がんばれ小保方晴子さん19

       



 NHK2014,7,27放送)2

{調査報告 STAP 細胞“不正の深層”に迫る 疑惑の論文を徹底検証▽背景に何があったのか}

著者 高田敞

NHKの報道について考えてみたい。

 

1 論文取り下げについて

A NHKの報道

ネイチャーが論文を取り下げた。

B 他の報道

4月1日に理研の調査委が不正を認定し、理研が小保方氏らに論文撤回を求めると発表している。

6月3日に小保方氏が論文撤回の同意書にサインしている。

(身の潔白を証明するために、再現実験をしたいのだがそれも取り上げられているので、再現実験をするために仕方なく論文撤回に同意した、と小保方氏が述べている報道があった)

ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授も撤回に同意。

小保方氏ら主要著者全員が撤回に同意し、ネイチャーに撤回を申し入れていた。

 そして、7月1にネイチャーは今週中に撤回すると発表した。

考察

ANHKの報道ではネイチャーが独自に論文を検証し、STAP細胞がないことを確認して、撤回したように取られる。

Bの他の報道では、小保方氏がネイチャーに撤回を申し入れたためにネイチャーが撤回したと取れる部分がある。

理研が不正だと言って無理やり小保方氏らに撤回を申し入れさせたことで、ネイチャーが撤回したと解釈できる。

理研は4月1日段階の調査で、不正を認定している。その段階でどのような証拠があったのか。理研は論文撤回のために、あら探しをしているふしがある。4月1日の段階ではSTAP細胞の存在を否定できる証拠はほとんどなかったはずだ。とにかく何でもいいから論文を撤回させろ、という姿勢であるともとれる。

 このようにAでは小保方氏が不正をしたという結論になるが、Bでは、理研のごり押しという考え方もできる。

 NHKAの報道だけをすることで、小保方氏の不正をネイチャーも認めたというイメージを視聴者に抱かせることに成功している。

 このやり方は検事としてはうまいやり方だ。しかし、裁判ならこの後、弁護側から反論があるはずだ。もちろん弁護はつかないのだからその反論はない。

NHKは撤回の経緯を一切報道しないことで、ネイチャーも小保方氏が不正を行ったと結論付けたという印象を視聴者(陪審員)に持たせようと意図しているとしか思えない。

弁護士がいないのだから、NHKは小保方氏が理研に無理やり論文撤回に同意させられたという経緯を言わなければならないはすだ。ネイチャーも小保方氏の撤回申し入れによって撤回しているということを言わなければならないはずだ。しかしそれではNHKや理研が言いたい、小保方不正、ということにはならないから、自分らの主張に不利になることは無視する、不利な情報は知らせるなというやり方をとっている。これは勝つためのやり方であって真実を見つけるためのやり方ではない。

 弁護側がいないのだから、NHKは公平に、撤回の経緯を報道しなければならないはずだ。すなわちAではなくBの方だ。Aは報道者の意図どおりに視聴者の考えを誘導するために多くの事実の中から、必要なことだけを報道し、不利になることは、内緒にしている報道といえる。事実のようだが事実ではない。

このやり方で始まったということは、以後の報道も、すべてにわたって、自分らで決めた結論を視聴者に信じ込ませるために、不利はことは報道せず、有利なことだけ報道することになりそうである。

 

2 キメラマウス

問題

若山氏の実験でキメラマウスができたという。これを2人で確認している。

NHKは、このときの小保方氏の実験ノートに「キメラ実験」とだけしか書かれていないということで、変だといっている。

 成功したのなら、非常に嬉しいことなのだから、成功と書くだろう。ところが、実験としか書いていないのは変だ、と言うのだ。暗に本当は実験は成功していないのじゃないかと視聴者に思わせようとしているようだ。

考察

 キメラ実験があったということは事実である。NHKも認めている通りだ。問題はノートの記述だけである。この実験は若山氏の実験である。小保方氏は分野が違うので、見ただけだろう。

