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タイムトラベルと双子のパラドックス(Newton2017,7ニュートンプレス)

について 6


著者 田 敞

(以下{ }内は上記本よりの引用)


問題

{重力が強いほど,時間の進み方がゆっくりになるのです。たとえば,高層ビルの上の方の階は,下の方の階よりも地球の中心から遠いため,重力がわずかに弱くなります。そのため,上の階に行くほど,時間の進み方が遅くなるのです。}

考察

 上に行くにしたがって時間の進み方が遅くなるということです。しかし、そのために何か変わったことが起こるかというと何も起こりません。時間の進み方が遅くなって電車の時刻と違ったからといって、会社に遅刻したりはしません。ちゃんといつものように同時に電車に乗れます。上の階の、時間がゆっくりで過去の時刻になっている人が朝降りてきても、1階の現在の時刻の人と顔を合わせることができます。過去の人と現在の人が普通に顔を合わせます。何の不都合も起こりません。上の階の人と下の階の人の時間が同じ速さであったのと現象は寸分の違いも起こりません。

ところで、このときどちらの時刻が本当の時刻になるのでしょうね。どちらも正しいということなのでしょうか。東京にはたくさんの高層マンションがあります。さまざまな高さにたくさんの人が住んでいます。その人たちの時間の進み方は様々です。するとその人たちの時刻はみんな違います。どれが本当の時刻なのでしょう。仕方がないから日本標準時に合わせますか。高さが違って時間の進み方が違って、違う時刻にいても、時計を合わせればことは足りるのです。アインシュタインの時間なんて時計を合わせればすべて解消されるのです。相対性理論で時間がいくら遅くなっても、時計のノブを指で回せば、それでチャラです。速度や重力で遅れる時間は、指の力と同等です。それが相対性理論です。

異なる時刻の人が顔を合わせてあいさつするなんて。相対性理論て不思議な現象を起こしますね。

 高層ビルといったってほんの少し、0.0000がつくくらいの小さな時間差だからかまわないというかもしれません。ではヒマラヤの山小屋の管理人はどうでしょう。時間の遅れが10年も20年も積み重なって、かなり過去の人になっているはずです。しかし、ふもとから客が登ってきても、ちゃんと、話をしたり世話をしたりしています。ヒマラヤの上の時間もふもとの時間も同じ速さで進む場合となに一つ変わりません。

もっと時間の遅れが顕著な例は太陽です。太陽は、地球より1年1分遅れると相対性理論者はいいます。すると今の太陽は46億分地球より過去になっています。それでもちゃんと、今の地球の上空に現れています。46億分もの時間の遅れは現実には何の影響もありません。46億分(≒8752年)過去の太陽からの光がちゃんと今の地球に降り注いでいます。この現象は、太陽の時間も地球の時間も同じ速さで進むというニュートンの絶対時間の世界とまったく同じです。

 もし相対性理論が本当だとしたら、地球上の人間や動物はすべて異なった時刻に存在するはずです。過去や現在や未来の時刻にごちゃまぜに存在しているはずです。ところが、みんな「今」という時刻に同時に存在しています。宇宙はすべて同一時刻であるというニュートンの考える世界とまったく同じです。

 相対性理論の時間は、いくら進もうがいくら遅くなろうが、何千年過去になろうが、何千年未来になろうが、今の地球にちゃんと現れます。あたかも時間の遅速が一切なかったかのようにです。そして、地球が全宇宙の時間の中心であるかのようにすべてが地球の今の時刻に現れてくれています。ありがたいことです。

相対性理論ではいくら時間が遅れてもいくら速く進んでもみんな同時だ、というようです。光速の80%の速度の宇宙船に乗った兄の12年後が、地球にいる弟の36年後と同時だということですから。でも時間の進み方が違うと時刻は違ってきます。1900年に兄が出発すると兄の時計は1912年ですし、弟の時計は1936年です。地球に帰還した兄の時計は、1956年で弟の時計は1980年をさしています。どちらが正しい時刻でしょう。顔を合わせられるのだから、時間が同じ速度で進んでいる世界と同じことが起こっています。いや、兄は24歳若いからこが違うということでしょう。ところがこれは実証されていません。科学なら実証が必要です。予言なら実証はいりません。

 

結論

 相対性理論の時間は、どんなに速く進んで未来に居ても、どんなに遅く進んで過去に居ても、すべて地球の時間に合わせて同時に現れます。とても地球思いの時間です。そうしないと、太陽が石器時代に行ってしまって、現在は真っ暗闇で星しかなくなってしまいますから。いえ、その星も時刻が違う別の世界に行ってしまって、空は何にもなくなってしまいます。どんなに時刻が違ってもすべての物質が地球時刻に合わせて現れてくれるのは本当にありがたいことです。

相対性理論の時間の遅速は現実には何の影響ももたらしていません(今のところ、この地球では、すべての人や物は同時に存在しているけれど相対性理論効果で若いままだという人や生きものは発見されていません。観測できた範囲の宇宙でも異時刻の物は発見されていません。もちろん相対性理論者は異時刻でも同時だというでしょうが)。時間はすべて同じ速度で進むという、絶対時間の世界とまったく同じです。このことは、相対性理論の時間の遅速は、現実世界には存在していないということを表しています。