がんばれ!小保方春子さん  生物学のウソとホントはホントか   面白くて眠れなくなる進化論の記述について



「動的平衡3」(福岡伸一)にあるSTAP細胞批判について

(以下{ }内は上記本よりの引用)

著者 田 敞

福岡伸一氏はその著書「動的平衡3」において{科学者は、なぜ捏造するのか}と題して小保方晴子氏のSTAP細胞は捏造だったといっています。それについて考えてみます。

1 問題

{今回の事例は論文発表後から、世界中の研究者の集合的なあら探しによって、問題点があぶりだされた。最高峰だったはずの『ネイチャー』の審査が機能せず、草の根的なネット上の集合知が機能した。}

私見

(1) {『ネイチャー』の審査が機能せず}について

小保方氏はまずSTAP細胞の原理を思いつき、研究し、STAP細胞を作り出した。その細胞から、若山氏がキメラマウスと胎盤を作り、STAP細胞が万能細胞であることを実証した。

また、STAP細胞が存在することを示すために、小保方氏は、丹羽氏とその研究員を指導してSTAP細胞を作らせた。そのとき、丹羽氏は、これはSTAP現象だ、と述べている。

 また、若山氏にも、作り方を指導して、STAP細胞を作りださせている。捏造問題が発生したのち、若山氏も「ではあれはいたいなんだったのだ」と述べている。若山氏も作ったのがSTAP細胞だと信じていたということだ。捏造問題が取りざたされた後も、その細胞がなんだったのかはSTAP細胞以外は思いつかなかったようだ。(今も、若山氏がマウスと胎盤に発生させた細胞が、STAP細胞以外のなんであったのかを示せた人はいない)

 これらのふたつの実験は検証実験といえる。

 次に、他の人たちと共にSTAP細胞の特許を申請した。

 その後小保方氏は、他の人と共に論文を作成し、ネイチャーに投稿した。

 ネイチャーの審査が通り、論文は掲載された。

 この方法は、科学の研究のオオソドックスな方法である。これが機能しなかったと福岡氏は述べているが、どこに問題があったのだろう。

 ネイチャーの審査員は、小保方氏の捏造が見破れなかったといいたいのだろうけれど、そうだろうか。この後考えてみる。

(2){草の根的なネット上の集合知が機能した。}

 基本は{世界中の研究者の集合的なあら探し}である。その結果STAP細胞は小保方氏の捏造であるということに理化学研究所が決定したのだから確かに機能したといえる。

 しかし、機能した、と正しい結果を導き出したということとは別問題である。問題は{世界中の研究者の集合的なあら探し}が正しい判断を導き出したかどうかである。また、福岡氏が、機能しなかったと断定しているネイチャーの審査が、間違った判断をしたかどうかである。

(3)あらさがし

ア{DNA実験の画像データーに切り貼りされた痕跡があると指摘された}

これは見やすくするためであるという弁明があったと思う。これは、重箱の隅をつつくようなあら探しにすぎない。(あら探しの意味については後述。ネイチャーはかなり重要視している)

本質とはかかわりないことなので、このことでSTAP細胞が存在しないのに存在したように捏造したということはできない。かえって、取り上げることで、本質を論議するときに肝心なことをぼやけさせることになった。

イ {STAP細胞が胎盤になりうることを示した細胞発光のデーターにも疑義が示}された{これは共同研究者の一人が、写真を取り違えたことによる単純ミスだと釈明した}

 もし胎盤の写真が嘘であれば、STAP細胞は胎盤にもなるという小保方氏や共同研究者の若山氏の主張が嘘であるということになるから、これは本質にかかわる大きな問題である。

 これについて以下に考えてみる。

@ 胎盤を作ったのは共同研究者(なぜ名前を出さないのだろう)であるから、それが、ありもしない映像だとしたら、共同研究者の映像なのだから共同研究者の捏造になる。小保方氏の捏造ではない。

A 胎盤はできたマウスと同じ細胞から分化したものだから、胎盤が嘘なら、マウスも嘘になる。胎盤を作った共同研究者の完全な捏造になる。

しかし、マウスが本当なら、胎盤も本当である。{草の根的なネット上の集合知}からなぜかマウスへの疑義は出されていない。マウスの写真が本当なら、マウスは実在したことになる。マウスが実在するということは胎盤も実在したということである。ということは胎盤の写真も共同研究者の単純ミスであるといえる。これはたんに写真の取り違えであるから、やはり重箱の隅をつつくようなあら探しであるといえる。

しかし、これはそれ以上に重要な問題をはらんでいる可能性がある。

 これについて、{草の根的なネット上の集合知}は、写真の疑問を出しただけでそれ以上のことは言っていない。胎盤もマウスもできた、と言っているのは共同研究者(若山氏)であるし、写真を間違えたのも若山氏なのに、共同研究者ではなく、小保方氏が捏造しているかのように言うのはなぜだろう。追い落としたいのは小保方氏であって、寝返った若山氏ではないからなのだろうか。

