「重力とは何か」について目次
重力と時間の関係 (重力とは何か23)
宇宙膨張の実証は?

「重力とは何か」(大栗博司・幻冬舎新書)について24


 著者 田 敞


(以下、{ }内は、上記本よりの引用)

 

{強い重力を持つブラックホールに近づくほど、あなたから見たわたしの時間はゆっくり進む。私自身は時間が普通に進むので、毎日eメールを送っているつもりなのですが、それがあなたには届きません。}

 毎日送っても、{それが二日に1回、一週間に一回、一カ月に一回・・・と間が空いていき、やがてまったく届かなくなるのです。}

考察

毎日だから、24時間に一回メールを発信するということです。最初のメールを出して、次のメールを出すのは24時間後です。{私自身は時間が普通に進むので}、これは地球にいる人の{普通に進む}24時間の間隔と同じはずです。だから、時間が普通に進む私のメールの間隔は24時間です。

 最初のメールは、次のメールを出したとき、24光時先を飛んでいます。三回目のメールを出したときは48光時先を飛んでいます。相対論では光速度は誰に対しても不変なので、このメールの電波の速度は、地球の人に対して、どれも同じ光速度です。(ニュートンの理論でも間隔は同じです。理由はニュートンの理論は絶対時間絶対空間です。また、光は引力に左右されません)そして実際の光の時間は普通に進んでいるはずなので(何故か、光は光速なのに、見た目でも実際でも光の時間は遅くならず、速度も遅くならずに普通に光速で進んでいるようです。特殊相対論では時間は光速では止まってしまうというのですが。不思議なことです)、メール同士の間隔は24光時です。したがって、最初のメールが地球に届いてから、24時間後に次のメールが届きます。次々と、24時間間隔でメールは届くはずです。なぜ、メールの間隔は次第に長くなるのでしょう。

 理由は、{あなたから見たわたしの時間はゆっくり進む。}ように見えるからだということです。しかし、そう見えても、実際の時間の速度は、地球上の{あなた}も、ブラックホールに向かっている私の時間も{普通に進}んでいるということですから、見てくれがゆっくりであっても、普通に進んでいる私が書いたメールを出す実際の間隔も光の経過時間も地球と同じ{普通に進ん}でいるはずです。

(注: 考えてみます。ブラックホールの傍に行ったロケットの時間が遅くなると、ロケットはなかなか進めなくなります。距離=速度×時間だからです地球で1時間経過しているあいだに、ロケットの時間が1分しか経過していないと、本来進む距離の60分の1しか進めません。ロケットはなかなかブラックホールに落ちていきません。スローモーション映画のようでしょう。地球のあなたから見ればゆっくり進むというのがこれかもしれません。時計の針もゆっくり進んでいることでしょう。反対にロケットから見ると、地球の人は、ロケットの時計の針が1分進む間に時計の針は1時間分動いているのですから早回しの映画のようになることでしょう。それが共に普通に進んでいるというのですから、不思議な現象です。

そして、シュワルツシルド半径に入ったとたんロケットは止まってしまうことでしょう。なぜならブラックホール内は時間が止まるからです。時間が止まると、すべての物質は動けません。電子の動きも止まってしまいます。それでも時間は普通に進むのでしょうか。

実際はどうでしょう。銀河系の中心のブラックホールの周りを、恒星や、星間ガス雲が公転しています。しかし、これらの運動が、重力によって時間が遅くなるために速度が遅くなっている現象は確認されていません。実際にはブラックホールの重力で時間が遅くなるという現象はないといえます)

どうして、相対論に言うように単純にブラックホール内では時間が止まるとしないで{あなたから見たわたしの時間はゆっくり進む。私自身は時間が普通に進む}としたのでしょう。ロケットの時間がゆっくりになると、ロケットはいつまでもブラックホールに落ちていきません。シュワルツシルド半径に入ると、とたんに止まってしまいます。すると後から後からシュワルツシルド半径に入ってくる星雲や恒星はシュワルツシルド半径に入ったとたんに止まってしまうので、そこに溜まっていくしかなくなります。シュワルツシルド半径の一番外側に、落ちてきた星や星雲がぎっしりと溜まることになります。これでは困るので、見てくれは時間がゆっくりになるけれど、落ちていく物質は時間が普通に流れるということにしてブラックホール内でも物質は移動できるとしてつじつまを合わせようとしたのでしょか。

