相対性理論と,そこから生まれた現代物理学(Newton6,2016)について4

 

著者 田 敞

2016年7月12日

 

相対性理論と,そこから生まれた現代物理学について目次   相対性論と現代物理学3 相対性理論と現代物理学5   メッセージ


(以下{ }内は、上記本よりの引用)

 

1 {ビルの屋上の時計は,地上の時計よりも早く進む!}は本当か

 

問題

重力によって、時間の進み方が違う。

実際に、1960年に、22.6mの高低差で、0.0000000000000024秒のずれを観測したということです。

 また、2010年には33cmの高低差で時間のずれが測られたということです。

考察

たった33cmの高低差でも時間のずれが測られたということですから、素晴らしい精度の時計ですね。

相対性理論からすると、すべての場所で時間の進み方が違うはずですから、時計の精度さえよければどこだって時間の差は測れるということですから、そんなに不思議なことではありません。ただ精度の問題だけです。

そこで、このことから考えてみます。20階建てのマンションの最上階に住む人と、1階に住む人では、毎日、時間のずれが発生します。毎朝、エレベーターで降りてくる最上階の人は、1階の人より、少しだけ時間が先に進んでいます。すなわち、未来にいることになります。

1階の人と20階に住む人の時間のずれは、修正しなければ毎日積算されて大きくなっていきます。20階の人は毎日少しずつ未来に遠ざかっていきます。20階の人から見ると、1階の人は毎日少しずつ過去に遠ざかっていきます。

この時間のずれがどれだけ広がると会えなくなるのでしょうか。普通の場合、現在の人は未来の人に会えません。未来の人も、現在の人に合うことはできません。もちろん過去の人にもです。たとえそれが、1秒間で0.0000000000000024秒、1日で0.0000000002秒の違いでもです。

なぜ、一般相対性理論で未来にずれた時間の人が、現在の人に会うことができるのでしょうか。ひょとして、エレベーターは1階の人の時刻に合わせるタイムマシーンだったりして。

 

一般相対性理論(特殊相対性理論も同じ)では、重力は時間を遅らせるが、いくら時間がずれても、みんな地表の時間に合わせて出現するようです。たとえば、地表の時刻が、18時00分である時、ある人が、宇宙旅行から帰ってきて、その人の時計が、18時34分を指していても、ちゃんと、地表の時刻の18時00分に現れるということのようです。これは、特殊相対性理論の浦島効果という有名な話に出てきます。弟が、ロケットで宇宙を回ってきて地球に帰って来たら、兄より若かったという話です。時間が何年もずれているのに、弟は兄の時刻(地表の時刻)にちゃんと着陸します。

浦島効果は思考実験という架空の話(おとぎ話)ですが、実際の話もあります。太陽です。太陽は、重力が地球より大きいために、1年で1分地球より時間が遅れると相対論者が言っている本がありました。(古い話で出典を明示できないのは問題ですが、太陽が重力が大きいために地球より時間が遅く進むというのは相対論者には異論がないとおもいます。その速度には異論があったとしても)

すると、太陽は、できてから今までに46億分地球より時間が遅れていることになります。これは約8752年になります。太陽の時刻は、いま紀元前6736年を指しているはずです。

しかし、太陽はいま、2016年の地球の公転の中心にあります。太陽は、太陽の時刻、紀元前6736年の石器時代の地球に現れるのではなく、ちゃんと、地球表面の時刻の2016年の方に現れてくれています。もちろんエベレスト山頂の時刻にも表れていますし、ビルの20階の時刻にも表れています。ありがたいことです。

太陽が、漫画のタイムマシーンのように時計がさしている時刻に飛んでいってしまったら大変です。現在の地球に太陽が存在しなくなってしまいます。地球は暗黒になってしまいます。またどこを中心に公転していいかわからなくなってしまいます。地球は暗黒の宇宙をさまようしかなくなってしまいます。

ほんと、相対論効果で時間がずれた時、ずれた時間に現れずに、どんなに時間がずれても現在の地球の時刻に合わせて必ず現れてくれるというのは、とてもありがたいことです。

結論

一般相対性理論では、高いマンションに住んで時間が地表とずれても、ちゃんと地表の時刻の人と挨拶できるし、太陽も、ちゃんと、地表時刻(注1)に現れてくれるようです。

(注1;地表時刻:相対性理論では、地球は,エベレストのてっぺんと、富士山のてっぺんと、銀座の通りとで時間の進み方が違います。これは、数千万年積み重なってきています。今それぞれで指している時刻が大きく異なります。

地表の時刻とここでは書きましたが、地表だって、場所ごとの自転速度が違う(赤道上が一番速い)ので時間の進み方が異なります。それが46億年の間積み重なっています。地球上には同一時刻など存在しないということです。どの時刻が正しい時刻なのでしょう。やはりグリニッジ標準時に合わせますか。ばかばかしいと思いませんか)

