がんばれ小保方晴子さん23


2014年12月26日の理化学研究所の記者会見について


著者 高田敞

 

「STAP否定 苦い結論」という見出しで、2014年12月27日付朝日新聞に理化学研究所の調査委員会が26日に出した報告書についての報道があった。

それについて私なりの考えを述べる。

(以下{ }内は朝日新聞からの引用)

 

1 これが最初だったのでは

STAP細胞論文に登場した試料の遺伝子解析の結果、理研の調査委員会は{「STAP細胞はES細胞だとほぼ断定している」}と発表した。

これは、STAP論文に疑義が出たときに真っ先に行うことではないのだろうか。その後、小保方氏や共著者の反論を聞き、論文が虚偽かどうか総合的に判断してから、論文取り下げなどを行うべきではなかったのだろうか。

{2月に設置された最初の調査委は、多くの疑問が指摘されていたのに、6項目しか調べなかった。調査期間は規定で約150日使えるのに、1カ月半で2項目を不正と認定して打ち切った。}とある。

2項目の論文の疑惑だけで論文取り下げを行い。肝心のSTAP細胞の正体を調べもしていない。先日書いたように検証実験も取り下げさせた後に行っている。日本の科学の権威である理研が、そのような科学の手続きを何故無視したのだろう。

この理由に{背景の一つには、1月末に華々しく発表したSTAP細胞の存在への期待をなかなか捨てきれなかったことがある。}

と朝日新聞は書いてある。

{STAP細胞の存在への期待をなかなか捨てきれなかった}のなら、なぜ、たったそれだけの調査で論文取り下げを迫ったのだろう。STAP細胞に未練があるなら、はっきりした証拠が出るまで論文も未練たらしくいつまでもそのままにしておくのではないだろうか。実際は、その当時STAP細胞の存在を否定する証拠は疑問符だけで、科学的証拠は何一つないにもかかわらず取り下げを強要している。そのくせ、特許の仮申請は、今持って未練たらしく取り下げていない。理研のやっていることは理研なのに科学としては矛盾だらけである。

2 DNA鑑定というのは大変なことのようだ

{「ES細胞説」の疑問を解明する決め手となったのは、遺伝子読み取り装置を駆使した細胞の解析の結果だ。外部有識者で9月から調べてきた。調査費用は計1400万円}

 なるほど、これではすぐさまとはいかなさそうだ。ところで、犯罪捜査に、DNA鑑定はつねに使われている。それも、4カ月の時間と1400万円をかけているのだろうか。ES細胞か否かを調べるのはとても難しいから手間暇かかるというのだろうか。遺伝子読み取り装置を駆使しても。正確を期したのでしょうか。しかし、犯罪捜査は、殺人者か否かを決める重要な証拠である。しっかり調べているはずだ。今はすぐわかるみたいだ。鳥インフルエンザの型だってすぐわかるし、エボラウイルスも1日で検出できるし、今の科学はずいぶん進んでいるようなのだが? 

 日本最高の科学の殿堂で、4カ月もかかるのだろうか。

今の、遺伝子読み取り装置はどれくらいの性能なのだろうか。

 これは、私にはわからないことなので疑問符を打っておくだけです。まあ、4カ月、1400万円かかるのでしょう。1400万円とは、犯罪捜査のDNA鑑定はお金がかかるのだなあと感嘆しておきます。

3 試料の調査結果

{STAP幹細胞}など→{ES細胞に由来}

{テラトーマ}{キメラマウス}→{ES細胞由来の可能性が非常に高い}

 この違いはなんなのだろう。使用していない、STAP幹細胞はES細胞由来と断言している。使用して、マウスになったりテラトーマになったりした細胞は、なぜ、{可能性が非常に高い}と疑問が残っているのだろう。

 非常に高い可能性があるということは、まだ、STAP細胞の可能性も少しは残っているということでもあるということになる。

 4カ月かけて、1400万円かけて、一番肝心の、キメラマウスの細胞が可能性が非常に高いとしか言えないのである。これは、犯罪現場に残った犯人のDNAが、被疑者のDNAの可能性が非常に高いということと同じである。これを証拠に犯人にされたら、被疑者は泣くに泣けないだろう。可能性が高いということは、そうでない可能性もあるということなのだから。

 なぜ、{STAP幹細胞}は断定できたのに、{テラトーマ}{キメラマウス}は断定できなかったのか。断定できない何かがあったのだろうか。言葉のあやなんてことは科学にも犯罪捜査にも通用しない。根拠が不明である。まあ、サスペンス小説なら、幹細胞は取り換えられても、キメラマウスは一つしかないから取り代えられないというようなこともありだが、現実はそんなことではないから違うことなんだろうけど、なぜ、肝心の、キメラマウスや、テラトーマは確定できなかったのかという疑問は残る。

