がんばれ小保方晴子さん4


     


 理研は論文撤回を何故急いだの?

著者 高田敞

1 問題

(以下□内は朝日新聞6月5日の記事の引用)

STAP細胞をめぐる経緯と主な論文著者の発言

/30  STAP細胞の論文をネイチャーに発表

/18  外部から論文の画像が不自然との指摘を受け、理研が調査委員会を設置

/10  若山輝彦・山梨大教授が論文撤回を呼び掛け

/1   調査委が不正を認定し、理研が論文撤回を求めると発表。再現実験を開始

4/7   丹羽仁史・理研CDBプロジェクトリーダーが会見

STAP現象は、仮説として留保されている。だからこそ検証する。

/9  小保方晴子・理研CDBユニットリーダーが会見。論文撤回に同意しないと発言

     STAP細胞はある。200回以上作成に成功している。

/16 笹井芳樹・理研CDB副センター長が会見

    STAP現象が存在するという仮説は、検証するに値する有望な仮説

/16  小保方氏が論文撤回の同意書にサイン

 ?   ネイチャー編集部が論文撤回を決定

8月頃  理研再現実験の中間報告

?   再現実験結果受け、論文再提出

 

2 考察

(1)「再現実験結果受け、論文再提出」について1

 このことから、理研は一番最後にSTAP細胞の論文を提出することを予定している。

 このとき、筆頭栄誉者と権利者は小保方晴子氏ですよね。再現実験した人や理研の人はその中にはいらないですよね。

 検証実験はなんの手柄も与えられません。最初に発見したり、製造したりした人だけが栄誉と権利を持ちます。だから検証実験はなんの得にもならないから進んでやる人はあまりいないということを何かの本で読んだことがあります。科学者の真実への興味が検証実験をさせます。太陽系外惑星の発見のとき、宇宙科学者はこぞってその星に望遠鏡を向けたといいます。純粋な星への興味からです。

 いや、論文が撤回されて白紙になったのだから検証実験ではない。再現実験だから、再現した人に権利がある。今度STAP細胞を作った人が最初の製造者になる、などということはまさかないですよね。

 無理やり論文を撤回させて、白紙にさせて、論文はないのだから、おれたちが最初のSTAP細胞の製造者だなんて言わないですよね。もちろん名前を連ねることもないですよね。それじゃ、火事場泥棒よりひどい火つけ泥棒ですから、日本の科学者がそんなことをするはずないと私は断言できます。これは実質的には明らかに検証実験なのだからSTAP細胞の権利は小保方晴子氏のものです。

(2)「再現実験結果受け、論文再提出」について2

 小保方さんに論文撤回を迫ったのは、STAP細胞がないということではなかったのでしょうか。切り張りやコピペはSTAP細胞がないのにそれがあたかも存在するように思わせるための不正であるということではなかったのでしょうか。他の人たちの、さまざまな疑惑、STAP細胞はES細胞であるとか、ネズミが違うネズミであるとかいう疑惑は、STAP細胞がでっち上げであるという証拠ではなかったのでしょうか。

 論文を再提出することを予定しているということは、理研の人たちはSTAP細胞が再現できると信じているということです。小保方さんのSTAP細胞は存在するということを信じているということです。では何を根拠に理研の人はそれを信じているのでしょうか。STAP細胞を知ることはネイチャーに載せた小保方晴子氏の論文以外にはありません。

 このことから、理研の人たちは、小保方氏のネイチャー論文を読んでSTAP細胞が存在すると思ったということになります。論文はSTAP細胞の存在を証明していることになります。論文に不備なところがあったとしてもSTAP細胞の存在を信じさせることができたのだから、成功していると言えます。

 では何故、理研の人たちは論文を撤回させたのでしょうか。撤回させた科学的根拠はあるのでしょうか。次に考えてみます。

(3)論文撤回の根拠

 STAP細胞がネイチャーに載った理由はSTAP細胞を作ったことです。論文はその報告です。だから、STAP細胞が実際にあるかないかがすべてです。そのうちSTAP細胞を作ったことに対してノーベル賞が与えられるかもしれません。論文を書いたことに対してではありません。