 NHKは、キメラマウスが作れなかったと暗に思わせたが、このキメラ実験の写真は論文に掲載されている。NHKは、実験ノートの不備を言うなら、このキメラ実験が不成功であり、あのキメラマウスの写真は偽物だと証明する証拠を提出しなければならない。それはしていない。できないからだ。それなのに、関係ない小保方氏のノートの記述が簡単だからということを強調して、本当は実験は成功していないのではないかと視聴者に思わさせている。

 このマウスと胎盤は、STAP細胞がないという立場の科学者も実際にあると認めている。彼らはそのマウスと胎盤は、ES細胞から作られた可能性があると主張している。

 実験ノートに「成功して嬉しい」と書かなかったからといって、それで実験が成功していないことにはならない。もちろんSTAP細胞の存在を否定する証拠になどなるはずがない。

NHKは何の科学的証拠もないのに、視聴者に、小保方不信をうまく抱かせた。これは科学ではなくドラマ(虚構の世界)の手法だ。そして、証拠も出さずに、感情に訴えて、じぶんらの思いどおりに視聴者を引っ張っていくのは、見やすくするために切り貼りすることよりはるかに不正である。自分の仮説を証明するために、事実ではなく、感情に訴えて信じさせようとしている。

 

3 緑に光る細胞

問題

万能細胞の証拠である、と小保方氏が写真を添付している。

NHKは細胞が死ぬ直前にも緑に光る。したがって、万能細胞ではない可能性がある、ということをアメリカの教授の言葉として述べている。

考察

アメリカの教授という権威を前面に押し出して、緑に光る細胞は、死ぬ直前の現象であると視聴者に思わさせている。小保方氏や若山氏が主張している、緑に光る細胞が万能細胞である、という主張を、アメリカの教授という権威で否定している。視聴者の印象は死ぬ直前の現象である方に傾いた。

 これもうまいやり方だ。しかし、これは科学ではない。これは、有名人などを前面に押し出し、安物を高く売り付ける商売のやり方だ。

 若山氏はこの細胞から、キメラマウスとキメラ胎盤を作ったと主張している。キメラマウスや、キメラ胎盤の中で細胞が緑に光っている写真も論文に載せている。反論している科学者もこれを認めている。

 緑に光る細胞が、死ぬ直前の現象であるなら、その細胞はすぐに死に、キメラマウスに成長しその中で緑に光り、キメラ胎盤の中で緑に光ることはないはずだ。

 

問題

 小保方氏に提供したマウスと、STAP細胞の遺伝子が違った、と若山氏が述べている。

考察

 のちに若山氏がこれを撤回したことをNHKは述べていない。

 理研は、間違った鼠を提供していたという報道があった。それもかなりの数である。そのことも内緒にしている。

 

問題

 細胞の由来。若山氏の研究室にマクロミンGFPがあった。これが、STAP細胞であると思わせている。

考察

これからできたという証拠はない。

また、マクロミンGFP由来のES細胞であったなら、上の、緑に光る細胞は死ぬ直前の細胞である、ということと矛盾している。

 NHKは、小保方氏の緑に光る細胞は死ぬ直前の細胞だと暗に言っている。しかし、NHKが主張しているES細胞なら、緑に光る現象は、死ぬ直前の細胞でなくてもいい。

また、その後、緑に光る細胞がキメラマウスやキメラ胎盤になったということも認めていることになる。主張に矛盾がある。

 

問題

 他の映像の7割に疑惑がある。例として、その一つについて解説していた。

考察

グラフである。本来同じ日の実験なのだから、縦にまっすぐ並ばなければならない。それが少し斜めになっている。という指摘だ。

なるほど、そのとおり少し斜めになっていた。ところで、それがSTAP細胞の存在を否定することとどう関係するのだろう。そのことについては何も述べていなかった。科学者が、グラフが斜めにずれていることを得意気に話していただけだ。ほんの1ミリほどグラフがずれたことが何を意味するのだろう。ずれの指摘だけで、意味は述べていない。そんなことはパソコンで修正すればすむことだ。パソコンにデーターを入れるのは人間だ。グラフはそれでいくらでも変えられる。