問題は、疑義を述べたことにある。疑義を述べたことで、マスコミがそれを報道する。すると、受け取った人たちは、疑義、灰色であったものが黒、嘘、になる。疑義を声高に述べて、その真偽を検証することなく捨てて置いて、マスコミや、世の人にかってに想像させ、胎盤は嘘だと思わせるように仕向けるやり方は、噂話が伝わって行くたびに尾ひれがついて悪い方に流れるということを利用した、かなり卑怯なやり方であるといえる。このようなやり方は科学のやり方ではない。陰謀家のやり方である。こちらこそ、巧みな捏造であるといえる。

これについては後でもう一度考える。

ウ {おまけに論文のテキストに、他の論文からコピー・アンド・ペーストしたのではないか、と疑われる個所が出てきた。}

 他の人の論文を引用することは科学会で普通に行われている。引用が悪いと言っているのは{草の根的なネット上の集合知}だけではないだろうか。

科学界では、論文がどれだけ引用されているかで、世界の国の科学の隆盛を測っている。引用された論文の数が多い大学はいい研究ができている大学と評価される。引用を悪だといいだしたのは、{草の根的なネット上の集合知}のグループだ。そしてマスコミが大げさに取り上げた。この見解は一般的な見解ではない。

いや引用はいい、コピー・アンド・ペーストがよくないというのかもしれない。そうだろうか。引用するときにコピー・アンド・ペーストを行うのはこれも常識だ。これは、手間を省くためではなく、写し間違いを防ぐためだ。人は間違うのが普通だ。昔、カーボン紙を使って書いていた、同じものを2度書くと、必ず突き合わせて間違いがないかを調べなければならないけれど、カーボン紙によるコピーならその必要がない。それと同じだ。だから元の文が間違っていたら、そのとおりになるのは当たり前だ。元の論文に誤植があるときは、手で写すときもそのとおりに写す。引用者が自分の勝手な判断で引用先の論文の内容を変えてはならないからだ。間違いもそのまま写していた、というのが悪いことのように言っているが、それは、{草の根的なネット上の集合知}の考え方が間違っている。また、マスコミがそうだそうだと喝さいしていたのはマスコミの商業的理由でだ。マスコミはスクープが欲しいだけだからだ。マスコミのスクープはスキャンダルだからだ。コピー・アンド・ペーストは間違いではありません、ではスクープにはならないからだ。

 なぜ、{草の根的なネット上の集合知}はコピー・アンド・ペーストをインチキしたと触れまわったのだろう。思うに、小保方氏は、いろいろな人の論文を寄せ集めて論文を作った。インチキ論文であるということを振りまきたかったのだろう。この後も、マスコミで論文の書き方について取り上げられていた。最近の学生は自分の考えではなく、他の論文をネットで拾い集めて、自分のだとして提出する、などというのがマスコミで取り上げられていた。論文の書き方を指導しなくてはならないということがマスコミをにぎわしていた。さも、小保方氏の論文も他人の論文をつぎはぎして創り上げた偽論文だといわんばかりだった。

しかし、小保方氏のSTAP細胞は{これまでの常識を覆す、意外な実験結果だった。私の周囲の幹細胞研究者にも聞いてみたが、みな一様に大きなショックを受けていた。}とあるように、それまで誰も考えなかったことなのだから、誰かが小保方氏の前に同じような論文を書いていたということはない。小保方氏のオリジナルな論文であり寄せ集めて作れる論文ではないということだ。

 ではなぜ科学では常識である、コピー・アンド・ペーストを{草の根的なネット上の集合知}は非難したのだろう。小保方氏の論文が寄せ集めのインチキだとみんなに思わせるためである。マスコミで何度も取り上げたことでかなりの人がそう思ったことだろう。大学の先生も取り上げていた。この本にも取り上げられているくらいだから相当浸透している。学生が、ネットから拾った論文を丸々コピーして提出することと小保方氏の論文を同一視した人が世間にいっぱいいるだろう。しかし、これは本当ではない。彼女の論文はオリジナルであるのだから{草の根的なネット上の集合知}の作り上げた巧みな嘘である。こちらこそ捏造であるといえる。そしてスクープ合戦しているマスコミは、ここぞとばかりでっちあげたのである。

{草の根的なネット上の集合知}が小保方氏の論文をおとしめ、STAP細胞を亡きものにするためにマスコミを利用したとしたら見事に機能したといえる。もしそうなら、これはかなり卑劣なやり方だ。捏造以上にひどいやり方だ。これは科学というより、ネットいじめの{集団あら探し}とそっくりのやり方である。そんな意図はないというかもしれないが、結果はそうなっている。結果がそうなっているということは、{草の根的なネット上の集合知}のしたことは陰険なやり方だということの実証になる。