これでみると一般相対性理論による時間のずれは現実の現象には何一つ影響がないようです。

実際の現象(とっても素敵に正確な相対論者の時計を除いて)は、ニュートンの絶対時間の現象と何一つ(小さな0.0000000000000024秒から太陽の8752年まで)変わりがないということのようです。

相対性理論家は、どんなに時間が進んだ物質でも、どんなに時間が遅れた物質でも、必ず地球の、それもグリニッジ標準時にぴったり出現する科学的理由を述べなければならないのではないでしょうか。できないはずです。それはアインシュタインが否定した絶対時間に行き着いてしまうからです。

ところが、ただ、一つだけ、現実世界に影響することがあると相対論者は言うようですので、次に考えてみます。

 

2 {「GPS」で正確に位置を割り出すには相対性理論が必要不可欠}

問題

「GPS」では、相対論効果により、時間がずれる。そこで{この二つの効果による時間のずれがあらわれないよう,あらかじめ補正がかけられているのです。}

考察

 時間のずれの仕組みについて、この本では、光が恒星の重力で曲げられる時{内側の距離が短くなるためには,内側の時間が遅く進まなければならないことになりそうです。}と書いてあります。重力は時計の針だけではなく時間そのものを遅くすることのようです。そんなの当たり前ということでしょう。ところが、そうとも言えない気がします。時間と時計がそのときどきによってうまく使い分けられている気がします。時間と時計はどっちだって同じだって。それは間違いです。

(1) 時間に{あらかじめ補正}をかける方法

 そこでまず考えてみます。重力で時間が遅れた時にそれを補正する方法です。

 重力で時間が遅れる仕組みはこの本(Newton6,2016)に書いてあります。ところがGPSでそれを補正する仕組みは書いてありません。時間を補正するって人間にできるのでしょうか。時間を早くしたり、遅くしたりすることができる機器について聞いたことがありません。私の知識不足でしょうか。SF小説や、漫画では見たことがありますが。

どのような方法で補正しているのでしょう。それが書かれていないので判断のしようがありません。

そこで、他の資料から考えてみます。

ガモフという人が、「不思議の国のトムキンス」という特殊相対性理論の解説書を出しています。それによると、主人公トムキンスの時計が特殊相対論効果で駅の時計とずれてしまいます。そのとき、時間のずれを、時計を合わせることで補正します。

その方法は、自分の持っている時計の時刻を駅の時計の時刻に合わせるという方法です。

トムキンスの場合も、補正の方法は明記されていませんでした。時間を補正するのは簡単だからでしょうか。

想像するしかないので想像します。トムキンスは自転車に乗っていたので、たぶん、腕時計をしていたと考えます。当時は、おそらくアナログ時計でしたでしょう。すると、時間を合わせるために、時計のノブを指で回して針を進めたことでしょう。

これ以外にトムキンスが、駅の時計と自分の腕時計の時刻を合わせることはできないと考えられます。

これにどのような問題があるのか気がつきましたか。相対論者は気がつかないでしょう。あまりにも頭がよすぎるから。

問題は、相対論効果で時間がずれることを、指で時計の針を動かすことで補正できるということです。

相対論効果は、時計の針だけではなく、実際の時間を遅らせたり、早めたりするということです。ところが、普通の場合、時計の針を指でいくら回転させても、実際の時間が進んだり遅れたりすることはありません。いまのところタイムマシーンの効果がある時計は発明されていないからです。本当の時間がずれた時、それを合わせる方法を人類は今のところ持ち合わせていません。

本当の時間と時計の時間とをうまく使い分けているいい例です。いつの間にか、時計の針を合わせると、時間が元どうりになるという錯覚に陥らせています。

「GPS衛星」も同じです。時計を合わせると、時間が合うと思いこませています。GPS衛星の時間の合わせ方を書くべきです。絶対ノーベル賞が取れます。人類が時間の速度をコントロールできたという実証なのですから。人類初のタイムマシーンなんですから。

実際は、1日30マイクロ秒時計が速く進むから、時計の針をその分遅くさせているだけのでしょう。トムキンスのように。

相対論者は時計を合わせると、本当の時間も合うと考えているのでしょうか。

それとも、本当の時間などどうでもよい、本当の時間など誰にもわかっていないんだから、時計さえ合ったらそれでめでたしめでたしなのだから、ということなのですかね。

時間ではうまくかないときは、時計にしようといって時間としなければならないのに時計としているのではないでしょうか。たぶんそうでしょう。ビルの屋上の時計と、地上の時計を比べて喜んでいるのだから。本当の時間の、ずれなど完全無視しているようですから。ビルの屋上の本当の時間が地上より速く進んでいたら大変です。階段を上っていくとそれにつれて、未来に進んでいくことになります。降りていくと、過去に進んでいくことになります。タイムトラベラーです。