もう少し分かる説明が必要です。相対論では重力は時間を遅くするという理論なのに重力のあるところでも時間は{普通に進む}というなら、そのことの説明が必要です。もちろん重力があると時間が遅くなるように見えるということの説明も必要です。

結論

何が問題の根源かというと、時間がゆっくり進むということです。こちらの時間とブラックホールの時間の進み方が異なれば、時刻が違ってきます。地球上の{あなた}から見てブラックホールに近づいたロケットも、中の人も時間がゆっくり進んでいるように見えるということは、その人の時間が遅れて、見ている人からはどんどん過去になっているということです。地球上のあなたは過去にいるロケットを見ているということになります。人は過去を見ることはできません。それなのに、過去を見ていることになっています。

遠い星を見るのは星の過去を見ることになる、は相対論とは関係ありません。上に書いた太陽で考えてみます。太陽は約8光分離れているので、8分前の光が届いているので、8分過去の太陽の光を見ていることになります。これがまやかしです。その光は8分前に太陽を出たということです。そして8分経過して地球に届いたということですから、その光の時刻は地球の現在と同じ時刻です。8時に京都を出た新幹線光号が、9時40分に東京駅に着いたというのと同じです。新幹線光号は同じでも、8時の光号ではありません。1時間40分経過して9時40分の光号になっています。太陽の光も同じです。8分前に出た光は8分経過しているので、太陽を出たときの光とは時刻が異なります。星の光も同じです。10光年先の星の光は10年前に星を出ているけれど、それから10年たっているので、地球に届いた星の光は地球の今の時刻になっています。過去の映像を見ているけれど、光は現在の時刻です。光は星を出たときより10年分古びています。昔の写真を見ているのと同じです。映像は昔でも、写真は時間が経って現在にあります。

相対論では事情が異なります。相対論では、太陽は地球より年1分時間が遅れるので、太陽は今46億分地球から時間が遅れてしまっています。46億分過去の太陽から出た光が、8分経過して地球に着いているので、46億年引く8分過去の光が届いたということになります。徳川家康や、頼朝の時代を通りこして、縄文時代の太陽を見ていることになります。これは不可能です。46億分過去の太陽から出た光は、今の地球には届きません。そのためには、地球と太陽が46億光分離れていなければなりません。今、地球と太陽は8光分しか離れていないので、46億分過去の太陽の光は今の地球をとっくの昔に通り過ぎて46億光分かなたの宇宙を光速度で飛び去っているはずです。

ブラックホールの近くで時間が遅くなったロケットは、過去の時刻になっています。{あなたから見たわたしの時間はゆっくり進む}時計をあなたは見ることはできないはずです。

 ところが相対論の時間はとても便利です。相対論効果で、いくら時間の進み方が遅くなって過去の時刻になっても、時間の進み方が速くなって未来の時刻になっても、ちゃんと見えるし、一緒にお茶を飲んだり話したりできます。時間の進み方が早くなろうが遅くなろうが、みんな今という時刻に同時に存在するのです。相対論では、すべての人の時刻は異なっているのですべての人は異なる時刻にいるけれど、現象はニュートンの絶対時間と同じことになっています。相対論による時間の遅速は思考実験の中には存在するけれど現実には現れていないということです。思考実験はおとぎばなしということです。あるいは相対論の時間の遅速は机上の空論ということです。

問題

 「事象の地平線」

{シュワルツシルト半径の内側に入るとeメールも出ていけません}

考察

{シュワルツシルト半径の内側}でも、eメールは打てるようです。すなわち指は動かせるようです。シュワルツシルト半径に入る直前まで、重力に関係なく{私自身は時間が普通に進}んでいたのですから、シュワルツシルド半径の内側に入っても時間は普通に進んでいると推測できます。時間が進まなかったら私はメールを打つための指を動かすことはできないはずです。ブラックホールでは重力のために時間が止まるというのが相対論のはずですが、ここではそうではないみたいです。それは先に書いたので違いはeメールが出ていけないということについて考えてみます。なぜ出ていけないのでしょう。これは先に書いた、ロケットの脱出速度の問題なのでしょうか。