エ {T細胞であれば遺伝子再編が起こり、細胞が初期化されても元に戻らないはずなのに、再編が見つからない。}

 福岡氏は、これがSTAP細胞が嘘だということの決定的証拠としてこの本で取り上げている。そうだろうか。

これはSTAP細胞が出るまでの常識にしかすぎない。小保方氏が作ったSTAP細胞ではこれが消えたというのだから、実際にそうなのだ。やってみたらT細胞の遺伝子再編が消えた、という事実がこれからの常識になる、それが科学の進歩ということだ。

 ガリレオはその時の科学者や、宗教家やマスコミから嘘つき呼ばわりされた。それまでの常識と違っていたからだ。

 ダーウィンしかりである。彼もその時の科学者や、マスコミにたたかれている。それまでの科学の常識と違っていたからだ。

 大陸移動説も長く認められなかった。やはり常識外れだったからだ。

 小保方氏はT細胞の遺伝子再編もSTAP細胞では消えることをSTAP細胞を作ることで実証した。それに対抗するのに、常識外れだから駄目だ、では科学ではない。科学なら、何があっても遺伝子再編は消えないということを実証することが必要である。{草の根的なネット上の集合知}はそれができていない。やろうともしていない。できないからだ。

 特に、STAP細胞は、ES細胞を超えて、さらに卵細胞の近くまで戻っているとこの本にもある。これまでの科学の常識を完全に打ち破っている。

 STAP細胞は、卵細胞と同じように胎盤も作っているのだから、あらゆることが白紙に戻っていると考えられる。皮膚からSTAP細胞を作ったら、皮膚の特徴が残っていた、では、万能細胞にはなれない。その細胞からマウスを発生させたら、目にも、心臓にも、肝臓にも皮膚の特徴が現れてしまう。まともにマウスにはなれないだろう。もしSTAP細胞に遺伝子再編が残っていたら、マウスにも、胎盤にもなれないだろう。だが、小保方氏が作った細胞から若山氏がマウスと胎盤を実際に作っている。この事実は、明らかに、T細胞から遺伝子再編が消えたことを実証している。それまでの常識に外れているからということで実際に起こったことを否定することはできない。若山氏が作ったマウスと胎盤は捏造で実際には存在しないというならそれを証明しなければならない。それはできていない。胎盤の写真に疑義を唱えて、そんなものはなかったという噂話を盛り上げただけだ。これは誹謗中傷をするときに、俺はそんなことは言ってないよ、ちょっとだけそうかな、って言っただけだよと後で言い訳できるように逃げ道を作っておくやり方と同じだ。マスコミがかってに言ったんだよと。まあ、かなり汚いやりかただ。

 {草の根的なネット上の集合知}は、小保方氏は、STAP細胞は捏造、すなわちSTAP細胞を作っていないと言っている。では小保方氏が若山氏に渡した細胞は何だったのか。若山氏はそれから胎盤やマウスを作っている。これに対する正しい答えを{草の根的なネット上の集合知}は提出していない。また、丹羽氏や、若山氏が小保方氏の指導のもとSTAP細胞を作っている。これはなんだったのか。3人が、口をそろえて、作ってもいないことを作ったと捏造したのだろうか。{草の根的なネット上の集合知}はそうは言っていない、捏造したのは小保方氏だけだとしている。暗に、小保方氏が二人を騙したと言いたいのだろう。しかし、この二人はその道の専門家である。その人たちが実際にSTAP細胞をつくっているのである。丹羽氏などは研究室の人たちと一緒に作っている。どのようにして騙せるのだろう。騙せるわけがない。丹羽氏とその研究室の人や若山氏が嘘を言ったとはいえないし、かといって、小保方氏に騙されたともいえない。だから、{草の根的なネット上の集合知}はそのことには触れない。都合の悪いことは無視しろ、だ。

 もしSTAP細胞が捏造、すなわち存在しないなら、若山氏はなにからマウスと胎盤を発生させたのだろうか。福岡氏はこの本ではそれには触れていない。一番肝心なことなのだから触れるくらいはしなくてはならないだろう。福岡氏には分からないからだろうか。それとも他に理由があるのだろうか。

しかし、これについて、この本では取り上げていないが、{草の根的なネット上の集合知}は、小保方氏が若山氏に渡したのは、ES細胞から作った細胞である、と言っている。若山氏はSTAP細胞ではなく、ES細胞からマウスと胎盤を作ったといっている。福岡氏はこれを取り上げていない。捏造したか否かについての科学的な検証には割烹着よりはるかに重要なことなのにである。