4 胎盤問題

{胎盤に見えるのは別の組織の可能性が高い}

 これも断定できていない。可能性は何にだってある。理研は調べたのだろうか。調べもしないで、他の可能性があるなどというのは科学としては無意味だ。というよりやってはならないことのはずだ。

 犯罪現場に残されたDNAは被疑者の可能性が非常に高い。また、調べもしないで、現場に残されたカバンは被疑者のものである可能性がある。だから殺人犯だ、とされたらたまったものじゃない。

可能性があるという単なる憶測で、犯罪の証拠にされてはたまったものではない。

5 誰がES細胞を混入したのか

{{ES細胞混入}を認定した調査委は「混入があった場合、当事者は小保方氏と若山氏しかいないように見えるが、調査からそうとは言い切れない」と判断した。小保方氏は「私が混入させたことは絶対ありません」と答え。ほかの関係者も全員が混入を否定、培養室には多くの人が入ることができたためだ。}

 あいまい以外の何ものでもない。理研は、STAP幹細胞はES細胞であったといっているのだから、誰かがES細胞を必ず入れたはずだ。

 いつ、だれがいれたのかをなぜ調べないのか。それは{STAP幹細胞}は断定できたのに、{テラトーマ}{キメラマウス}は断定できなかったことにもつながる可能性だってある。まあ、そこまでとなると、ミステリー小説になるけど。

 {「調査からはそうとは言い切れない」}と理研は言っているが、このことで、時間経過とともに、入れたのは小保方氏ということになっていくだろう。捏造したのは小保方氏だから、小保方氏が入れたのだろうという憶測が一番妥当そうだからだ。それが自然の成り行きというものだ。

 あいまいなうちに、犯人は決まっていく。入れたのは小保方氏などと一言もいってないという理研の言い分も通るし。

 理研が意図してそれを狙っているとは思えないが、周りの人も世間の多くの人もそう思うだろう。

6 特許出願

{(特許出願の取り下げを呼び掛けていると)理解してもらっていい}

何ともあいまいだ。名を連ねている人が多いから呼びかけているのだろうか。STAP細胞はないのだから、その特許出願を取り下げるのは当たり前だろう。それとも、まだSTAP細胞があると考えている科学者がいるのだろうか。ないものの特許を取れるのだろうか。理研がやった出願である、さっさと取り下げ手続きをするべきだ。論文を取り下げさせてからでさえ半年もたっているのにである。まさかまだ未練があるということではないでしょうね。

7 裁判と比べる

今回もやはり、理研側の一方的な発表であった。小保方氏側の反論は一切なかった。小保方氏の、「私が混入させたことは絶対ありません」という意見も話されてはいるが、それは理研の調査委員会が伝えていることである。

どのような裁判も、被告あるいはその弁護士の反論を直接話させる。検事が代読することはない。どんなひどい事件でもだ。これはたんに嘘をついたという話だ。被告側の反論を絶対聞かなくてはならないはずだ。

これは科学界の権威である理研と、ほぼ個人である小保方氏の、STAP細胞の存在の有無についての意見の相違についての争いだ。力関係がまるで違う。理研は金も、人員も使い放題で自分の側の正しさを証明できる。実際、上記の検証に1400万円使ったといっている。小保方氏は自分が正しいという証明のために何もできない。できたのは、理研の監視下の、制約だらけの再現実験だけだった。その上、小保方氏の反論の機会はほとんど奪われている。マスコミは最初から犯人扱いえ話を平等な立場で聞く気もないし。たくさんの猫と1匹の子ネズミの勝負である。それも猫の味方にたくさんのマスコミがついている。勝ち負けは最初から決まっている。

8 権威主義

{今後は著名な雑誌に載ったからうのみにするような『権威主義』も改めるべきだ}と話した}

 理研が、特許の仮申請をしたのは論文を提出する前である。ネイチャーに載ったから、理研はうのみにしたのではない。

 

結論

この前の再現実験の記者会見(STAP細胞がないとは科学者としては言えない)と同じように、今回も、肝心のキメラマウスの細胞はSTAP細胞ではなくES細胞であったと断言できなかった。また胎盤であるとされた組織も、胎盤ではないと断言できなかった。

一番肝心なことが、今回もうやむやのままである。いったい何を調べたのだろうか。

 これは、初めからそうであった。画像や、引用文のことばかりで、肝心なSTAP細胞の有無については、何も調べようとしなかった。やっと今になって調べて、それも、また周りのことばかりで、肝心なことは決定できていない。これが科学の調べ方なのだろうか。

 不可思議なことである。

 おそらくこれで幕引きでしょう。世界に一人くらい小保方氏の味方がいても悪くはないでしょう。