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「重力とは何か」について目次

重力とは何か7 光時計の間違い探し
重力とは何か9 フラットランドの怪
重力とは何か(大栗博司・幻冬舎新書)について8


著者 田 敞


(以下{ }内は上記本からの引用)

 

問題

{列車の中から見ると、二つの標識は、列車と同じ速さで、反対方向に動いています。}


考察1

 これが相対性理論の根幹である「相対性」です。これが天才の天才たるところです。考えてみます。

 標識が列車と反対方向に動いているということは、地球が列車と同じ速さで反対方向に動いているということです。列車の速さを、新幹線の速度、時速300キロメートルとします。すると地球が時速300キロメートルで動きだしたということになります。最初の問題はその運動エネルギーです。その運動エネルギーはどこから湧いてきたのでしょう。

 ニュートンの、運動法則では、運動エネルギーE=mv÷2です。新たに加わった地球の運動エネルギーは(地球の質量)×300÷2になります。かなり巨大なエネルギーです。相対性理論では、新幹線が走るとこのエネルギーがどこからか湧いてくるというのです。もちろん、新幹線のモーターのエネルギーではとてもこのエネルギーは出てきません。どこからこのエネルギーは湧いてきたのでしょう。アインシュタインはその出所を述べていません。ニュートンのエネルギー不変則とは全く相いれない考えです。通常の速度ではニュートンの運動エネルギーの考えは相対論の近似値だと相対論者は言いますが、相対論だと地球を時速300キロメートルで動かすエネルギーが出るのですが、ニュートンだと、列車の車輪が線路を押す力の反作用しかありません。E=(新幹線の質量)×300÷2です。とても近似値とはいえません。

 ニュートンの考えでは{二つの標識は、列車と同じ速さで、反対方向に動}くことはありません。宇宙はすべて絶対速度だからです。地球の速度は決まっています。太陽の速度も決まっています。走っている新幹線の速度も決まっています。標識の速度も決まっています。誰がどこから見ても、見てくれとは関係ない速度です。だから、走っている新幹線から見ても標識は動きません。見かけは動いているように見えますが、それは錯視です。人間の目や神経の構造の問題で、実際の地球の動きとは関係ありません。


結論

相対性理論では、どこからか巨大なエネルギーが湧いてきます。ニュートンのエネルギー不変則とは相いれません。どちらが正しいか考えなくてはなりません。考えることでもないのですがね。新幹線のモーターが回転すると地球が走り出すというのは不可能ですから。

 このように、相対論では標識は動くけれど、ニュートン理論では標識は動きださないのですから、ニュートンの運動法則は、相対論の近似値にはなりません。完全に相反する考え方です。数値が似ていればいいという問題ではありませんし、実際は数値まるき切り似ていないのですから。

根本的な考え方が違うのです。

 

考察2

 相対性理論の考え方を考えてみます。

地球が新幹線と反対方向に、時速300キロメートルで動くとします。すると地球の公転速度が変わります。公転方向に時速300キロメートル増えると、遠心力がそれだけ大きくなるので、地球の軌道が外側に動きます。

 反対に公転方向と反対方向に時速300キロメートル速度が変わると、地球の速度が小さくなり、地球の遠心力が小さくなるので、地球の公転軌道が内側に移動します。

 地球にはいろいろな列車が走ったり止まったりしています。そのすべての列車に対して、地球は速度を変えなくてはなりません。それに合わせて公転軌道も変わらなくてはなりません。動いているものは、列車ばかりではありません。自動車や飛行機もあります。たくさんの人も歩いています。チーターもアフリカで疾走しています。その反対方向に地球は速度を同時に様々に変えなくてはなりません。大変です。

それ以上に大変なことがあります。加速機{CEREのLHC}の中で、陽子は{光速の九九.九九九九九九パーセント}で飛んでいるということです。すると、陽子から見ると、地球が反対方向に光速の九九.九九九九九九パーセント}で飛ぶことになります。地球は太陽系からすっ飛んで行ってしまうことでしょう。大変です。真っ暗な宇宙を{光速の九九.九九九九九九パーセント}で地球は飛び続けることになります。一刻も早く{CEREのLHC}の中の陽子を止めなくてはなりません。

 こんなことは起こっていません。動いているのは列車の方だけですし、サバンナを疾走しているチーターの方だけですし、{CEREのLHC}の中の陽子の方だけです。

 

考察3

{列車の中から見ると、二つの標識は、列車と同じ速さで、反対方向に動いています。}も言葉のマジックです。・・・見ると――動いていますとなっています。ここが見事なマジックです。「見ると」、なのですから、「動いているように見えます」にならなくてはなりません。それを、見え方なのに「動いています」と事実に置き換えています。見てくれを事実だとうまく言葉を知らんふりして替えることで誘導しているのです。言葉のマジックであって、科学ではありません。科学ではやってはならないことです。

言葉巧みな営業マンのやりくちです。


結論

そんなあほなことが起こっているわけはありません。

相対論者は、{列車の中から見ると、二つの標識は、列車と同じ速さで、反対方向に動いています。}ということを実証しなければなりません。仮説をたてると、それを実証するというのが科学です。今のところ、列車が走ると地球の速度が変化するということを実証できたという報告はありません。反対に地球の公転速度は、観測によって変化しないという実証はあります。地球は楕円軌道を取っているのでそのための変化はしていますが、それはケプラーの法則で解明されています。しかし、列車が走ると地球の速度が変わるということは観測されていません。

{列車の中から見ると、二つの標識は、列車と同じ速さで、反対方向に動いています。}というのは明らかに間違った考えです。