がんばれ小保方晴子さん2
いじめ
著者 高田敞
むかし、日本の中学生の女の子がオリンピックで金メダルを取ったことがある。そのあと、その女の子がひどい嫌がらせを受けたという。それが中学生ということと、女の子ということが関係しているとしたら悲しいことだと思った。今もネットいじめということがあるという。
職場の新人がいい企画をして社長に認められた。先輩たちが、「あれ生意気じゃない」といって、あら探しをし、よってたかって、あることないこと言いふらしたり、嫌がらせをしたりして、引きずりおろすとかいうことは漫画の世界のことで実際にはないことだとは思う。それだけでは面白くないので、漫画の世界では会社内の勢力争いや利害を裏に含めたりする。もちろん虚構の世界のことで実際の世界のことではない。
ネイチャーは世界一流の科学誌である。それに載ることは、サッカーのワールドカップ出場に等しい。その中でも、ノーベル賞候補か、という騒ぎであるから、金メダル候補に一躍のし上がったのだ。
日本の科学者の先輩達はノーベル賞を取れと小保方さんを応援するかと思いきや、理研の人たちを中心にみんなであら探しをして引きずり下ろした。富士山の世界遺産登録やワールドカップサッカーなんか日本中で応援したのに。ネットやマスコミは、服装や化粧や、子供の頃の事まで取りざたして、批判している。私生活と、STAP細胞の有無とはまるで関係がないのに。
調査委員会の、5人のうち、4人は自分の論文で小保方氏と同じような切り張りをしていたということだ。ノーベル賞の、山中氏もやはり切り張りをしていたという。しかし彼らはおとがめなしだ。
何故彼らはおとがめなしで、小保方氏は、犯罪者扱いなのだろう。どこに違いがあったのだろう。
小保方氏の切り張りだけが、結果に重大な影響を与えたからなのだろうか。嘘を書こうとしたからなのだろうか。そうではない。他の人のはうやむやのままになっている。追及もしていない。小保方氏の切り張りだけが悪いということはいえないのに小保方氏だけが否定されている。
切り張りそのものがあったから駄目だということとは一致していない。論文に与えた影響の大きさとも一致していないということがいえる。小保方氏の切り張りが、他の科学者に比べて特に重大な影響を与えていたり、悪質であったということは科学的に証明されてはいないように思われる。
一方、おとがめなしの科学者たちは、男で、日本の科学学会にそれなりの地位を確保している年寄りの人たちである。小保方氏一人が、女で、若者だ。なぜかこれにぴったり一致している。
このことから、小保方氏が、60歳代で日本の学界でそれなりの地位を持った男ならどうなったのだろうと考えてしまう。
日本の科学者が、若い女が俺たちを追い越すとは許せないと、あら探しをしているのではなく、真実を追求するというやむにやまれぬ科学的思いからきていることとは思う。
ちなみに、ネイチャーは、論文審査をその分野の世界一流の科学者に頼んであるということだ。それも、複数の科学者が審査するという。日本の調査委員会の人は、日本では優秀なのだろうから、その分野の世界一流の人なのだろう。もちろん彼らはみんなネイチャーとかサイエンスとかに論文を掲載して世界の一流の仲間入りをしていることだろう。そのうちノーベル賞も取るのだろう。
小保方氏の論文にクレームをつけている科学者たちがどのような素晴らしい論文を書いてきたのか、経歴を公表してもよさそうな気もする。若い女の子にあっさり追い越されたやっかみじゃないの、と世間に思われないために。もちろん経歴がないから真実を追求してはならない、口出ししてはならないということではない。