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タイムトラベルと双子のパラドックス(Newton2017,7ニュートンプレス)

について 8


著者 田 敞

(以下{ }内は上記本よりの引用)

 

{一般相対性理論によると、加速によって生じる慣性力と重力は区別できないといいます。}

根拠

{宇宙船に乗っていて,窓もなにもない(外の状況が分からない)部屋にいるとします。部屋では,地球と同じように床の上を歩くことができる状態です。さて,宇宙船は今,地球上で静止していて,部屋の中は地球の重力が働いているのでしょうか,それとも、宇宙船は上方へと加速している最中で,下向きに慣性力がかかっている状態なのでしょうか。一般相対性理論によると,加速によって生じる慣性力と重力は,区別できないといいます。}

問題1

{宇宙船が地上で静止中なのか,宇宙を加速中なのか,部屋の中で感じるだけでは判別できないのです。}

考察

そのとおりです。人間の感覚はたいしたことがないということです。つい200年前までは、地球は停止していて、太陽や天球が回転しているとヨーロッパの科学者も人々も思っていました。昔の人は地球が止まっていると感じていたのです。今の人はどうでしょう。今の人も地球は止まっていると感じています。地球の動きを感じている人は皆無でしょう。では、地球が止まっていると感じているから地球は停止しているのでしょうか。現在は、それは否定されています。地球は自転して、公転して、天の川銀河とともに、アンドロメダ銀河と接近し、このあたりの銀河とともにグレートアトラクターに向かって動いているということです。この本でもそう書いています。世界中の人が地球は動いていないと感じているのに何故そんなことが言えるのでしょう。観測です。窓のない宇宙船と違って、地球には空が開けています。自由に観測できるから本当のことが分かるのです。

その観測が物理学です。その感覚が心理学であり、地動説に反対した宗教であるのです。

 

宇宙船の中の人がなにを感じようがそれは物理学ではありません。心理学の問題です。科学なら観測を中心にしなければなりません。窓をなくして何も見えなくして、何もわからないだろうというのは科学ではありません。それは間違い以外のないものも生みません。なにも見えなくするなら、目隠ししてもいいし、正しく判断させないなら、猿を乗せてもいいし、ミミズでも十分役割を果たします。とにかくなにがなんだか分からなくさせればいいのですから。

観測者に目隠しをしてなにがなんだかわからなくさせるのが一般相対性理論の方法といえます。本当のことは見せない。不利な現象は完全無視する。これが相対論の得意技のようです。

 

問題2 慣性力

{宇宙船は上方へと加速している最中で,下向きに慣性力がかかっている状態}

考察

 {宇宙船は上方へと加速している最中}というのが実際の宇宙船の動きです。ちゃんと判断できているではないですか。中の人が分からなくても上方へと加速しているという事実は事実です。判断できない、という感覚から始めるのではなく、事実から考えるのが科学です。科学はまず事実を見極めることから始めなくてはなりません。窓を閉じ、観測させないことから始めてはなりません。

ではその事実から始めてみます。

{下向きに慣性力がかかっている}と、その慣性力が実際の力を持っているなら、人は下向きに進まなくてはならないはずです。しかし、実際には人は宇宙船とともに上方へと加速しています。この本の筆者がそれを認めています。中の人がどのように感じようと、慣性力と反対の方向に動いているのは事実です。

実際に働いている力は、宇宙船を上昇させるロケットエンジンのエネルギー(力)だけです。慣性力には実際のエネルギーが存在しません。だから中の人も宇宙船も動かせません。実際、中の人も宇宙船も上昇しています。慣性力には「力」がついていますが、実際の力ではなく、幻の力です。

 もちろん、中の人も、下向きの力を感じているのではなく、床に押し上げられている力を感じています。下向きの力を感じている人は、極少数、相対論者だけです。それも実際に感じているのではなく、理論に必要だから感じることにしようと言っているだけです。

実際に電車で試してみると良いです。足が前に動くのか、身体が後ろに動くのか。後ろに動くと言っている人は相対論者だけで、相対論の慣性力を知らない人は足が前にすくわれるのを感じるでしょう。

問題3 実験の方法

{宇宙船に乗っていて,窓もなにもない(外の状況が分からない)部屋にいるとします。}

考察

これは科学の方法ではありません。詐欺師の方法です。不利なことは一切言わないで隠しておき、うまいことだけ並べて言葉巧みに商品を売りつけます。

科学は一番不利なことを一番最初に検証しなければなりません。だから、宇宙船には窓をつけなくてはなりません。観測機器も備えなくてはなりません。目も鼻も口もふさいで、なおかつ手足を縛っていては、何の検証もできないでしょう。

相対論者は嫌がるでしょうが、宇宙船に窓をつけてみます。地上にいると、周りの景色が見えます。空港に留まっているのが分かります。周りに宇宙空間が見えると、飛んでいるのが分かります。はっきり区別できます。科学の基本は観測です。不利なことは一切見えなくするのは科学ではありません

科学なら、あらゆる観測手段を与えてなおかつ慣性力と重力が区別できないといえなければなりません。それがありません。まったくその逆です。

問題4

{重力と,加速時にかかる慣性力は区別できない。}

{慣性力と重力が区別できない,つまり同等であるということは}

考察

 一般相対性理論では重力と慣性力は同じということです。先に述べたように、慣性力は人間を動かしません。電車の中で後ろ向きに働いた慣性力は、人を後ろには動かしません。人は、電車のモーターのエネルギーを受けて前に進みます。慣性力は物体を動かす力を持たないのですからエネルギーは0です。

 重力=慣性力とすると、慣性力=エネルギー0だから、重力=慣性力=エネルギー0になり、重力=エネルギー0になってしまいます。重力のエネルギーがなくなってしまいます。

相対論の重力は空間の曲がりということだからエネルギーが0かもしれませんが、ニュートンの万有引力は物を引きつける実際のエネルギーを持っています。月は万有引力で引きあっているので宇宙のかなたに飛んでいきません。地球も、太陽と万有引力で引き合っているので宇宙のかなたに飛んでいきません。投げ上げたボールは落ちてきます。アインシュタインのロープの切れたエレベーターは落ちてきます。万有引力は実際に物を動かす力を持っています。慣性力とは異なります。

重力が実際の引力を持っていたら、重力=慣性力とはならないはずです。そして、重力は物を落とすと言っているのだから、重力は慣性力と同じとはいえません。

元々、重力は空間の曲がりですし、万有引力は引き合う力ですから、まるで違う現象なので、重力は万有引力とは違うものだといえますが。

結論

{一般相対性理論によると、加速によって生じる慣性力と重力は区別できないといいます。}というけれど、

目隠しされた人には区別できないだけで、この本の著者は、{宇宙船は上方へと加速している最中で,}とちゃんと区別できています。

区別できるできないは、事実とは関係ないことです。今さら、地球が止まっていると感じるから、天動説が正しいと言っても始まらないのと同じです。感覚だけで判断している理屈は科学としては意味を持ちません。宗教や、心理学や占いでは意味があるかもしれませんが。