相対論の詭弁目次   慣性力と慣性の法則 重力とリンゴの重さ 



「図解雑学よくわかるヒッグス粒子」に見る相対論の詭弁4

 

参考図書

「図解雑学よくわかるヒッグス粒子・広瀬立成・ナツメ社」


 著者 田 敞


(以下{ }内は図解雑学よくわかるヒッグス粒子よりの引用。( )内は上記本の関連ページ)
重力と慣性力は別物か

 

問題1 重力質量と慣性質量(P62

{重力質量と、慣性質量が別物であることを意味する}

考察

 ここで、二つを分ける意味は、あとで、重力質量と慣性力が同じであるというためのようです。慣性力には慣性質量はないようですので。ごまかしやすい、重力質量の方をターゲットにするためでしょう。

 慣性力は「見かけの力」と言明していたのだから、力はありません。架空の力です。実際にもそうです。それを確認しておきます。


問題2 宇宙船内と電車は同じ

{宇宙飛行士は宇宙船内に浮かんでいる。ここで、宇宙船が加速運動を始めると、地上の電車と同じように慣性力が発生し、宇宙飛行士は宇宙船の進行方向とは反対の方向(床の方向)へとおしつけられる。}

考察

60ページでは、慣性力は見かけの力から、こっそり、ボールをころがす力に変えられていました。ここでは、慣性力が、完全に実際に宇宙飛行士を床の方向に押し付けています。押しも押されもせぬ堂々とした実際の力に変えられています。見かけの力の片鱗も見られません。

宇宙飛行士を押しつけるには運動エネルギーがなくてはなりません。ところが、そのエネルギーの出所は示していません。なぜ見かけの力だと言っていたのが、実際に押しつける力になったのかの科学的根拠も示していません。言葉を巧みに言い変えて何となくいつの間にか「見かけの力」から、「実際の力」になっています。言葉の魔術といえば聞こえがいいですが、言葉のたぶらかしです。

 ここでも、運動エネルギーを持たない慣性力は、実在しない架空の力であることには変わりがありません。加速運動を始めたのは宇宙船であるとはっきり述べているのですから、加速しているのは宇宙船です。宇宙飛行士が宇宙船の床を押しているのではありません。宇宙飛行士にはエンジンはついていません。

理論的にもそうなります。宇宙飛行士は浮かんでいるから、どこからも運動エネルギーを新たに受けていないから加速することはできません。それまでの等速直線運動をしているだけです。宇宙船はエンジンから運動エネルギーを受け取って加速しています。

 だから、宇宙飛行士が床に向かって進むのではなく、床が宇宙飛行士に向かって動いていきます。宇宙飛行士が床を押しているのではなく、床が宇宙飛行士を押しているのです。慣性力という、運動エネルギーを持たない架空の力を想定しても、それは実際に宇宙飛行士を押しません。

 もし宇宙飛行士が床を押しているのであれば宇宙船は後ろに進むことになるはずです。実際は、床に押されて、宇宙飛行士もロケット共に加速して進んでいきます。けっして宇宙飛行士がロケットの床を押してロケットを後ろに進めていきません。電車の中のボールが後ろの転がっているように見えても、実際の現象はボールは電車と共に前方に進んでいました。それと同じです。慣性力は実際の運動エネルギーを持たないから実際の運動に寄与しません。宇宙飛行士は床を押す運動エネルギーを持たないから、床を押すことはできません。

 慣性力は言葉だけで、実際に存在する運動エネルギーではありません。だから慣性力は物質にどのような動きも加えません。


問題3 等価原理

慣性力は重力と等価である。

考察

 「重力=慣性力」とする。

 P60に、慣性力=見かけの力、ということが書いてあった。

すると、次の式が成り立つ。

 重力=慣性力=見かけの力

すると、次の式が成り立つ。

 重力=見かけの力

 重力は見かけの力ではありません。実際の力です。

 ではなぜ、「重力=見かけの力」となったのでしょう。「重力=慣性力」としたからです。ここが間違っているから、重力が「見かけの力」になってしまったのです。

 

問題4

宇宙船の加速度=地上の重力加速度なら・・・

{宇宙飛行士には地上にいるときと同じ大きさの慣性力が働くため、宇宙飛行士は地上にいるときとまったく同じ感覚で運動することができるはずだ。そして窓の外を見ない限り、宇宙飛行士は、加速運動をしている宇宙船の中(非慣性系)にいて慣性力を受けている状態なのか、地上(慣性系)にいて重力を受けている状態なのか、区別することができないだろう。}

問ア

{宇宙飛行士には地上にいるときと同じ大きさの慣性力が働くため}

考察

 慣性力は「見かけの力」でした。それはこの場合も変わりません。「見かけの力」が実際に物質の運動に作用することはありません。ただそう見えるだけで実際の物質の運動とは関係ありません。

 ここでは「見かけの力」から実際の力に変えられて、「見かけ」は封印されています。窓から外を見ないという条件をつけて。外を見たら「見かけ」がばれてしまいますからね。不利なことは見せない。相対性理論の偉大な特徴です。科学ですか。いんちき会社の営業ですか。