 理研は論文に不正があるから撤回しろといって撤回させたが、それは本質ではなく、枝葉抹梢のことです。

 論文に不正があることからSTAP細胞の存在が否定できるという場合は、あるいは、論文撤回を勧告できるかもしれません。しかし理研は、STAP細胞の存在を認めています。論文再提出を予定していることからそれがうかがえます。論文撤回の根拠はありません。

 考えてみます。

 映像切り張りについて。

 STAP細胞を作っていないのに、作ったように見せかけるために映像を切り張りした。だから不正である。ということなのだろうか。理研はそういうイメージを湧かせてはいたが、断言はしていない。

一方、小保方氏は見やすくするために切り張りしたと弁明している。

 理研はSTAP細胞があると思っている。すると最初のあると見せかけるためにという理由は無くなる。不正とはいえなくなります。

 一方、STAP細胞が存在すれば小保方氏にはごまかすための切り張りは必要なくなります。見やすくするための切り張りという理由は成立します。

 STAP細胞がないのにあると見せかけるためという理由はなくなり、見やすくするためという理由が残ります。

多の理由を考えてみます。

 切り張りはルール違反だから駄目だ、というのは、重箱の隅をつついているにしかすぎません。実際、調査委員会の5人のうち、4人が切り張りをしていたということです。ノーベル賞科学者の山中氏も、切り張りをしていたということです。6人中5人です。日本の権威ある科学者の83%が切り張りをしているということになります。切り張りは普通に行われているということです。もちろんそのことでだれも何一つ責任は取らせられていません。今まで、他の科学者で切り張りで責任を取らせられたという人はいるのでしょうか。たいした問題ではないということです。他の人がそれで論文を取り下げさせられたことがないなら、小保方氏も取り下げる必要はないということです。

 実際、切り張りはSTAP細胞の存在がないことをごまかすためだという証明はできていません。科学は証明しなくてはなりません。理研はそれをしていないししようともしていません。STAP細胞があると思っているようなのだからするわけないですよね。

(4)「3/10  若山輝彦・山梨大教授が論文撤回を呼び掛け」

 非常に早い段階で、論文撤回を呼び掛けています。普通の論文審査は4,5カ月はかかるということです。この段階で撤回を呼び掛けるのは異常な早さであるといえます。理研のやり方は、とにかく何でもいいから論文を撤回させろという、まず撤回ありきという姿勢にさえ見えます。何故でしょう。何らかの理由がると思われます。

 この段階でSTAP細胞の製造が嘘であったことがわかったからでしょうか。違います。今、7月7日の段階でも存在は否定されていません。ES細胞の可能性ということなど多くの疑問が出てはいますが、それは疑問にしかすぎません。反論なら、正確に、STAP細胞はこれこれの実験からES細胞である、と切り張りなしの論文で証明しなければなりません。それはありません。たんにES可能性がある、と言っているだけです。証明できていないのです。小保方さんは証拠だという映像と論文を提出している。反論するならちゃんと、疑問形ではなく確定したという証拠を示して、提出するべきです。そのときは、STAP細胞が再現できたとき、間違いました、だけではすまないことになります。小保方さんが責任を取らせられたように反論の論文が嘘、不正だったことになるのだから責任を取らなければならないはずです。実際はSTAP細胞はES細胞だという証明はだれもできていないのではないのでしょうか。

上に書いたように、論文を撤回するように迫っている理研は、この記事の出た6月5日(小保方氏を再現実験に呼んだ7/1でも)でもSTAP細胞の存在を信じているのだから、STAP細胞はES細胞ではないと思っているということです。

 したがって、3/10の段階では論文の撤回を強要する根拠は理研には存在しないはずです。映像切り張りや、コピペや、実験ノートがよくできていないということは、取り下げの根拠にはならないはずdせすだ。そんなちんけなことで、ノーベル賞級の成果を白紙にしろというのは、100円で豪邸を売り渡せというようなものです。言いがかりといってもいいくらいです。