ニュートン力学の万有引力は、万有引力を持った物質同士の引力による相互作用ですから、万有引力を持たない光は万有引力とは関係なくまっすぐ飛びます。したがって、ニュートンの万有引力の考えだとブラックホールの引力がいかに強くても光はシュワルツシルド半径の内側からも飛びだします。(もちろん、時間も地球と同じ速さで進みます。ニュートンの考えは絶対時間、絶対空間だからです)

しかし、アインシュタインの重力は物質だけでなく、重力を持たない光も引き寄せるということです。

磁石は鉄を引き寄せますが、木は引き寄せません。鉄は磁石になるけれど、木は磁石にならないからです。ニュートンの万有引力も、質量を持った物質はお互い万有引力を持っているので引き合います。しかし光は万有引力を持っていません。引き合うことはできません。だから光が重力に引かれるという相対論の現象は(実証されていないのは、先に載せた「重力とは何か」に書きました)万有引力とはまるで違う仕組みです。

(注;ニュートンの万有引力は、物質は引力を持っている。それは磁力が、媒介物なしに離れたところまで届き、引き合うように、引力も媒介物なしに離れたところまで届き引きあうという考え。アインシュタインの重力は、物質は空間を曲げる作用がある。空間が曲がると、物質はその曲がりに落ち、光はその曲がりに沿って動く。これが重力であるという理論です。相対論者はこれが万有引力の仕組みであると述べていますが、万有引力と仕組みはまるで違います。相対論は物質は空間を曲げる力を持っているです。ニュートンは、物質は引っ張りあう力を持っているです。万有引力と重力は同じではありません。もちろん、近似値でもありません)

この本には書いていないのですが、重力の仕組みを、アインシュタインは、物質は空間を曲げる。その曲がった空間の曲がりが直線だから、真っすぐ進む光は真っすぐ進んでいるのに、曲がってしまう、という、分かったような分からないようなことで説明しています。エディントンの観測で、太陽近傍で光が曲がっているのが観測された光は曲がっているが、本当はそれが真っすぐ進んでいる光の進路である、ということです。ということは、真っすぐ進んでいると見える光があればそれが曲がっているということになります。見てくれと実際は反対だということです。水の中に入れた棒と同じような現象のようです。見てくれは曲がっているのだけれど、実際は真っすぐであるということです。違いは、エディントンの観測した光は、実際にも、見てくれどおり曲がって進んでいるということです。水の中の棒は見え方と違い、実際には真っすぐであるということとは異なります。空間は、曲がろうがへこもうが、つねに直線であるようです。ではなぜ直線のへこみに地球は落ちていくのでしょう。へこみは見方を変えれば膨らみでもあります。なぜへこみなのでしょう。重い太陽が空間に乗っているからへこむ、という考えは、ニュートン以前のものは重いから落ちるという考えです。空間はどのような方法で慣性の法則で真っすぐ進もうとする「重い」地球の進路を曲げているのでしょう。月の進路を曲げているのでしょう。地球は空間との摩擦はないのでしょうか。進行方向の空間を圧縮しないのでしょうか。地球は重いから空間は破れたりしないのでしょうか。もちろん空間はなにもないのだから、摩擦も圧縮もしませんし、破れもしません。地球をしっかり支えて、進路をしっかり曲げるだけです。

もちろん、空間が物質のどのような力で曲がるのかとか、空間の構造がどう変化すると空間は曲がるのか、とかも説明していません。空間とは何かということもなに一つ述べていません。空間はそもそも何もないのですから、構造もありません。なにもないのですから曲がろうが、真っすぐであろうが、何もないものが変化することはできません。アインシュタインは説明のしようがないので、なにも言わなかったのではないでしょうか。この本でも説明を省いているのは、紙面の制約だけでなく説明のしようがないからではないかと思います。理論に不利なものは無視するというのが、相対論の基本法則第1条のようですから。