問イ

{宇宙船の加速度が地上の重力加速度と同じ大きさ(9.8cm/s)で、あったならば、宇宙飛行士は地上にいるときとまったく同じ感覚で運動することができるはずだ。}

考察

・ 宇宙飛行士がジャンプする。

飛行士がジャンプしてみよう。飛行士はその瞬間から等速直線運動をします。それに対して、床が加速しながら追いついて衝突します。

宇宙飛行士は等速直線運動です。

・ 地上の人がジャンプする。

 地上の人がジャンプしてみよう。人は万有引力で地球と引き合い、減速し、やがて地球に対して停止し、次に加速しながら落下する。

 地上の人は放物線をたどります。

感覚は似ているのかもしれませんが、実際の現象はまるで異なります。感覚、「見かけ」を物理量とするのか、実際の運動を物理量とするのかの問題です。相対論では感覚ですが、物理学では実際の運動の方でしょう。

 

問ウ

{宇宙飛行士は、加速運動をしている宇宙船の中(非慣性系)にいて慣性力を受けている状態なのか、地上(慣性系)にいて重力を受けている状態なのか、区別することができないだろう。}

考察

ア ヒトの感覚

 人間の感覚は非常に不確かなものです。101グラムと102グラムを区別できないでしょう。17キロ329グラムの砂を秤なしに正確に測れますか。普通の人はできません。そんな曖昧な感覚だけで物理量をはかろうというのですから、これは物理学なのか疑ってしまいます。それでも押されているのか、押しているのかくらいの区別はつきます。それさえ分からないというのが慣性力と重力だそうです。そんな曖昧な感覚がすべての原理の元になるというのが相対性理論です。それは物理学ですか。

イ 手から離したボールの違い

{船内の飛行士やボールの運動は地上にいるときとまるっきり同じ}でしょうか。

・ 宇宙船の中で手からボールを離す。

 ボールは手から離れた瞬間の速度で等速直線運動をする(慣性の法則)。そのボールに対して、床が加速運動をして衝突する。

・ 地上で手からボールを離す

ボールは手から離れた時の速度(初速度)で始まって、地上に向かって加速運動をする。(落下の法則)

ヒトの見た目で判断しただけではこの違いは分からないかもしれませんが、実際上も理論上もボールの動きは両者でまるで異なります。

・ 宇宙船の外

 宇宙船の外にボールを離す。

ボールはその時の速度で、宇宙空間で等速直線運動を始めます。宇宙船は加速しているから、ボールより速い速度で加速しながらボールから遠ざかる。宇宙船の人から見ればボールは、加速しながら果てしなく遠ざかっていくように見えます。あるいは自分がボールから、加速しながら先に進んでいるように見えます(こちらが実際の運動)。見え方にかかわらず、実際は宇宙船もボールも、宇宙船の進行方向に飛んでいます。速度が違うだけです。

・ 地球の外でボールを離す

 宇宙船はボールを窓の外に出せばそれでいいのですが、地球には外はないかもしれません。一応、地球から離れた宇宙空間にボールを離すとします。万有引力はどこまでも届くということですから、宇宙空間のボールと引き合い、ボールは地球に向かって動き出します。だんだん速くなり(落下の法則)、やがて地球に落下します。地球から離れれば離れるほど加速される(位置エネルギー)から、大気圏で流星のように燃え尽きてしまう可能性があります。

 ただ、地球はかなり高速であるから、あまり遠くでボールを放すと、地球の引力は小さくなるから、地球の速度を初速度として持ったボールは慣性の法則でその速度で飛んでいくから地球の引力を振り切って飛んでいく可能性があります。(地球は楕円運動、ボールは放した時点で等速直線運動)

 この場合も、地球から離れて宇宙のかなたへ飛んでいくかもしれないが、宇宙船と違って、地球がボールから加速しながら遠ざかるということはありません。

 

 {船内の飛行士やボールの運動は地上にいるときとまるっきり同じ。}ということですが、同じなのは、宇宙船内で、決して窓から外を見てはならない宇宙飛行士の「見た目」だけで判断したボールの動きです。それも、相対論信奉者の目で見た時だけです。実際の現象はまるで異なっています。

 なぜ相対性理論信奉者の目では同じになるのかというと、宇宙船の飛行士は、宇宙船がエンジンのエネルギーを受けて加速運動をしているのに、相対性原理があるからといって、宇宙船が停止していると考えたからです。宇宙船が動いているのを知られてはならないから、宇宙船の窓から外を見てはならないのです。真実から目をそらせということです。

しかし、ニュートンの慣性の法則では、ボールには新たな運動エネルギーは加わっていないので加速しません。どちらにどのような運動エネルギーが働いたかを無視して、相対性理論に都合のいい、運動法則を無視した、見た目だけで判断しているからです。

 ここでは慣性系と非慣性系が出てくるのに、慣性の法則を無視しています。また、この後ニュートンの運動方程式F=m・aが出てきます。宇宙飛行士にはF(加速させる力)が加わったのに加速(a)しなくて、Fが加わらないボールが加速(a)しています。物理法則を完全に無視しています。