 これはSTAP細胞が捏造か否かについての判断を下す重要な問題である。マスコミでは大きくとりあげられたことなのに、この本では何故取り上げなかったのであろう。簡単である、この本にはES細胞からは胎盤はできないと書いてあるからだ。ところが、若山氏は胎盤も発生させている。この事実が、ES細胞説を完全に否定しているからではないだろうか。福岡氏も、小保方氏のSTAP細胞はES細胞からできたという{草の根的なネット上の集合知}の主張は間違っていると考えているから載せなかったのだろう。しかし、科学ならそれを取り上げて、{草の根的なネット上の集合知}も間違っていると書かなければならないはずである。自分の主塔に一番不利になるものを真っ先に取り上げなければならない、というのが科学の方法論である。なぜ書かなかったのだろう。かなり重要なことなのに触れもしないのはどうしてだろう。少なくとも、コピペや切り貼りや写真の間違いなどよりはるかに重要なことである。もちろん、若い割烹着を着た女性研究者などは書く必要は一つもないが、こちらは、本質にかかわることだから科学としては書かなければならないことである。それなのに、なぜ書かなかったのだろう。ただ、一つの傾向はある。書いてあることは、すべて、小保方捏造を後押しすることだけだ。書いてないことは小保方氏の有利になる事ばかりだ。

 それはさておき、話を戻そう。

{草の根的なネット上の集合知}が胎盤の写真にクレームをつけたのは、ES細胞からは胎盤ができないことを知っていたから、胎盤を否定しなくては自分たちの主張が通らないと考えたからではないだろうか。クレームをつければ、あとはスクープ合戦をしているマスコミが、それが真実だと思わせるように尾ひれをつけて報道すると考えたのだろう。実際そうなった。マスコミの人もできた胎盤は嘘だと思った人が多かったのではないだろうか。もちろんそれを見た一般の人はみんな胎盤は嘘だところっと騙されたことだろう。

この他にもおまけがある。

それは小保方氏が研究室を追い出されるときに、片付けた後のロッカーから、ES細胞が出てきたことだ。これが、STAP細胞はES細胞であるという説を裏付ける証拠としてもてはやされた。

しかしこれにも大きな疑問がある。自分のものをすべて持ちだした後に、捏造の最大の証拠になるES細胞だけを小保方氏はなぜ残したのだろう。もし、ES細胞からSTAP細胞を作ったのなら、捏造疑惑が持ち上がったら真っ先に証拠になるES細胞を処分するだろう。いわゆる証拠隠滅だ。小保方氏が騙したといわれているのは、日本の科学者のそうそうたるメンバーと、その分野の世界のトップクラスの科学者だ。それも複数の科学者だ。よっぽど頭がよくなくてはだませない相手だ。そんなに騙しがうまいのに、捏造の証拠だけを、これで作りましたと言わんばかりに残していくというのは不可思議なことだ。

サスペンスでは、やっつけたい人を犯人に仕立て上げるために、その人の持ち物をこっそり犯行現場に置いておくというのがよくある。もちろんこれはサスペンスであるから本当のことではない。でも、これととてもよく似ている。一番の証拠だけを犯人がこれ見よがしに残していくというのは常識はずれであるが、陥れるためにこっそりいれるというのは、ありそうなことに思える。少なくともサスペンスやミステリーでは常套手段である。たいがい見破られるのだが。しかし、マスコミはロッカーからES細胞が出たというスキャンダルに飛び付いた。とても受けるスクープだからだ。

STAP細胞はES細胞である。ES細胞の写真は変である。ES細胞が小保方氏のロッカーから出てきた。この一連のことは、STAP細胞がES細胞であるということを信じさせるためにかなり有効に働いた。マスコミがそれに全面的に手を貸した。そして世の人もマスコミを信じた。

しかし、ES細胞からは胎盤ができないのは事実だ。若山氏が、STAP細胞から胎盤を作っているという事実が、{草の根的なネット上の集合知}が言っているSTAP細胞ES細胞説を明らかに否定している。そのための、胎盤写真への疑義であり、ロッカーの中のES細胞発見なのだろうけど、それで、ES細胞から胎盤ができないという事実を覆すことはできない。また、若山氏が小保方氏から渡された細胞から胎盤を作ったということも覆すことはできない。そんなことで騙されるのは、素人のジャーナリストと、普通の人だけだ。

(なぜES細胞からは胎盤ができないか。それは卵細胞の発生の仕組みにある。卵細胞は分裂をして、途中で、ES細胞と、胎盤細胞に別れる。胎盤細胞は、子宮へ気について、胎盤になり、ES細胞は胎児になっていく。一度役割が、胎児になると決まったら、もうそこからは胎児になるしかない。元に戻って、胎盤にはなれない。だから、ES細胞からは胎盤ができない)

若山氏が嘘をついたという証拠もないし、{草の根的なネット上の集合知}は、若山氏が造ってもいない胎盤を作ったといっているとも言っていない。ただ疑惑を流して、みんなにそう思わせただけだ。

