

 ブラックホールになってしまうでしょう。もしブラックホールにならなくても、空間膨張の力では、物質は重力が強すぎて膨張できません。今現在、銀河系と、アンドロメダ銀河は空間膨張の力より重力の方が大きくて、接近しているということです。その距離は230万光年です。たった二つの銀河の重力だけでも、空間膨張の力より大きくなるのです。たった半径37万光年の球に、数千万個の銀河の元になる物質が詰まっていると、空間膨張の力では物質を引き離せないはずです。それだけではありません、ビッグバン論ではその5倍のダークマターがあるといいます。とても膨張できないでしょう。

 宇宙の物質が、空間膨張と異なる仕組みで離れていく仕組みの説明がいります。いまのところ、その仕組みも誰も述べていません。

 ちなみに、37万年で半径230万光年(銀河系とアンドロメダ銀河の距離)に広がるには、光速の6倍の速度がいります。その大きさでも空間膨張の力ではそこに2つの銀河があるだけでも重力には打ち勝てません。

 空間膨張ではなく、爆発の力や、熱の力で大きくなるとしても、それでは光速を超える速度にはなれません。相対性理論では、光速以上の速度は出ないことになっていることがこの本に書いてあります。だから、通常の爆発ではそれが超新星よりはるかに大きい爆発だったとしても、37万年では、半径37万光年より大きくはなれません。

 宇宙の始まりだからなにがおこっても許されるのでしょうが。まあ、インフレーションやビッグバンが起こるというのだから、何が起こっても不思議ではないか。魔法だって、神様だって、お化けだって、UFOだって、なんでもありなのでしょう。

{宇宙膨張の速度は速くなっている。つまり宇宙は加速膨張しているというのです。}ということですから、昔より、いまの方がかえって空間膨張の力は大きくなっているということです。それなら、なおさら昔の宇宙は重力に負けて、膨張できなくなってしまいそうです。

結論

宇宙は原子ができたとたんに潰れてしまいます。

つぶれずに、膨張する仕組みが必要です。何か奇想天外なことを考え出してください。{10−36秒の間に10の何十乗倍にも空間が巨大化しました。}とか、なんとか。これだけ書くのに10数秒かかりました。その間に、宇宙は10の数100乗倍に膨れているのですからすごいことです。まあ、人間の力など宇宙の力に比べれば無に等しいのですから、比べるのが間違っているのでしょうが。

それだけ物質が詰まった空間が膨張するとしても、せめて、昔は昔、今は今ではなく、同じ原理で説明できるような理屈くらいは必要なのではないでしょうか。

 

問題6{ダークエネルギー}

{宇宙空間には「ダークエネルギー」という未知のエネルギーが満ちており,それが宇宙の加速膨張の“アクセル役“を果たしていると考えています}

{ダークエネルギーは空間(真空)自体が持つエネルギーであり,この宇宙に均一に存在していると考えられています}

考察6

{ダークエネルギーの正体はいまだに謎であり,宇宙論における大きな問題として残っています}ということです。

 何でも肝心なことは「謎」です。それが、インフレーションビッグバン論です。

 宇宙を動かすエネルギーです。太陽のエネルギーなど比べようもないくらい大きなエネルギーです。宇宙最大のエネルギーです。それがなぜ観測されないのでしょう。なぜわからないのでしょう。

 真空が持つエネルギーだということです。かっこいいキャッチフレーズだけど、真空がどのようにしてエネルギーを持つのか、せめて屁理屈くらいは必要でしょう。

 空間を膨張させるエネルギーですから、やはりその仕組みくらいは説明しなければならないのではないでしょうか。頭のいい科学者がいっぱいそろっているのですから。なにもない空間を膨張させるのですから。膨張前の空間と、膨張後の空間では、何がどのように異なるのかくらいは説明するべきでしょう。空間なのだから、膨張以前は何もないということです。膨張後にはやはりなにもないということです。常識ではそうなります。なにもないどうしが変化しているというのはとてつもなく奇想天外なことです。

結論

 謎が謎を生むということの典型です。なぜ謎かというと、空想の産物だからです。観測も0、理論も科学的裏付けは0、仕組みも科学的裏付けは0です。今まで分かっている物理学では何も説明できません。あるのは、宇宙論者の空想だけです。

(注:銀河の赤方偏移と宇宙背景放射の観測がある、ということでしょう。でも、銀河の赤方偏移は、宇宙に浮かぶ水素原子や分子で説明できるし、宇宙背景放射は宇宙のちりなどの出す光で説明できます。今分かっている物理学で必要充分な説明です)