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タイムトラベルと双子のパラドックス(Newton2017,7ニュートンプレス)

について 5


著者 田 敞

(以下{ }内は上記本よりの引用)

 

{ブックホールの表面では,時間は停止する}


問題

{ブラックホールに近づくにつれ,重力はどんどん強くなり,時間の進み方も遅くなっていきます。ブラックホールの表面では,時間の流れが停止する(時間が進まない)と考えられています。}

 この考えは実証されていません。そこで、実際のブラックホールの表面では時間は停止しているかについて、観測されているブラックホールの現象で考えてみます。

考察

ブラックホールの表面で時間が停止すると、どのようなことが起こるかを考えてみます。

{「速度=移動した距離÷かかった時間」ですから。}とあります。小学校で習う普通の算数の式です。このことから、「移動した距離=速度×かかった時間」という式も出てきます。これも小学生が習う算数です。

この式から、ブラックホールの移動距離について考えてみます。「ブラックホールが移動した距離=ブラックホールの速度×かかった時間」となります。相対性理論ではブラックホールの表面では時間が停止していますから、「かかった時間」は0秒になります。すると、ブラックホールが移動した距離は0メートル(ブラックホールが移動した距離=ブラックホールの速度×0秒)になります。ブラックホールは動けません。1秒間に30万キロメートル飛ぶ宇宙最速の光でも、0秒間に動ける距離は0メートルです。ブラックホールしかりです。

 では、実際のブラックホールはどうなっているでしょう。

天の川銀河の中心には巨大なブラックホールがあります。このブラックホールは、天の川銀河とともに移動しています。アンドロメダ銀河の中心にも巨大なブラックホールがあります。アンドロメダ銀河も動いています。その中心にあるブラックホールも動いています。

 白鳥座にもブラックホールが観測されています。このブラックホールも天の川銀河の星とともに動いています。

 計算では動けないはずなのに、現実のブラックホールは動いています。それも、他の星とじ同調して動いています。ほかの星に取り残されたりはしていません。これは、ブラックホールの時間が止まっていないことを表しています。実際の現象は、相対性理論を否定しているということです。


 相対性理論は小学生の計算では表せないということかもしれません。そこで、ブラックホールは、時間が止まってもほかの星と同じに動けるということをもう少し考えてみます。

もしある星が西暦1200年に爆発してブラックホールになったとします。すると、ブラックホールの時間は止まるのだから、ブラックホールの時刻は西暦1200年で止まってしまいます。ほかの星はどんどん時間が進むので、西暦2019年になっています。西暦2019年から、西暦1200年が見えるでしょうか。去年の地球は宇宙のどこを探しても見えません。1年前さえ見えないのに、819年前が見えるでしょうか。

 銀河系の中心のブラックホールは、おそらく100億年前にはできていたと考えられます。そのときにブラックホールの時間は止まります。時刻はその時のまま、紀元前99億9999万8000年です。しかし、今も、天の川銀河の中心にあって天の川銀河がバラバラにならないように引き付けています。巨大な恒星がその周りを公転しているのも観測されています。100億年過去にあるブラックホールが、現在の恒星を引き付けているのです。とても不思議な現象です。もちろん、できてから今までに銀河系は大きく移動しています。動けないブラックホールはその場に取り残されているかというと、そんなことはありません。ほかの無数の星と同じように、万有引力の法則どおりにちゃんと所定の場所にあります。普通に時間が進んでいる星とそっくり同じです。ブラックホールは自分の時間が止まっているのを知らないようです。

 相対性理論では時間の進み方が遅くなって過去の時刻になっても、速くなって未来に行っても、止まって過去にそのまま止まっていても。みんな今の時刻に現れています。時間の遅速は実際の現象には何一つ影響を与えません。特殊相対性理論の双子のパラドックスに出てくる兄弟も、兄が帰ってきたとき、36年も過去の時刻にいる兄と、現在の弟が会っています。時間がとまったり、速くなったり、遅くなっても、時間が同速度で進んだのと全く同じ現象です。ただ兄が歳をとる速度が遅かったということは違うようですが。

 何にしろ、相対性理論では、時間が遅くなっても止まっても現実には何の変化ももたらさないようです。ちゃんとみんなと一緒に動くし、ちゃんと、「今の時刻」に、遅れたり、速く着いたりせずにぴったり現れます。本当に気まじめです。

結論

 実際のブラックホールは周りの普通の恒星と同じように移動しています。このことからブラックホールの表面も時間が普通の恒星と同じように進んでいるということが分かります。

 重力がいくら強くなっても、時間は止まらないということの実証です。すなわち、重力は時間に影響しないということを表しています。