 マスコミは信じたけれど、科学的にはキメラ胎盤ができたことを{草の根的なネット上の集合知}は覆すことができていない。胎盤ができなかったらキメラマウスも成長できないからだ。また、マウスがキメラなら、同じ細胞から分化した胎盤もキメラになるからだ。さすがの{草の根的なネット上の集合知}もこれを覆すことはできなかったが、人々に、STAP細胞はES細胞であると信じさせることはできた。彼らはSTAP細胞は嘘だとみんなに信じさせればいいのだからそれで十分なのである。なぜみんなはそれを信じたのか。胎盤が卵細胞からできることを知っている人はほとんどいないからだ。ほとんどの人は母親が胎盤を作ると思っている。ジャーナリストもそうだろう。

 なぜSTAP細胞はES細胞からできたとみんなが信じたのか。マスコミが報道したからだ。マスコミはなぜその嘘を信じたのか。彼らは幹細胞研究者ではないからだ。それについては無知だから{草の根的なネット上の集合知}のいいなりになるしかないからだ。それ以上に、その方がスクープになるからだ。スクープは記者や会社の手がらになる。視聴率が上がったり、本が売れたりするおいしいスープなのだ。だから彼らは飛び付いた。{草の根的なネット上の集合知}はマスコミを意のままに使うことにもたけている。さすがである。

 しかし、嘘を知っていながら、本当として流すのは捏造である。{草の根的なネット上の集合知}が流した、STAP細胞はES細胞であるという情報は、明らかに捏造であるといえる。捏造が真実として多くの人に信じられた。その原動力はメジャーなマスコミの報道である。かれらはなぜ{草の根的なネット上の集合知}の嘘を信じたのか。彼らは、胎盤がなにからできるかさえ知らない人たちだからだ。そして、真実を報道するといいながら、スクープ合戦をしていたからだ。スクープとは、真実ではなく、センセーショナルなことである。耳目を集めればいいのである。

 あの手この手で、小保方捏造を人々に信じさせたけれど、捏造したのは、本当は{草の根的なネット上の集合知}であるといえる。小保方氏ではない。

 ところで、STAP細胞は、ES細胞ではない、ips細胞でもない、では小保方氏が若山氏に渡した細胞はなんだったのだろう。キメラマウスや、胎盤ができるのは卵細胞しかないとこの本にはある。卵細胞だったのだろうか。もしそうなら若山氏は見破るだろう。その道の専門家なのだから。それに、若山氏も以前小保方氏の指導のもとでSTAP細胞を作ったことがあるから、若山氏は渡されたのがそれと同じ細胞であることは分かったはずだ。その道の専門家なのだから。卵細胞もES細胞もみたことのない記者たちとは違う。(若山氏を騙すのはかなり難しいが、なんにも知らないくせに、スクープになりそうなことをちょと匂わせると飛びついてくる記者たちを騙すのは赤子の手をひねるようなものだ。重箱の隅をつつくあらや、挙句の果ては不倫情報にも飛びついているのだから)

その小保方氏が渡した細胞から、キメラマウスとキメラ胎盤ができたのは事実である。{草の根的なネット上の集合知}はこれを覆す証拠を何一つ提出していない。それどころか、その細胞がES細胞であると言っている{草の根的なネット上の集合知}は嘘をついているのだから、こちらの方こそ明らかに捏造と言える。彼らはES細胞から胎盤ができないことを知っているはずだ。その道の研究者ならそれぐらい初歩の初歩の知識なのだから。知っているから、わざわざ写真にクレームをつけたり、ES細胞をロッカーから発見したとしたら、それは、陥れるための陰謀だから、捏造以上に恐ろしい行為だ。サスペンスになってしまう。

 福岡氏も{草の根的なネット上の集合知}と同じように、STAP細胞が捏造、すなわち存在しないという考えだけれど、この本に述べているSTAP細胞を否定するのにかかわりそうな彼の根拠はT細胞の遺伝子再編くらいである。あとはたんなる論文記載上のケアレスミスや年齢やファッションのことである。そして、肝心な、これこそ捏造の証拠だと言っている、T細胞なら遺伝子再編が消えるわけがない、ということも、小保方氏が作ったSTAP細胞からT細胞の遺伝子再編が消失したという事実を否定する事実を提出することはできていない。なぜなら、福岡氏はこの道の専門家ではないからだ。ネイチャーの審査員は、この道の世界の一級と認められている科学者たちだ。彼らがT細胞のことを知らないはずはない。そのひとたちが、STAP細胞を認めている。なにも知らないジャーナリストとその道の研究者と、どちらが騙しやすいだろう。言うまでもない。そして実際に{草の根的なネット上の集合知}の嘘に見事に騙された。

 

3 {草の根的なネット上の集合知が機能した。}ことについて

(1)メディアの報道

 {当時、あれほどまでにメディアが過熱して報道し、注目の的になったのは、なんといっても、STAP細胞の発見者・小保方晴子さんが、白衣の代わりに割烹着をまとい、研究室の壁をパステルの色に染めていたという、まあ駆け出しの研究者だったということによる。・・・どう考えても行きすぎである。}