 嘘のデーターを入れたから、斜めになったというのなら、そういえばいい。ところがそうは言わなかった。ただ斜めは変だとしか言わなかった。嘘を入れたらパソコンが嘘を見破りグラフを斜めにするのだろうか。嘘を入れるならまっすぐなるように調整するだろう。

 7割の疑惑は、せいぜいそんなものかそれ以下の疑惑であろう。例に出したのがそんなことなのだから。要するにあら探しにすぎない。

 ところが、見ていた人は、7割も変なのだ、それは不正だ、と思ったことだろう。STAP細胞の存在の有無についてなにも言わずに、もちろん証明もしないで、小保方氏は不正をし、STAP細胞は存在しないのだと視聴者に思わせた。とても素晴らしいやり方だ。嘘ではないが、うまく視聴者の考えを誘導している。見やすくするための切り張りとどちらが不正に近いだろう。

問題

その他、STAP細胞といっているものは、EX細胞であるという例が複数提出された。

考察

 現在までのところ、STAP細胞はEX細胞であるという確定した証拠は提出されていない。したがって、今は、小保方氏が言う、STAP細胞は存在する、という見解と、それは嘘でEX細胞から作ったという見解が対立している。どちらが、正しいかは、今後に待つしかない。しかし、NHKは、STAP細胞は存在しない。小保方晴子氏は嘘付きだ、という見解をとって、それをこの番組で流した。

 どちらが嘘付きかは、現在小保方氏が取り組んでいるSTAP細胞の再現実験に待てばいい。

 なぜ、理研も他の反対派の科学者も、その結果が待てなかったのだろう。理研は最初小保方氏を研究から遠ざけ、自分たちで再現実験をした。最初から小保方氏に再現実験をさせ出来なければ嘘付き、出来たら天才とすればよかったのだ。そうすれば今ごろ決着はついている。

 理研は、なぜまわりくどいことをして、小保方氏が再現実験をして不正でないという証拠出すのを阻止して、その間に小保方氏を不正の申し子みたいに触れ回ったのだろう。NHKも。NHKはほかにもっと重要なことでやることがあるでしょう。たくさんの科学者が、製薬会社から多額の研究費を受け取っているということです。その見返りか何かわからないけど、製薬会社が薬を売れるようにするためのお墨付き論文を提出してという不正がいくつか発覚してます。こちらは社会悪です。もし小保方氏が嘘をついていたとしてもそれは個人的な嘘付きの問題にしかすぎません。それで国民はだれも被害に遭ったいません。でも薬は違います。効かない薬をもらった病人は被害を受けます。

 

問題

理研はなぜ小保方氏に再現実験を今になってやらせているのか。に対して、理研の人は1%の可能性があるなら、実験をやると答えた。

考察

この1%という数字はどこから導き出されたのか。なぜ、23%の可能性ではなく、76%の可能性ではないのか。

これは単なる言葉あそびだからである。科学から出た数字ではない。まるで適当なのである。その意味では、見やすくするために切り貼りした、という小保方氏の写真と同じかそれを上回る不正である。完全な嘘なのだから。1%は根拠のない出まかせの数字である。言葉のあや、というかもしれない。それは見やすくするため、という言い訳と、どれくらいの違いがあるのだろう。

理研は、素早く無理やり力ずくで小保方氏に論文撤回を迫り、その目的を遂げた。ところが、理研は、自分たちが世界中に提出した、STAP細胞の特許仮申請は取り下げていない。理研はSTAP細胞があると考えている証拠だ。それも1%どころの可能性ではないと考えていると思われる。1%の可能性なら特許の仮申請を取り下げているだろう。

