「重力とは何か」について目次
重力とは何か12 加速機が縮む?
重力とは何か14 遠心力と重力と引力

重力とは何か(大栗博司・幻冬舎新書)について13


著者 田 敞


(以下{ }内は上記本からの引用)

 

等価原理

{エレベーターの加速運動で感じる力を}アインシュタインは{重力の本性にほかならないと主張しました。}


問題1

 {エレベーターが上方向に加速するときは、乗っている人は下方向に押しつけられる力を感じます。この力は質量に比例するので、まるで重力が増えているかのようです。}


考察

これも人の感じだけです。人間の感覚で物理量を測ることはできません。科学の方法ではないということに尽きるのですが一応考えてみます。

{上方向に加速する}エレベーターの運動を考えてみます。

 書いてある通り、エレベーターは加速しながら上昇しています。中の人も加速しながら上昇しています。これが実際のエレベーターの動きです。乗っている人の感じは{下方向に押しつけられる力を感じる}かもしれませんが、実際の動きは、床に押し上げられているのです。この本にもそう書いてあります。感覚にしても、{下方向に押しつけられる力を感じ}る人もいれば、下から押し上げられていると感じる人もいます。感覚は人によってバラバラです。

 物理学でエレベーターの運動を考えるなら、エレベーターの実際の動きから考えなくてはなりません。感覚で考えるのは、心理学か、文学か、哲学です。ジャンルが違います。

(1)加速(重力の本性)と万有引力の違い

 エレベーターに立っている人(加速)と、地球に立っている人(万有引力)にかかる力

 地面に立っている人は、地球と人が引っ張り合っています。エレベーターはエレベーターの床が人を押し上げています。加速{重力の本性}と万有引力の大きな違いです。

ほかにも違いがあります。人も地球を引きつけていることです。人も引力を持っていることです。この互いに引き付けあう力が万有引力です。もちろん、この万有引力によって、エレベーターの中の人もエレベーターを引きつけています。しかし、これは、加速{重力の本性}とは関係ありません。加速は、人の体が慣性の法則で等速運動を続けているので、床の押す力と、それに対する反作用で体が床を押しているという関係だけです。実際のエネルギーはエレベーターを加速させるモーターの力だけです。

 感覚はよく似ているかもしれません。しかし、力のかかり方は異なります。上昇するエレベーターと人の関係は、人が一方的にエレベーターの床に押しあげられる力です。地球と人は引き合う力です。一方的ではなく、また、力のかかる方向も反対です。同じ力とはいえません。

これもエレベーターの加速運動、{重力の本性}と万有引力の大きな違いです。

ほかにも違いがあります。

 重力を感じ続けるためには、押す力のエレベーターは果てしなく加速していなければなりません。引き合う力の地球は加速する必要はありませんからその場にとどまっていられます。

 加速し続けるエレベーターは1年もすると光速を超えなければなりません。しかも、太陽系を遠く離れて宇宙の中を果てしなく直線加速運動をしています。いっぽう、地球と人の万有引力は、その場にとどまっていても大丈夫です。実際は太陽と地球の引力のために地球は公転し続けていますが。

エレベーターは押す力で、地球は引き合う力だからです。エレベーターの加速運動、{重力の本性}と万有引力の大きな違いです。

 

(2) 重力と、万有引力の力の及ぶ範囲

ほかにも違いがあります。地球の万有引力は、宇宙の果てまでも届くということです。エレベータの加速によって生じる重力(重力の本性にほかならない)は床に触れている物を押し上げるだけです。ほかの物には影響しません。加速によって生じる重力は間に空間があると作用しません。

エレベーターの外側にある物質は、その場に取り残されます。エレベーターの加速(重力の本性にほかならない)はエレベーターの外の物質には影響しません。ところが地球の万有引力は、地球の全方向に作用していますし、地球から離れた月や、太陽にも作用しています。だから、月は地球を公転し、地球は太陽を公転し、太陽は銀河系を公転し、銀河系はアンドロメダ銀河に接近しています。しかし、加速(重力の本性)があるのに、エレベーターの周りを公転するものはなにもありません。

いや、加速しているエレベーターから外を見ると、外のものが下に向かって加速しながら動いていくように見えるから、加速によって生じる重力(重力の本性にほかならない)は離れていても伝わると言うかもしれません。そんなことはありません。よく見ると、エレベーターに近づくものもあればエレベーターからどんどん離れていくものもあります。万有引力は離れているものを全方向から引き付けるけれど、加速によって生じる重力は、離れたものは、エレベーターが通りすぎるとどんどん離れていってしまいます。なぜなら、エレベーターだけが加速運動をしているからです。現象がまるで違います。だからエレベーターに窓があっては困るのです。