私見

 なぜマスコミがそうなったのか。これは、一般の人は科学の中身について興味を持たない人が多いからであろう。STAP細胞の発見、と報道しても、ほとんどの人は見向きもしないし、見てもフウーン程度で終わってしまう。興味もないし、見ても分からないからだ。それを引き付けるためには、一般の人でもよくわかり興味を持ちそうな、ファッションや個人的な人となりについて報道する方が視聴者なり読者なりを引き付けるからだ。

 マスコミは科学の内容などに興味はない。記者自身も分からないことだからだ。現在の科学は科学者でもその分野の人にしか分からないほど専門化されているという。それを、まるっきり素人の記者に内容の正否が判断できるわけがない。発表されたとおりに報道するしかない。自然と、分かる、ファッションや、人となりに流れるのは仕方がないと思われる。しかし、それでは科学のことには何一つ正否は付けられない。

 

(2) 報道の効果

 {小保方晴子さんが、白衣の代わりに割烹着をまとい、研究室の壁をパステルの色に染めていたという、まあ駆け出しの研究者だった}ことが、逆風に果たした役割。

 福岡氏がそれには触れていないのはなぜだろう。意図して書かなかったのでは。

私見

 この本では意図して取り上げていないようだが、割烹着を着たファッショナブルな若い女性というマスコミが振りまいたイメージは、逆風に大きな影響を果たした。

 小保方捏造がネットで言われ始めると、マスコミはわれがちにこれに飛び付いた。近年ない一大スクープだからだ。その時、やはり割烹着やファッションをマスコミは大きく取りあげた。「あんなチャラチャラした小娘にそんな発見ができるわけがない」というイメージをこぞって振りまいた。普通の人々はそうだそうだ、とそれを信じた。なぜなら、普通の人はSTAP細胞があるかないかなど、聞いても判断のしようがないからだ。しかし、「チャラチャラした小娘」なら判断できる。チャラチャラした小娘にそんなすごい発見ができるわけがないという暗黙の常識があるからだ。みんなが小保方捏造を信じた最大の理由がこれだ。T細胞でも、ES細胞でもない。その次に分かるのは本質とはほぼ関係ないコピペとか、切り貼りくらいだ。

追い打ちをかけるように小保方不倫報道が出た。この嘘(捏造)がだめ押しの決定打になった。この不倫をマスコミに言った人はだれなのだろう。いくら三文週刊誌でも、完全にでっちあげることはしないだろう。誰かからの情報であろう。それも、フランスやアフリカからの情報ではないように、まるで小保方氏と関係のない人からの情報でもないはずだ。三文週刊誌でもさすがに、関係ない人には分かりっこないと思うだろう。言ったのは小保方氏の身近な人か、科学者の仲間ではないだろうか。それなら卑劣なやり方だ。まるっきりの嘘だったのだから。その嘘が世論を完全に小保方捏造に傾けた。そのために自殺者も出た。

 マスコミも世論も科学的理由を検証して小保方捏造と判断したのではない。その中身を検証する知識がない彼らは{草の根的なネット上の集合知}の言うがままに報道し世論はそれを信じるしかなかったからだ。そこで、彼らは、科学とはまるっきり関係ないファッションや性別や年齢や嘘で判断した。こちらの方こそ捏造であろう。いやそれ以上に、マスコミは、スクープという手がらをたてるために、犠牲者のことなど意に関せずに血祭りにあげたのだから、かなりひどい話だ。

 ネットいじめとなんと似ていることか。小保方追い落としの人のあら探しに乗っかってスクープ合戦をした大手のマスコミによる集団いじめにほかならない。

 

問題

{世界中の研究者の集合知的なあら探し}

私見

 ネイチャーは、審査にあったって、論文の正否を正しく審査できるようにする体制をつくるのは当然だが、それだけでなく、審査員の不正も防止するようなシステムを講じているという。

 今、科学の世界は細分化され深化している。そのために、同じ分野の研究をしている人にしか真偽は分からなくなっているという。だから、ネイチャーは投稿された論文の審査を同じ分野の世界の一流の人に頼むという。ところが、科学は金メダルの人しか栄光を与えられない。2番3番にはメダルはない。

 すると、同じ分野の研究論文が世に認められると、それと同じ研究をしている審査員の研究は無に帰してしまう。何年も研究してきたことが、水泡に帰してしまうことになる。そこで、審査員は、論文のあら探しをして、その論文を不採用にして世に出ないようにしてしまう。それどころか、その論文の内容を盗んで自分の研究のように発表するということがあるのではないか、とネイチャーは考えているという。

 そこで、ネイチャーは、審査員のそのような不正を防ぐための方策を講じているという。それは、複数の審査員を置く、審査員どうしが相談できないように誰が審査しているか秘密にする、論文提出者は、不利になると考える科学者を拒否できる、ということを行っているということだ。

