「重力とは何か」について目次
重力とは何か11 消えた速度
重力とは何か13 加速は重力の本性

重力とは何か(大栗博司・幻冬舎新書)について12

著者 田 敞

(以下{ }内は上記本からの引用)

 

{時間だけでなく距離も伸び縮みする}P71

 

問題

{素粒子実験に使うCERNのLHCは、1周27キロメートルもある巨大な円形加速器です。}

 その中を陽子を走らせます。{その速さは光速の99.999999パーセント}ということです。

 その陽子に乗って観測することができれば27キロメートルの円形加速器がほんの4メートル程度にしか見えないのです。

考察

 まあ、大変なことですね。何年も何年もかけてやっと作った27キロメートルもの加速機が、たった4メートルのおもちゃに縮んでしまうのですから。4メートルでも十分観測できるのなら(実際それで観測しているようですから)、最初から4メートルの加速機を作っていればさっさと出来て、非常に安上がりだったのに、と後悔しきりでしょう。

・ 1周4メートルに縮んだ円形加速機の中を{光速の99.999999パーセント}で陽子が飛ぶと、大きな遠心力が働くことになります。さぞかし制御が大変でしょう。

・ 陽子の速度が同じだとすると、27キロの加速機の中を陽子が1周する間に、4メートルの方は陽子の速度が6750周しなければなりません。同じ加速器なのに、陽子の回転数が違ってしまいます。どちらの回転数が正しいのでしょう。

・ どちらも同時に一周するとします。すると1周4メートルの方は、陽子の速度が6750分の1に落ちてしまいます。

陽子の速度が落ちると、空間の縮みも小さくなり、加速機が大きくなります。加速機の1周の距離が大きくなると、陽子の速度が速くなり、空間の縮み方が大きくなります。すると、加速機が縮み、1周の距離が短くなり、陽子の速度が落ち、と陽子の速度や、加速機の大きさが、大きくなったり小さくなったり目まぐるしく変わってしまいます。27キロが4メートルに縮むだけでも大変なのに、それが目まぐるしく振動するとなると、いかに頑丈な加速機も壊れてしまうでしょう。

・ 27キロの加速機が4メートルに縮むということです。約6750分の1になっています。加速機は複雑な機械でできています。どのようにして、6750分の1にするのでしょう。

 電気コードはどうでしょう。電気コードの直径が6750分の1に縮むと、高圧電流で焼き切れてしまいそうですが、それはどうなっているのでしょう。

 加速機を構成している、分子や原子はどうなっているのでしょう。やはり原子や分子も、6750分の1に縮まっているのでしょうか。縮まらないと、全体も縮まらないですよね。

・ 加速機が縮まるということはそれを備え付けている床も縮まっているということです。床が6750分の1に縮まると、建物が壊れてしまいませんか。建物も一緒に縮まっているということなのでしょうか。すると、地球も縮まってしまいます。6750分の1に縮まった地球で人はどのように暮らしているのでしょう。みんな地球のように縮まって小人になっているとか。

・ いや、見えるだけで実際は縮まっていない、ということでしょうか。そうは直接言わないけれど、暗にその逃げ道を作っているのじゃないでしょうか。それなら錯視と同じです。物理現象に当てはめることはできません。そしてそのことを書かなくてはなりません。「見えるだけで実際は何にも変化していないのです」、と。どうなのでしょう。「見るだけではなく実際にも縮まっている」のでしょうか。そう断言できますか。できないでしょう。

 見た目だけでもつじつまが合いません。中から見たら4メートルに縮まっているなら、外から見ても4メートルに縮まっているはずです。中から見たら4メートルで、外から見たら27キロメートルなんて物質はこの世界に存在しません。SF小説の世界です。あるいは、得意の、13次元の世界でしょうか。

 世界中にたくさんある加速機の中で、加速機が縮まった現象は一度も観測されていません。物質が縮まることはありません。{光速の99.999999パーセント}{の陽子に乗って観測することができれば27キロメートルの円形加速器がほんの4メートル程度にしか見えないのです。}と絶対に実験で確かめることができないのを知っているから、好き放題言っているだけです。縮まるのが正しいとするには、何らかの方法で実証しなければなりません。今のところ、縮まっていないという現象はあるけれど、縮まっているという現象はありません。

速度によって{距離も伸び縮みする}ということから、{27キロメートルの円形加速器がほんの4メートル程度にしか見えないのです。}と、{伸び縮みする}という現象を示す言葉から、{見えないのです}、と、{見える}という感覚の言葉に変えています。アインシュタイン得意の言葉のマジックです。実際に縮まった加速機は存在しません。だから、縮むと言い切ると、事実とは違うじゃないかといわれるので。見えるとか見えないとかの感覚の言葉に変えて、さも現実にも縮む現象があるかのように錯覚させています。

この考えは、アインシュタインの思考実験の中の空想の産物にしかすぎません。

結論

 残念ながら、現実には縮まった加速機は存在しません。特殊相対性理論が言う、速度で空間が縮まるというのが事実なら、世界中の加速機が毎日縮まっていなければなりません。ところが1台もそんな加速機が存在しないのだから、相対性理論が間違っている実証になります。