「重力とは何か」について目次
重力とは何か10 時間と空間
重力とは何か12 加速機が縮む?

重力とは何か(大栗博司・幻冬舎新書)について11


著者 田 敞


(以下{ }内は上記本からの引用)

 

問題

{走っている車から光を発射することを考えると、動いている人からも止まっている人からも速さが同じ秒速30万キロメートルに見えるのは不思議です。走っている車の速さは、どこに消えてしまったのでしょうか。}

 {さて、どこに消えてしまったのでしょうか}、の答えは?


考察

 動いている人から見て光は30万キロメートルで離れていっているということです。すると、光の速度は30万キロメートル+車の速度でなくてはなりません。ところが、光は30万キロメートルの一定速度にしかならないということですから矛盾します。{車の速さは、どこに消えてしまったのでしょうか}、という疑問はもっともです。ここではその答えは出たのでしょうか。

 

 走っている車の人に対して、光が光速であるためには、車が止まっているか、光の速度が光速+車の速度になるかしかありません。ところが、この本でも述べているように相対論でも光には車の速度は足し算できません。車を止めるしかありません。でも車は走っています。{走っている車の速さは、どこに消えてしまったのでしょうか。}となります。困った問題です。

そこで、相対論では、動くと時間が遅くなり、空間が縮むということにします。ところが、相対論では、走っている車の速度くらいでは、時間の遅れも、空間の縮みも微々たるものです。光速に近くなると、大きな変化が現れるが、通常の速度ではニュートンの法則で近似値が出ると述べていますから、この車も、時間の遅れや、空間の縮みは無視できるということです。これでは、とても止まることはできません。相対論効果で時間が遅くなり空間が縮むとしても{走っている車の速さは、どこに消えてしまったのでしょうか。}という疑問は残ります。

この本でも答えはありません。答えようがないのでしょう。

 ニュートンの考えならこんなことは起こりません。絶対空間なので、光と車は相対速度を持ちます。車から見た光の速度は「光速度−車の速度」です。したがって光は車に対して、光速度ではなくなります。光は、絶対静止に対して光速度です。車も、絶対静止に対しての速度になります。したがって、車の速度は、車の道路に対する速度だけではなく、道路の速度(=地球が宇宙空間を飛んでいる速度+自転速度)が加算されています。

 これだと車の速度は消えなくても大丈夫です。

 

結論

{走っている車の速さは、どこに消えてしまったのでしょうか。}の答えはここでは書かれていません。相対論では答えようがないのでしょう。走っている車から見ると光は光速度であるなら、車は停止していなければなりません。夜、車がライトをつけるとその途端車は停止してしまいます。夜、車はアクセルをいくら踏んでも前に進めません。相対論は困った問題を起こしてしまいます。

 ニュートンの理論なら、車の速度は消えません。矛盾もありません。

 なぜ相対論では矛盾が出るのかというと、光が絶対だ、という相対論の考えが間違っているからです。「光あれ」もいいけど、それは聖書に任せればいいのです。中世じゃあるまいし、今さら神様の言葉を科学の根底におく必要はないでしょう。