重力とは何か19 実証の検証
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重力とは何か(大栗博司・幻冬舎新書)について20


著者 田 敞


(以下{ }内は上記本からの引用)

 

あてになるカーナビ ― アインシュタイン理論のテストその四


問題

カーナビの人工衛星は、特殊相対論と一般相対論の効果で、{一日三九マイクロ秒だけ人工衛星の時計は進んでしまうのです。}


考察

ア 時計が進む。

時計が進むということは、時計の針の進む速度が速くなるということです。すると、時計の針のついている時計本体の速度も速くなるということになります。その時計のついているカーナビのGPS人工衛星の速度も1日39マイクロ秒分だけ速くなるということになります。

いや、人工衛星の時計は、針ではないということでしょう。同じです、電子時計なら、電子の速度が速くなり、すると時計も速く動き、やっぱり人工衛星の速度が速くなります。

 人工衛星の速度が速くなると、単位時間に進む距離が延びます。{距離の誤差は「時間の誤差×光速」に等しい}らしいので、1日{12キロメートルにもなってしまいます。}

 困ったものです。毎日毎日これだけ人工衛星の位置が違っていたら、10日で120キロです。{誰もカーナビなど信用しないでしょう。}衛星の運営会社は時計だけではなく人工衛星の速度も合わせる必要があります。時計の進み方を人工的に機械仕掛けで遅くして合わせたら、GPS衛星の速度もそれに合わせてそのままより遅くなるということなのでしょうか。それなら便利ですね。火星に行くときに、時計を機械仕掛けで意図的に速く進むようにしておけば、宇宙船はその時計に合わせて速く進みます。エンジンを使わなくて速度が上がるのですからエネルギーの大幅節約になります。地球や惑星を使ってスイングバイなどしなくても好きなだけ速度を上げたり落としたりできます。

 もうひとつ困った問題が生じます。人工衛星の速度が速くなると遠心力が大きくなります。すると人工衛星の高度が上がってしまいます。静止衛星にならなくなる可能性も出てきます。これではカーナビどころではなくなります。

 実際はこんなことは起こっていないようです。相対論者の言うとおりに、時計の針だけが速くなるので、時計の針だけを遅くしているということのようです。相対論効果は、他のものには目もくれずに、時計の針だけをターゲットにしているのでしょう。

不思議な現象です。相対論者に必要なことだけが相対論者の思いどおりに起こるのは、相対論が正しいからでしょうか。相対論に不必要なことは一切起こらないというのは便利な世の中ですね。あたかも相対論のためにこの世界ができているようです。

 

イ 時間が速くなる

 アでは時計の針が進むということで考えてみました。(デジタル時計では、数字の変化が速くなるということです。同じことです)この本では時間と時計は同じものとして扱っているふしがあります。しかし、相対論は、本来、時計ではなく本当の時間が早くなったり遅くなったりするということです。

 そこで、本当の時間が進むとしたらどうなるかを考えてみます。

 本当の時間が進むと、それを合わせるのは難しくなります。GPS衛星の時計を地球の時計に合わせて遅く進むようにしても、本当の時間が遅く進むわけはありません。

 時計は機械仕掛けで地上と合わせることはできても、GPS衛星の本当の時間は進んだままです。その進みは積み重なっていきます。地上の本当の時間に対してGPS衛星の本当の時間は毎日39マイクロ秒だけ先へ進んでいきます。2日で78マイクロ秒です。10日で390マイクロ秒地球より未来に進んでいます。1日ごとに、未来へ進んでいくのです。いくら短い時間でも未来は未来です。GPS衛星は、未来から現在の地球に送信することになります。不思議なことができるのがGPS衛星です。

 GPS衛星の時計を遅く動かしたら、本当の時間も遅くなるでしょうか。

 GPS衛星の時計がどんなに正確な電子時計でも、タイムマシーンではありません。本当の時間を動かすことはできません。

 わたしの家の時計はもう40年も動いています。だから、毎日少しづつ遅れます。GPS衛星とは反対ですが。だからといって、私の家が隣の家より、本当の時間が遅くなることはありません。遅れているのは時計の針だけです。だから、ときどき、つまみを回して時刻を合わせます。だからといって、遅れていた我が家の本当の時間を早送りして、現在に合わせたということではありません。本当の時間は遅れもしていないし、時計の針を動かしたからといって、その針の動きに合わせて本当の時間が動くわけでもありせん。

 ところがGPS衛星の時計は本当の時間も動かしているようです。なんと素晴らしい時計でしょう。

 機械仕掛けで時計の速度を落とし、地球の時計と合わせているようですが、もし相対論が正くて時間が速くなるなら、本当の時間は関係なく先へ先へと進んでいるはずです。時計を遅くすると本当の時間もそれに合わせて遅くなるのでしょうか。

 特殊相対論で遅れ、一般相対論で速くなるGPS衛星の時間は、私のうちの時計と同じ方法で合わすことができるようです。指か、機械仕掛けかの違いだけです。ガモフという人は、速く走ったために時間がゆっくり進み、そのために遅れた時計を指で合わせています。わたしの家の時計と同じです。速く走ったために遅れる時間も、古くなって遅れる時計の時間も、合わせ方は、指の力で十分なのです。なんのことはない、特殊相対論だ、一般相対論だといっても、古くなった時計の時間の狂いと同じことです。

 特殊相対論に言う「速度で遅くなった時間を合わす」=「我が家の遅くなった時計を合わす」

 一般相対論に言う、「重力で遅くなった時間を合わす」=我が家の遅くなった時計を合わす」

 すなわち、「相対論で遅くなる時間」=「我が家の古くなったために遅くなった時計の時間」ということです。相対論の時間は古くなった時計の時間と同じということです。なんのことはない、特殊だの一般だの、難しいことを言っているけれど、古くなて歯車が摩耗した時計の時間と同じということのようです。

 

結論

GPS衛星はタイムマシーンだったんですね。すごいことです。

相対論では、速度によって時空が伸び縮みして時間が遅くなるとか、重力によって時空が伸び縮みして時間が遅くなる、とか、難しい理屈をこねまわしているけれど、何のことはない、我が家の古い時計が遅れるのと同じことのようです。遅れたら指で合わせたらチャラになるのですから。相対論の時間は指先で早くも遅くもできるのですからたいしたものです。

ところが我が家の時間は、そうはいきません。時計は合わせても、本当の時間は速くも遅くもできません。昨日失敗したから時計を戻して昨日の時刻にして、失敗を無くそう、とか、時計を進めて、宝くじの当せん番号の発表を見てから、元の時刻に時計を逆戻りさせて、そのくじを買おうなんて考えてもそうはいきません。

なにが変だかと言うと、時間を時計にすり替えたことです。ここでは本当の時間を隠して時計だけを全面に押し出しています。時計は本当の時間ではありません。時計はいくらでもコントロールできますが、本当の時間には指1本触れられません。だから、GPS衛星の時間をコントロールするために時間を時計と言い替えたのです。時間のままならそれを遅くすることは今の人類にはできないけれど、時計なら誰でも速くしたり遅くしたりできますから。

いや、時間も時計も同じだというなら、GPS衛星の本当の時間をどのようにして遅くしたのかそのシステムを述べるべきです。それこそ、タイムマシーンですから。そうすると、時計を逆回しして過去にさかのぼり、タイタニック号の事故を防げますよ。ノーベル賞間違いなしです。

相対論は時間と時計をうまく使い分けて話を進めます。インチキです。