 エレベーターの中の人が手に持ったリンゴを離したら、エレベーターの床が加速して近づくから、エレベーターに乗っている人から見ると、加速しながら落下しているように見えるから重力だ、ということを述べている人もいます。しかし、手から離したリンゴには新たな運動エネルギーは加わっていません。新たなエネルギーが加わっていないので、リンゴは加速しません。エネルギーが加わっているのはエレベーターだけなので、エレベーターだけが加速しています。

 地球に落ちるリンゴはリンゴと地球の引力で引き合うために、新たな力がリンゴに加わっています。だからリンゴは加速しながら地球に向かって引き寄せられます。

 エレベーター内のリンゴと地球に落下するリンゴはエネルギーにおいて明らかに違います。

ウ ニュートンは、リンゴの落下と月の公転を同じ力とみなした。

 万有引力の場合は、物質の全方向に力が働いています。しかも離れた物質とも引き付けあいます。だから、太陽の周りを地球が公転したり、地球の周りを月が公転したりします。しかし、加速するエレベーターは、エレベーターが加速しているだけだから、エレベーターの周りを物質が公転することはできません。エレベーターの外の物質は、エレベーターとは無関係に存在します。エレベーターがかってに加速しながら上昇していくだけです。

 

結論

重いから押しつけ合うアインシュタインの考えと、万有引力があるから、引き付けあうニュートンの考えとの違いです。相対論者はニュートンの運動法則は近似値というけれど、近似値ではありません。押し合うと引き合うではまるっきり相反する考えです。

ニュートン以前は、リンゴは重いから落ちると考えていました。それをニュートンが、物質は引力を持っているという考えに変えました。万有引力です。ところがそれをアインシュタインはまた物質は重いから落ちるという重力に変えました。物質は重いから空間を曲げる。太陽は重いから大きく空間をへこませる、そのへこみに地球が重いから落ち込むのが重力だという考えです。

一緒にされたらニュートンが泣きます。

 

問題2

アインシュタインは{エレベーターの加速運動で感じる力を}{重力の本性にほかならないと主張しました。}

{加速運動で感じる力}が{重力の本性}だという主張です。それがアインシュタインの重力の定義です。

(1) 重力と万有引力の違い

{加速運動で感じる力}が重力の本性。リンゴが落ち、月が公転する力が万有引力

ア 重力

アインシュタインは、エレベーターが落下すると、中の人は、重力が消えたと感じたから、重力が消えたと考えました。加速すると押し付けられる感じが重力だと考えました。

イ 万有引力

 ニュートンの万有引力はリンゴが落ちる現象、月が地球を回る現象を起こす力です。人が生まれるはるか昔から、その力で、月は地球を公転していました。人の感覚とは関係ない、物質が持つ力です。

ウ 万有引力と、重力それぞれの有効範囲

 ニュートンは、リンゴが落ちる現象と、月が公転する現象は同じ力が働いていると考えたように、リンゴから、月、惑星と太陽、宇宙へと視野を広げていきました。だから万有引力なのです。

アインシュタインは、エレベーターの中に人を閉じ込めました。そして、外が見えたら困るから、窓を無くしました。世界を外界と遮断した箱の中に閉じ込めました。そして、箱の中に閉じこもって重く感じる、重く感じないと、人の感覚に向かいました。ダイエットを気にする人のように、重さにいきつきました。だから重力なのです。

{エレベーターの加速運動で感じる力}は月を公転させることはできません。何一つ公転させられないでしょう。もちろん、加速する列車も、加速する飛行機も、加速するロケットも、物質を公転させることはできないでしょう。理由は、外を見たら矛盾が見えるので外が見えないようにしたエレベーターの中の人の感じる力が重力の本性だからです。箱の中の人の感性がエレベーターの外に念力となってほとばしり、外のものを重くして落とすというならエレベーターの外まで重力の本性が伝わるかもしれませんが、残念ながら人には念力などという力は存在しません。{重力の本性}は加速するエレベーターの中の人の感性から出ることはないのです。


結論

 このように、重力と万有引力には大きな違いがあります。かたや感覚、かたや現象です。万有引力は、重力と同じでないことが分かります。式に書けば「加速(重力の本性)≠万有引力」となります。