(2) 相対論効果と時計

相対論者によると、速度や、重力で時間がずれること(相対論効果)と、時計の針を指で回すことが、同じということです。相対論効果が、指の力と等価であるということです。

何のことはない、大げさな相対論効果も、指の力の効果と同じなのだということです。

するとどのようなことが起こるでしょう。

まず我が家の時計を、指で回転させてみましょう。時間がどんどんずれて行きます。あっという間に明日になっています。すごいことです。

普通この場合、その時計は狂っているといいます。時間が早く進んだとは言いません。もし「GPS」の時計の進み方を機械的に遅くしたのなら、その時計は狂っている、といえます。

時計を、機械的にいくら早くしても遅くしても、本当の時間とはなんの関係もありません。

このことから、時計は地上の時計といつも合うかも知れませんが、「GPS」の本来の時間は{1日で30マイクロ秒ほど速く進んでしま}うことになるはずです。この本来の時間のずれは人間には補正できません。(相対論だと「GPS」に重力をかけて時間を遅らせることはできるかもしれませんが、そうしている気配はありません)

すると、「GPS」は、毎日少しずつ未来に進んでいきます。10日で、300マイクロ秒地表より未来に進みます。1000日で、3万マイクロ秒地表より未来にあります。3年で100分の3秒では人間の目では区別できないか。でも未来は未来です。未来に存在する「GPS」からの電波を、現在にいる人々が受け取っていることになります。

この問題をこの本では{GPSに搭載された時計は、地上の時計よりも1日で30マイクロ秒ほど速く進んでしまうことになります。}と、時間ではなく時計に限定することで問題を回避しています。前のページでは、{重力は,時間を遅らせる}と、重力が時間を遅らせる原理の説明をしています。時計ではなく時間です。それが、「GPS」では、時計にすり替わっています。

本当の時間を補正する方法がないことを知っているから時計にすり替えたのでしょうか。それじゃいんちきでしょう。それとも知らなかったのでしょうか。時間は時計の針の回転で、時刻は時計の針がさす位置だと本当に思いこんでいるのでしょうか。

 

(3)時計は時間か

 時間とは、いまだに何ものか分かっていません。

 知ってのように、時計が測っているのは時間ではありません。地球が1回自転するのに合わせて、短針が2回転するように作られた機械です。地球の回転回数を測っているにすぎません。計っているのは時間ではありません。

(4) 衛星の速度と時計

 「GPS」衛星の時計の針が相対論効果で速く動くなら、衛星本体も本来の速度から速くなるはずです。衛星の速度が速くなると、特殊相対論効果で時計の針は遅くなることでしょう。すると、衛星本体の速度も遅くなります。すると、今度は時計の針は速く進み衛星本体も速く進むことになり、今度は、時間が遅くなりと、際限なく繰り返されます。これはどうしましょうか。

 これは時間を考えても現れます。

 衛星の時間が速くなると、衛星も速くなります。すると特殊相対論効果で時間が遅くなります。すると、衛星の速度が落ちます。すると、時間が速くなり、衛星が早くなり、と際限なく繰り返されてしまいます。

 衛星の速度が一定でないと、「GPS」の位置測定は不正確になってしまわないのでしょうか。

 そんな微妙なずれはたいしたことがないのかも知れません。{1日で30マイクロ秒ほど}の大きな変化ではないのですから。

 

結論

 時間が伸び縮みするというのが相対論です。絶対時間を否定した画期的な理論ということです。目からうろこ、コペルニクス的転回、といったすごいことらしいです。ところが、実際の現象は、みんな同時に起こっています。太陽も月もエベレストの頂上も、地表も、深海底も、同時刻に現れています。ニュートンの絶対時間の考えにぴったりです。

アインシュタインは時間とは何かについて何一つ言及していません。言っていることは、時間とは時計の進み方だと言い代えているだけです。時計が時間であるというのは、彼の考え違いです。相対論者は、時計の針以外に、時間がずれて未来に消えていった現象や、過去に吹っ飛んでいった現象を示さなければならないでしょう。そんなものがあればですが。あるわけないです。そんなことがあれば太陽が空から消えてしまいます。地球からエベレストの山頂が未来に消えてしまいます。宇宙飛行士は現在の地球に戻ってこれなくなってしまいます。

残念ながら、現実の現象は、ニュートンの絶対時間で動いています。相対時間は相対論者の頭の中と、相対論者の時計の中にあるだけです。
 

{ビルの屋上の時計は,地上の時計よりも早く進む!}の答えは、時計は正確な時計だったのだから事実でしょう。しかし、それ以外の現象はなにも変わらないということのようです。その上と下の2個の時計以外は、時間はみんな同じということです。その時計は相対論で動いているけれど、世間の人たちは絶対時間で動いているということです。