 福岡氏は、このネイチャーの審査が機能しなかったといっている。そうだろうか。その根拠はどこにあるのだろうか疑問に思う。

 一方、反小保方の人たちはどうだろう。{草の根的なネット上の集合知}の人たちが審査員だ。この人たちは小保方論文のあら探しを目を血走らせて行っている。そして、最終的に論文を撤回させて、論文を不採用と同じ状態にしている。ネイチャーが審査員の不正とみなしていることとそっくり同じことを{草の根的なネット上の集合知}の人は行っている。

 ネイチャーは審査員の不正の防止策を取ったが、{草の根的なネット上の集合知}の審査には誰も不正の防止策は取っていない。マスコミは彼らのいいなりだった。それどころか、彼らの手足となってそれを言いふらした。ネットの拡散と同じだ。おいしいネタだからだ。マスコミは真実だと言っていたその探し出されたあらは、STAP細胞を嘘だとするだけの証拠になっただろうか。なっていない。この本ではT細胞くらいがかろうじて、疑問を持たせるくらいだ。書いたように、それは若山氏のマウスと胎盤を否定できる決定打にはならない。若山氏が作ったマウスと胎盤がなにからできたかを究明していないからだ。ES細胞説もこちらの方こそ明らかに言いがかり(捏造)である。あとは、ケアレスミスを見つけだしたあら探しだけだ。そんなのは論文を書く技術の問題で本質とは関係ない。しかし、こちらの方は記者たちも、一般の人たちも少しは分かるので、こちらの方こそはやしたてた。

 {草の根的なネット上の集合知}が言いふらしたことは、小保方氏を追い落としたい科学者の、あら探しと、でっち上げのES細胞説や、証拠にならないT細胞ではない説などしかない。それを、科学を知らないマスコミをうまく利用して、スクープ合戦をさせて、チャラチャラした小娘や、不倫報道で世論を味方につけて小保方捏造をでっちあげた。姑息で卑劣なやり方だ。

 小保方氏が、無数のビデオカメラの中で行った再現実験の翌年、ips細胞から作った細胞に科学的刺激を与えて万能細胞を作りそこから再生医療の細胞を作ったという記事が朝日新聞に出ていた。元はips細胞と言っているが、それによってできた分化した細胞に、科学的刺激を与えて万能細胞を作ったのは、小保方氏のSTAP細胞理論と同じだ。ネイチャーが危惧している、審査員が、審査する論文を不採用にした後、自分の理論に論文の中身を組み込んで発表するというのとそっくりである。

 この本では再現できなかったと書いてあるが、あの再現実験の後、それに立ち会った科学者が、「あのとき何かができていた」、と言ったと朝日新聞にはあった。なぜそれを審査員は調べなかったのだろう。調べては困ることがあったのだろうか。そのための再現実験のはずなのに、なぜ調べもしないで、再現はできなかったと発表したのだろう。

 小保方氏が言えばいいだろうということだろう。それは確かだ。しかし、マスコミや多くの科学者や、世論は、小保方捏造の大コールをしている。一緒に研究していた、若山氏は寝返った。笹井氏は自殺してしまった。小保方氏はただ一人で耐えていた。たくさんの牙をむく猫に囲まれた鼠だ。仲間はどんどん逃げ出した。共同研究者は寝返った。頼りの指導者は自殺した。何が言えるだろう。言ったところで誰が開くだろう。仲間でさえ寝返ったのである。周りは牙をむいている、小保方捏造を叫んでいる科学者やマスコミや世論である。以前の知り合いたちも白い目で見ていただろう。味方もいたのだろうが、なにか言ったら今度は自分がターゲットにされると、しり込みしていたのではないだろうか。

これは{STAP細胞の実在性について著者らが信念を持っていたのであれば、論文を撤回すべきではなかった。}とのべていることにもいえることだ。

 嘘付き小保方、いつまで嘘をつきとおすのだ。さっさと嘘を認めて論文を撤回しろ、という大合唱に誰が耐えられるというのだろう。ガリレオも、信念を曲げて主張を撤回した。「それでも地球は回っている」と捨て台詞を残して。小保方氏も、「それでもSTAP細胞はあります」と捨て台詞を残して。マスコミは白々しいと報道した。あの当時のガリレオも冷笑を浴びただろう。もし、偉大なガリレオとチャラチャラした小娘小保方を比べられるわけがない、と冷笑しているなら、それは明らかに間違いである。チャラチャラらした小娘というのは明らかに女性蔑視であり偏見である。駆け出しと、大物なら、それは権威主義にしかすぎない。科学は、誰がやったかではなく、述べていることの中身だけで判断しなければならない。福岡氏も述べているように、着ている服とか、ファッションとか、年齢とかで判断するのはおかしいと。ニュートンだってその重要な論文は、20代である。