空間は何にもないのですから、物質のようには構造を持っていないはずです。空間はかつてエーテルに満たされていると考えられていましたが、アインシュタインはそれを否定しました、その後、空間は真空(何もない)ということになっていましたが、今は真空のエネルギーというものに満たされているということです。そこから粒子が飛び出ては瞬時に消えているということです。

また、ヒッグス場に満たされているとか言われています。昔物質がまだ質量をもたなかった時代にヒッグス粒子が宇宙空間を満たして、宇宙に充満している素粒子にひとつ残らず質量を与えて役目は済んだとばかりにあっさり消えて、今はヒッグス場だけになっていて、ヒッグス粒子は加速器の中で超高速の陽子が正面衝突したときしか生まれないようです。それも、生まれたとたん(100億分の1の100億分の1秒)に他の粒子に変化してヒッグス粒子ではなくなるということです。そんな短時間で、この宇宙にあるすべての物質(ものすごい量です、地球一つでもものすごい量です。その何兆倍の何兆倍の何兆倍あるか分からない量です)に、もれなく質量を与えたというのですから、すごい速業です。光速で無数に飛び交っているニュートリノも、ちゃんとひとつ残らず質量を与えています。とてもすごいことです。

(ビッグバン後1100万分の1秒後にヒッグスの海ができたということです。そして、すべての物質に質量(重さ)を与えたというのですから、物質は重くなって一瞬でブラックホールになったことでしょう。よく無事で宇宙は膨張してこれたこと)

まあ、今も宇宙空間がヒッグス粒子に満たされていてはなにかと困ることが出てくるのでヒッグス粒子には退場してもらったのでしょう。ヒッグス場だけなら言葉だけで実質はなにもないのですから物質に何の影響も与えないから不都合は生じないからでしょう。宇宙論者の都合によって、この宇宙はヒッグス場になったり、ヒッグス粒子に満たされていたりするようです。ヒッグス粒子とヒッグス場はとても使い勝手がいいようです。ちなみに、磁場は磁力線がある空間のことです。磁力線のことです。ヒッグス場はヒッグス粒子がそこになくてもヒッグス場はあるようです。ヒッグス粒子がいつでも生まれることができる空間のようです。実際はとてつもないエネルギーのガンマー線バーストが飛びまわっていても、中性子星が衝突して巨大なエネルギーが飛びだしても、ヒッグス場は微動だにしないで、場のままでヒッグス粒子を飛びださせたりはしないようです。ヒッグス粒子が飛び出るのは、加速機の中で、陽子同士が衝突したときにたまに出るということです。もちろん加速機の中で陽子はヒッグス場の中を飛んでいるのだkら、ヒッグス場に光速で衝突しているはずなのですが、それではヒッグス場は微動だにしないようです。

そのほかにも、空間は巨大な銀河や銀河団をくっつけて、高速度で引っ張っている、あるいは押しているということです。空間は何にもないくせにすごい粘着力と巨大な牽引力や圧力を持っているということです。

ようするに、学者の理論の必要に応じて空間は何でもできるようです。ドラえもんの袋みたいに何でも好き放題出てきます。

結論

空間についてはなんにも分かっていなから否定のしようがないから、といって、必要だからといって空間を勝手に造り変えては、本当のことはわからないのじゃないでしょうかね。エーテルの二の舞ですよ。

 

問題

{見えるのはシュワルツシルド半径の手前でほとんど動こうとしない私の姿だけです。}

考察

 銀河の中心には巨大なブラックホールがあると考えられています。銀河系も同じです。銀河系の中心にあるブラックホールは銀河系ができたときから銀河系と一緒に動いています。なぜそれがいえるかというと、銀河系ができたのは100億年前といわれています。銀河系は、かなりの速度で動いています。それなのに、ブラックホールは、今も、銀河系の中心にあることから、銀河系と共に100億年の間同じ速度で動いてきたといえます。では{シュワルツシルド半径の手前でほとんど動こうとしない私}はどうすればいいのでしょう。