本当はあると思っているから再現実験をやっているのではないのだろうか。それを隠すために1%の可能性がある限りやるなどと、自分たちは誠実なのだ、と世間を欺いているなら、それは完全な嘘で不正になる。本当は50%の可能性があると考えているのに1%の可能性というのは嘘である。科学のデーターで1%と50%を都合で使い分けたら完全な不正である。見やすくするための切り張りどころではない。もちろん、そのようなことを日本の理研がするはずがないと思う。しかし、この1%は自分たちが小保方氏を呼んで再現実験をしていることの理由をごまかすためについた完全な嘘なのだからこれこそ不正である。

今、小保方氏を呼んで再現実験をやらせている。カメラをつけて、全部見逃さないように、小保方氏の技術を撮っている。不正を見逃さないようにという名目である。しかし、この方法は、小保方氏が考案した彼女のSTAP細胞制作の技術のすべてが、理研の科学者のものになるということでもある。

理研は自分たちでSTAP細胞制作実験をやった。出来なかったということだ。ということは、その段階でSTAP細胞はなかった、と叫べばいいのに、その話は小さな声でしかいっていない。外部に指摘されて初めてマスコミに載った。再現できなかったからSTAP細胞はないと断言し、特許の仮申請もその時点でまず取り下げるべきはずだ。ないものの特許など金をかけて取る必要はない。

ところが、自分たちでやったら出来なかったから今小保方氏を呼んで再現実験をやらせている。とても思いやりがあるともとれる。そうではない、思いやりがあるなら、最初から小保方氏を呼べばいい。再現できなかったときに、論文撤回を勧告すればいいはずだ。論文撤回がネイチャーで決まって、STAP細胞の権利が小保方氏から事実上離れてから呼んでいるのは、フェアー精神に反する。

ひょっとして、小保方氏のやり方を盗むためにカメラに収めているともとれる。もし自分たちでできたら小保方氏を呼ばなかったろう。理研は、小保方氏のやり方と違うやり方で実験していたという。同じやり方で再現できたら、小保方氏に論文を撤回させることができなくなるから、それを避けるためだともとれる。そんな汚いことを理研の科学者がやるわけないが、そう取られかねない。

世界の科学界では、人のアイデアや成果を盗むのは普通だといわれている。同僚も先生も例外ではない。だからすべて秘密にしなければならないといわれている。

小保方氏がそれを守り、STAP細胞制作の肝心かなめな技術は秘密にしていたとしても、世界の科学界ではそれほど変なことではない。

そのために、理研が他の方法でやっても、あるいは同じ方法でやってもSTAP細胞ができなかった可能性はある。一方、今やっているカメラで収めている小保方氏の再現実験の肝心かなめな技術は、今後、理研の名前で、小保方氏を抜きにして、特許が申請される可能性がある。不正をする人に権利はないという言いがかりをつけて。いや、日本の理研はそんなことはしない。理研に相手を蹴落として盗むなどという極悪人がいるわけないから。もちろん、この実験はSTAP細胞が存在しないことの決定打を打つためにやっていることであろう。さまざまな疑惑のけじめをつけるためであろう。

しかし1%の可能性が現実になり、小保方氏がSTAP細胞を再現できたときは、STAP細胞は小保方氏のものである。小保方氏に不正は存在しなかったことになる。そのときは、STAP細胞はES細胞であるとか、さまざまなクレームをつけた人たちが嘘をついていたこと、すなわち不正をしていたことになる。ありもしない疑惑をさも本当のように言っていたのだから。もちろんNHKもそうである。

もちろん、小保方氏がSTAP細胞を再現できたあと、小保方氏はカヤの外に置き去りにされ、理研がSTAP細胞を盗ってしまうというようなことはおこるはずはない。もちろん理研の科学者がそんな極悪非道なことを考えているはずもない。NHKがそれを後押しするというようなこともない。