{著者らが信念を持っていたのであれば}とあるが、信念を持っていたのは明らかである。彼らは世界で特許を申請している。すごく金のかかることだ。手間も並大抵ではない。信念がなければこんなことはしない。STAP細胞が捏造なら、特許を取ってもその後の医療に発展しないから,取り損でしかない。特許を取ろうとしたのは、その後、STAP細胞が再生医療に画期的な業績を上げると考えていたからだ。小保方氏は信念を持ってこのことを話していた。そして言葉だけではなく実際の行動でも示していた。これが信念でなくてなんだろう。そしてこの信念が彼女の首をかえって絞めたのではないだろうか。

 {STAP細胞の実在性について著者らが}とあるが、このとき小保方氏以外の著者はどこにいたのだろう。マウスを作った共同研究者の若山氏は寝返った。論文の指導をしてもらった笹井氏は自殺していた。攻撃されていたのは小保方氏一人きりである。誰が{著者ら}なのだろう。福岡氏は誰のことをさして言っているのだろう。

 ネットでの集団いじめで最近も自殺した人がいた。集団いじめとはものすごいことなのだ。人を自殺に追い込むほどの強烈な圧力なのだ。それで笹井氏は自殺している。小保方氏も、撤回か自殺かの瀬戸際に追い込まれていたのではないだろうか。私はよく耐えたと思っている。

 それくらいで自殺するとは弱虫もいいところだ、という人もいる。そう言う人は、いじめる側に回ったことがあっても、いじめられる側に立たされたことがない人だ。あるいは、人の気持ちを想像できない人ではないだろうか。

 小保方氏が再生実験の後、理研が結果報告をしたとき、その審査に携わっていた人が、「こんなやり方は科学のやり方ではない。こんなことがあってはならない」と、小保方氏に対する理研のやり方に憤っていたのが新聞に載っていた。

 

 {草の根的なネットの集合知}はみごとに機能した。STAP細胞を無きものにし、笹井氏を自殺に追い込み、小保方氏を研究界から追放した。いま、ケーキやで働いているという。二つの大きな知が踏みにじられ、血まで流された。大きな機能を果たしたのは確かだ。しかし、その機能は正しい機能だったのだろうか。真実を見極められたのだろうか。ネットの集団いじめは人を自殺にまで追いやるほどの機能をする。機能すればいいのだろうか。{草の根的なネットの集合知}がしたことはSTAP細胞を亡きものにするためにマスコミまで利用した集団いじめにほかならなかったのではないだろうか。

 

 

日本はノーベル賞受賞者をひとりなくしたのである。残念なことである。

 ガリレオは、「それでも地球は回っている」と言った。人々は嘲笑ったが、やがてそれは認められた。それが真実だったからだ。小保方氏は言った「それでもSTAP細胞はあります」と。マスコミや世間は嘲笑ったが、いつの日にか真実は認められる、という日が来ると信じたい。

 

最後に、福岡氏はなぜこのことを本に書いたのだろう。STAP細胞問題は決着がついていることだ。笹井氏は自殺し、小保方氏は研究界から追放されて市井の人になっている。それなのに、さらに追い打ちをかけるように小保方氏をなぜ非難するのだろう。真実を書いただけだというのだろうけど、そうではない。小保方氏が不利になることだけ書いて、小保方氏が有利になることは一切書いていない。書いたように、丹羽氏の作ったSTAP細胞や若山氏の作ったSTAP細胞について書いていない。否定しようがないからではないのだろうか。{草の根的なネットの集合知}が主張していたSTAP細胞はES細胞であるという主張についてもおくびにも出していない。若山氏が作ったキメラマウスとキメラ胎盤が何からできたのかも書いていない。STAP細胞以外思いつかないからではないのだろうか。実際、卵細胞か、STAP細胞以外にはないのである。もしそれ以外であっても、それはそれでノーベル賞級の大発見である。卵細胞でもない、ES細胞でもない、IPS細胞でもない、もちろんSTAP細胞でもない、今まで知られていない新しい細胞からマウスと胎盤を発生させたのだから。

どうでもいい{あら探し}を書いて、これらの根幹にかかわることは無視している。

 福岡氏は一流の科学者なのだから、自分の主張に一番不利になることを真っ先に取り上げる、という科学のやり方を、ここでもみせてほしかった。

 

 「動的平衡」は人気のある本だ。多くの読者を持っている。その人たちは、もう一度小保方氏のことを思い出して、小保方捏造を信じるだろう。それは何万人、あるいは何十万人にもなるであろう。そしてこれからもこの本が読まれる限り読者はああそんなこともあった、と、思いださされて、あるいは、新たに知らされて、小保方捏造を信じるだろう。

なぜそんなことをするのだろう。負けを認めた(論文を撤回し、研究界から身を引いている)人をどうしてさらに殴りつけるのだろう。鬼の目にも涙はないのだろうか。