「重力とは何か」について目次
重力とは何か14 遠心力と重力と引力
重力とは何か16 フラットランドの怪
重力とは何か(大栗博司・幻冬舎新書)について15
著者 田 敞
(以下{ }内は上記本からの引用)
円周率=3.14・・・・が成り立たない世界
問題
{宇宙ステーションの円周を図ろうとすると、ローレンツ収縮のため、定規が縮んでしまう。}
考察
ア 定規は縮むか
これは実証されているのでしょうか。いつどこで誰が、定規が縮んだことを実測したのでしょう。
アインシュタインの思考実験だけならそれは実証とはいえません。実証のない考えは仮説です。確定ではありません。
したがって、{次に私が円周を計りだすと、とたんにおかしなことが起こります。あなたには、私の使っている定規が、直径を測っているときよりも短く見えるでしょう。特殊相対論によると、動いている物体は、運動方向に縮んで見えるからです。}という考えも、仮説です。
イ {直径を測っているときよりも短く見えるでしょう。}
「見えるでしょう」は見えるだけなのか、じっさいに定規が縮んでいるのかはっきりさせなければなりません。この後、実際に計ると結果が異なるので、実際に定規が縮んでいるのでしょう。すると、{あなたには、私の使っている定規が、直径を測っているときよりも短く見えるでしょう。}という「あなた」は不必要です。じっさいに定規が縮んでいたら、だれがどこから見ようと測った結果は変わらないはずです。
なぜ「あなたが見ると」「縮んで見える」と見え方にするのでしょう。そして、いつの間にか、「見え方」ではなく、実際に縮んでいるのでしょう。
このあたりはアインシュタインの言葉巧みさがよくあらわれています。たとえば「列車から見ると景色が動いているように見えるでしょう」がいつのまにか「景色が動いている」になります。「見える」がなくなるのです。何の証明も無く、景色が動いてしまうのです。うまいやり方です。実際景色は動いて見えます。しかし、実際に景色が動いていることはありません。新幹線から見ると富士山が動いているように見えるからといって、見た目どおりに富士山が実際に動いていることはありません。それを言葉巧みに実際に動いていると言いくるめるのです。
ここでも同じです。定規が縮んでいることの実証をしていません。定規が縮んでいることの実証はいまだに誰も手をつけていません。どうして誰も手をつけないか。簡単です。そんなことが起こらないのを知っているからです。
ウ 宇宙ステーションの円周を計る定規の回数は増えるか。
{あなたから見ると、ローレンツ収縮のために、私の使っている定規は短く見えます。同じ長さを短くなった定規で測っているので、定規を使う回数は増えています。}
ローレンツ収縮のために定規が短く見えるということです。その原因は宇宙ステーションが回転しているからということです。{動いている物体は、運動の方向に縮んで見えるからです。}という相対性理論からきています。すると、定規が動いている速度と、その定規が測っている宇宙ステーションの壁が動いている速度は同じはずですから、宇宙ステーションの壁もローレンツ収縮で縮んで見えるはずです。
{同じ長さを短くなった定規で測っている}という考えは間違いになります。壁も短くなって見えるはずですから、元と{同じ長さ}ではないはずです。
物差しが何回かかるかは、比較の問題です。同じ率で縮んだら、測る回数は元と同じです。ここでも、定規は短く見えるけれど、壁は、同じ長さ、という実際の壁の長さを言っています。うまいやり方です。でもインチキです。
{欠損角ではなく「余剰角」ができるので、図形は全体的に広がります。}とあります。
ローレンツ収縮で短くなった定規で、ローレンツ収縮でも短くならない宇宙ステーションの壁を計って、定規の回数が多くなったからといって、壁が広がったと言っています。とても都合よくできている理屈のようです。短くなったのは定規だけです、宇宙ステーションの壁は、{同じ長さ}を測ったのですから{同じ長さ}です。違ったのは定規の方です。{短くなった定規}とちゃんと言っています。
欠損角とか、余剰角とかは現実に存在しません。空想の産物です。そんなので実際の物質を伸び縮みさせることはできません。
結論
相対論に一番都合よく定規だけが縮みます。{動いている物体は、運動の方向に縮んで見えるからです}が働くのは、計ろうとする動いている宇宙ステーションの回転する壁ではなく、それと共に動いている定規だけです。述べている規則と、適用している現象が違います。相対論の規則は相対論に都合がいい、ということが一番のようです。
まあ、定規が縮むことも実際にはないのです。加速機などは、飛んでいる陽子ではなく加速機の方が縮んでしまったりします。これだと定規を見ている私の方が縮んでしまいます。相対論は都合次第のようです。