銀河系の中心にあるブラックホールは銀河系の動きと共にかなりの速度で動いています。秒速数百キロはあるでしょう。{シュワルツシルド半径の手前でほとんど動こうとしない私}はあっという間にブラックホールに置いて行かれます。シュワルツシルド半径の傍の私の乗ったロケットは、銀河系にも置いてけぼりを食らって、宇宙でポツンと、浮いていることになります。

これでは困ります。そこで、見た目はほとんど動かないけれど、ロケットは普通に時間が経過しているとしたのでしょう。そうすればブラックホールと共に動いていくことができます。しかし、{シュワルツシルド半径の手前でほとんど動こうとしない私}と、ブラックホールと共に、秒速数百キロで飛んでいく私は二つに分かれてしまいます。一人が二人になってしまいます。やはり困った問題が生じます。

ブラックホール自身の巨大な重力でブラックホールの時間が止まって、ブラックホールも停止してしまうということにすると、ほとんど動こうとしない私もブラックホールにおいてけぼりを食うことはないかもしれません。しかし、それでは今、ブラックホールが銀河系の中心にあるのはおかしなことになってしまいます。銀河系の星々と共に、動いていなければ銀河系の中心にあることはできません。

もし、ブラックホールが、重力のために時間が止まるなら、銀河系ができたとたんに、中心のブラックホールの時間は止まり、動きも止まっているはずです。すると、ブラックホールは100億年前の時刻のまま、その場にとどまっているはずです。今、ブラックホールが銀河系の真ん中に見えるのはブラックホールの時間も、速度も止まっていないで、他の星と同じように、銀河系と同じ速さで時間が経過し、動いているということの証です。銀河系の中心にあるブラックホールが100億年前の時刻だというのはおかしなことですから。

これは銀河系に限ったことではありません。2017年4月に世界6カ所,8機の望遠鏡を使って、M87銀河のブラックホールを観測し、その映像が2019年4月に公開されました。それによると、そのブラックホールは、やはり、M87銀河の中心にありました。やはり、おそらく、100億年以上にわたって、M87銀河と共に、そのブラックホールも動いていたということです。その間、ブラックホールの、時間も止まっていない、動きも遅くなっていないということの実証です。

また、銀河の中心には必ずブラックホールがあるという研究があります。それらのブラックホールも、所属する銀河と共に動いているということになります。するとそれらのブラックホールは、他の恒星や星間雲などと同じ速さで時間が動いているということです。ブラックホールの重力は時間を止めていないということです。それどころか遅くもしていないということです。

これでは困ります。そこで、遠くから見ると、時間が遅くなったり止まったりするけれど、ロケットの中の{私自身は時間が普通に進むので}としなければならなくなったのでしょう。おなじようにブラックホールの時間も遠くから見ると、時間が止まるけれど、ブラックホールの中では{時間が普通に進む}とするしかなくなったのでしょう。

この場合も、上に書いたような矛盾が生じます。ブラックホールの時間は普通に進むからブラックホールは普通に動く、私自身も時間は普通に進む、とすると、ブラックホールと私は、普通に動いていきます。しかし、地球から見た{私}の時間はゆっくり進んでいるので、速度もゆっくりに見えるということです。同じように地球から見るとブラックホールの時間も止まっているので、ブラックホールは停止して見えます。ブラックホールも、ロケットの中の私も、他の星と離れていくように見えることになります。しかし、実際にはブラックホールは銀河系の中心に見えます。停止していませんし遅くもなっていません。

 

結論

 時間は、重力が強くなると遅くなるという考えと、時間は重力が強くなっても普通に進むけれど、他から見ると遅く見える、という考えを状況によってうまく使い分けています。ルールは一つにしなければなりません。状況で使い分けては、ルールにはなりません。

 また、理論から考えられるブラックホールの位置(銀河とは別の位置で停止しているはず)と、実際のブラックホールの観測された位置が一致していません。理論の間違いが考えられます。

 私の時間は普通に進んでいるのに、遠くから見ると私の時間が遅く見えるという、不可思議な現象がなければならないのが相対論です。アインシュタイン自身が述べています。シンプルイズビューティーと。普通に進んでいるのに、遅く見えるという時間は、シンプルとはとても言えません。