「重力とは何か」について目次
重力とは何か20 GPS衛星の時間の合わせ方
ブラックホールと光の脱出速度

重力とは何か(大栗博司・幻冬舎新書)について21


著者 田 敞


(以下{ }内は上記本からの引用)

 

重力波をキャッチせよ アインシュタイン理論のテストその三(P120)


問題

 重力波は存在するか


問題1

{電磁波は電場と磁場が交互に誘導し合って、光速で空間を伝わります。一方アインシュタインは、時間と空間の曲がりが波となり、やはり光速で空間を伝わるはずだと考えました。}

考察1 {電磁波は電場と磁場が交互に誘導し合って、光速で空間を伝わります。}

電磁波は、電磁波そのものが空間を突き抜けていきます。これは、空間が伝えているというのではなく、電磁波そのものが飛んでいるのです。たとえば、宇宙ロケットが宇宙空間を飛ぶとき、空間がロケットを伝えているのではなく、ロケットそのものが空間の中を飛んでいます。同じように、彗星が尾を引きながら飛んでいるのも彗星そのものが飛んでいるので、空間が彗星を伝えているのではありません。地球やその他の惑星の公転もそうです。空間が惑星を伝えているのではなく、惑星が飛んでいるのです。太陽が銀河系の中を秒速200キロメートルで飛んでいるのもそうです。

 電磁波もそれと同じです。何も時間と空間が波になる必要はありません。空間が伝えているというのは間違いです。

考察2{一方アインシュタインは、時間と空間の曲がりが波となり、やはり光速で空間を伝わるはずだと考えました。}

{時間と空間の曲がりが波となり}とあります。時間はなにかでできているのでしょうか。時間の何がどのように波になるのでしょう。答えられる人はいないでしょう。

時間の波は縦波なのでしょうか横波なのでしょうか。電磁波のように上下に揺れたり左右に揺れたりするのでしょうか。時間が波になったら、私たちは船に乗っているように過去や現在や未来に振れて揺れるのでしょうか。重力波は検出器を伸び縮みさせるということだから、縦波なのでしょう。すると時間が縦波になると縮んだ時間と伸びた時間が交互にやってくるのでしょうから、時間が詰まった部分では急に速くなったり弛緩した部分では遅くなったりして、自分では同じように動いているつもりでも、ゆっくり動いたり、素早く動いたりするのかもしれませんね。100メートル走などは、時間が速く動く波に遭遇するときの方が有利なのでしょうか、ゆっくり進む波に遭遇するときの方が有利なのでしょうか。周波数が高いと、目まぐるしくて困るでしょうね。

 まあ、時間なんて実態のないものです。それを、事態がある物質と同じように波になるなんて、ありえないことです。

 

では空間はどうでしょう。空間は空間の何がどのような仕組みで波になるのでしょう。やはり時間と同じように縦波なのでしょうか。

以前は空間はエーテルというもので満たされていて、それが波になって光や引力を伝えていると考えていました。しかし、マイケルソン・モーリーの実験以後エーテルは否定されています。空間はそれ以後しばらくの間空っぽでした。空っぽの何が波になるのでしょう。

今はヒッグス粒子なるものが空間に満ちているというらしいですから、それが揺れるのかもしれませんね。でもヒッグス粒子は、加速機の中をほぼ光速で飛ばした陽子同士を正面衝突させてもかろうじてほんの少し出てくるだけだということですから、普通の場合は普通の物質に作用することはできないのではないでしょうか。ヒッグス粒子が車の前に立ちはだかって車の速度を落としたり、飛行機の速度を落としたりしていないとことをみると、ヒッグス粒子が揺れたって、検出器を伸び縮みさせることはないでしょう。


結論

時間も空間も実際には何もありません。実態のないものです。なにもないものが波になるのはどのような現象なのでしょう。何もない波。禅問答ですね。それとも夢幻の類でしょうか。いえ夢幻の方がまだ実態があります。夢は見えたりしますからね。時間も空間も触るどころか見ることすらできないのですから。わたしたちが触ることができなくても、ただ横たわっているだけの検出器は伸ばしたり縮めたりするようですから、神出鬼没のお化け見たいなもののようですね。

アインシュタインは何もないものでできた波の形や仕組みを示したのでしょうか。できるわけないですよね。そんなものは無いのですから。無いものはないのです。無い袖は振れないと言うでしょ。無い時間は揺れないのです。ない空間は揺れないのです。

 


終わりの言葉

 アインシュタインの重力とニュートンの万有引力はまるで違うものでした。相対論では時間は時計であったり時間であったりしていました。都合次第でどちらにでも変身しました。重力は、幻想であったり、本章であったりしました。変幻自在の不可思議なものでした。

 また、一般相対性理論の証拠という現象も、みんな身の回りに起こっている普通のことで説明ができることでした。水星の軌道だけはちょっと難しい計算がいるようですが。でもケプラーで十分説明できる現象のようです。

 また、重力波なるものは、なにも実態がない時間が振動したり、空っぽの空間が振動したりするというのです。「無の波」なるものはあるのでしょうか。禅問答です。それが相対性理論のようです。凡人には理解できないのが当然です。現実と遠くかけ離れたものですから。

 

 以上で「重力とは何か(大栗博司・幻冬舎新書)について」を終わります。この後ブラックホールのことなど書いてあるのですが、おりがあったら挑戦してみたいと思っています。

2020年2月3日

記 田 敞