 ノーベル賞級の成果なのだから、半年や1年かけて、理研だけでなく、世界の検証実験を待ってからでも取り消しは遅くはないはずです。論文を発表した科学雑誌ネイチャーはそうすることを世界に呼び掛けているのだから、日本の理研はそうすべきだったはずです。何故急いだのでしょうか。日本の論文検証の常識的日数を打ち破ってまで何故急いだのでしょう。ましてSTAP細胞の存在を信じていながら取り消しを強要しているのはどうしてでしょう。

STAP細胞があり、論文に少し不備があったならその部分を訂正すればすむことです。ちっぽけなことなのだから。切り張りにしろ、コピペにしろ、実験ノートにしろ、STAP細胞制作に比べれば、象と蟻くらいの違いがあるのだから。

論文撤回を異常に急いだ理由は何なのだろう。

上の理研の予定では8月以降に論文再提出を考えている。再提出するには撤回させなくてはなりません。理研は自分たちが再提出するために小保方氏に撤回させ、権利を白紙に戻させたというわけではないと思います。

世界のだれかが検証実験に成功して、STAP細胞の存在を証明してしまったら、小保方氏は論文撤回を承知しないでしょう。ネイチャーももちろん撤回を拒否するでしょう。世界の科学者も、撤回は変だと思うでしょう。マスコミも撤回は変だと思うでしょう。そうなると理研がいくら論文は不正だと言っても論文を撤回をさせることができなくなります。撤回させられないと、予定している秋の論文再提出ができなくなります。予定はすっかり狂い、STAP細胞の権利は総て小保方氏と共著者のものになってしまいます。だから、世界の科学者の誰かが検証実験に成功する前に論文を撤回させなければならない。そのためには急がなくてはならない。まさかそんなことを日本の科学者である理研の人が考えることは絶対ないと思います。

普通は論文審査は半年ほどかけるということです。ところが理研は最初から、まず論文撤回ありきという姿勢にみえます。常識的には、本質であるSTAP細胞の存在の有無の検証を終えてから論文撤回の有無は考えるべきことであるはずです。急がなければならない必要性など何一つないはずです。

理研は、何故そんなに論文撤回を常識を破ってまで急いだのかを説明しなくてはならないのではないでしょうか。

また、何故STAP細胞があると思っていながら急ぎに急いで撤回させたのか理研は説明しなければならないのではないでしょうか。

(5){4/1 調査委が不正を認定し、理研が論文撤回を求めると発表。再現実験を開始}

 これは順序が逆である。まず、再現実験ではなく、ネイチャーの求めているように、検証実験をして、STAP細胞の有無を確認してから、ない時にはじめて論文撤回を勧告すべきはずです。検証実験を始める前に、論文取り消しを考えているのは変です。不正だということが根拠と言っているが、そうでしょうか。STAP細胞の存在の有無が調べられていないのに不正であるということは言えないはずです。

この日の前に理研は内部で取り消し勧告を決め、同時に再現実験とやらを始めると決めているはずです。一方で、不正だからSTAP細胞は嘘だから取り消せと決めて一方でSTAP細胞があるかもしれないと実験を始めるのは、つじつまが合いません。{4/7   丹羽仁史・理研CDBプロジェクトリーダーが会見}し{STAP現象は、仮説として留保されている。だからこそ検証する。}とのべています。{{STAP現象は、仮説として留保されている。}すなわち、仮説としての小保方氏の論文は生きているということを認めています。少なくともこの段階ではSTAP細胞は否定していないのだから不正があったかどうかは決められないということです。決められないのに論文撤回勧告するのは間違いです。撤回勧告は再現実験の結果が出てから、STAP細胞の存在を否定する証拠を切り張りなしの映像と論文と、完ぺきな実験手帳を添えて行うものです。世界のネイチャーに載った論文に対する反論としては、それが当然でしょう。地位と、権力を振りかざして、研究者生命を断つぞと脅してするものではないはずだと思います。

理研は、8月以降再現実験ができ、論文再提出ができたとき、STAP細胞の権利は総て小保方氏にあり、再現実験にかかわった理研の人はだれもその権利に入らないということを宣言して、再現実験を始めるべきです。変な勘繰りや疑惑を受けないためにも。