 

ウ {窓の外を見ない限り}

 窓の外くらい見させてあげたら。せっかく宇宙旅行に来ているのだから、なにも見ないなんて何のために宇宙に来ているのか意味がないでしょう。それとも見られたら困るものでもあるのですか。見られたら困るものがあるのでしょう。相対論が破たんするような代物が窓の外にあるのでしょう。それはなんでしょう。

エ 窓の外にあるもの

 まず、宇宙船が飛んでいるのが分かります。{地上(慣性系)にいて重力を受けている状態}でないことがばれてしまいます。困ったことです。星などが、宇宙船と並行に飛んできて飛び去っていくのが見えます。万有引力ではこんな現象は起こりませんから、等価原理には困りものです。

 

この本にも書いてあるように、慣性力は架空の力だから宇宙飛行士に実際に作用している力ではありません。この加速する宇宙船に働いている実際の力は、ロケットエンジンで生まれた実際の力です。ロケットの床が、宇宙飛行士を実際に押している力です。宇宙飛行士が床を押している力があるように言っていますが、そんな力は存在しません。ロケットに窓があろうとなかろうと、実際にロケットや宇宙飛行士にかかっている力は変わりません。ロケットエンジンの出力なのですから。

窓の外を見る、見ないで変化する力とはどんな力なのでしょう。慣性力は見た目だけのことで錯覚によって、あると思っただけの力なのだから、窓の有無であったりなかったりするのでしょう。でも実際には力は存在しません。

考察2

科学は、観察者の感覚だけに頼っていては事実を見誤る可能性があります。人間の感覚は頼りないものですから。

そこで、実際はどうなのかを見てみます。

(1)力の正体

ア 人との関係

・ 地上の人は、地球と人の万有引力で引っ張り合っている。

・ 宇宙船の人は、ロケットエンジンの力で床に押されて動いている。

 @ エネルギーの種類が異なる。

 A 力の働き方が異なる。

 地上の人は自らも万有引力を持って地球を引っ張っている。ロケットの人はロケットを引っ張ってはいない。ただ押されているだけだ。

イ 持っているボールとの関係

@ 地上の人の投げ上げたボール

 地球と万有引力で引き合い、ボールが放物線を描いて地球に当たる。(地球とボールの質量の差が大きすぎるから、ボールの方だけが動く)

A ロケットの中の人が投げたボール

 ボールは等速直線運動をする。それに対して、ロケットの床が加速しながらボールに衝突する。

(2) 窓の外との関係

ア ロケットと周りの物質との関係

 ロケットと、その他の物質との関係はロケットが加速運動をしているだけである。ロケットと接触していない物質はロケットとは無関係の運動をしている。

イ 地球と周りの物質との関係

 月は地球と万有引力で引き合って公転している。地球は、太陽とも引き合って公転運動をしている。地球の引力は宇宙の果てまで届いているということだ。すべての物質と、万有引力で引き合っている。

(3)運動の方向

 窓の外にボールを投げたら。

ア ロケットの場合

ボールは宇宙空間を等速直線運動をして飛んでいく。このときのボールの速度は、ロケットの速度プラス投げた時の腕の速度である。手から離れた後は、ロケットからはなんの力も受けない。ロケットはボールとは無関係に加速しながら飛んでいくだけだ。

イ 地球の場合

 どこで投げても、加速しながら地球に落ちる。地球の反対側で投げても、地球に加速しながら落ちる。手から離れても地球の万有引力の力を受け続けているからである。引力の向きは地球の中心になる。

 下にボールを置いたらどうなるか

ア 宇宙船の場合

宇宙船の下にボールを置いたら、ボールはそのままで、宇宙船が加速しながらボールから飛び去っていく。ボールは等速直線運動をする。

イ 地球の場合

 反対側に置いても、どこに置いても、地球と引き合って地表にとどまっている。地球がボールを置いて飛んでいくことはない。

(4)1年後

ア 宇宙船

宇宙空間を光速を超えて加速して飛び続けている。そんなことが可能なら。

特殊相対性理論で考えると、この宇宙船に対して光は光速度である。理由は宇宙船の時間が止まっているからである。あるいは、無限大に縮んでいるからである。宇宙飛行士は、時間が止まっているので動けない。また無限大に縮んでいるので、食事も、息もできない。困ったことになっている。

イ 地球

 1年前と同じ速度で、太陽の周りを公転している。人々は幸福に暮らしている。


結論

 ロケットの内部に限って観察者は地上と同じだと感じるが、これは感じだけで、実際の物理現象とはまるで異なります。同じことは一つもありません。

ロケットと外部との関係は地球と外部との関係とはまるで異なります、同じことは何一つないといえます。

 相対性理論は、感覚だけで成り立っています。実際の運動エネルギーや、物質の実際の動きや、その種類は一切無視します。(窓の外を見させない=不都合な事実にふたをする)ニュートン物理学は感覚は考慮しません。実際の現象を判断材料にし、運動エネルギーや、動きで判断します。

どちらが物理学だろう。