「重力とは何か」について目次
重力とはな何か3マイケルソンとモーリー
重力とは何か5 ニュートンとアインシュタインの違い
ご批評をください

重力とは何か(大栗博司・幻冬舎新書)について4


著者 田 敞


(以下{ }内は上記本からの引用)

 

マイケルソンとモーリーの実験の評価


問題

地球の進行方向と、直交する方向とに光を飛ばした。

{地球の速さが光の速さに足し算されるのなら縞模様は波長の半分近くもズレると計算されていたので、もしそうなら確実に検出できるはずです。}

{その結果、実験装置を回しても、干渉縞は変化しない。どちらの光も同じ速さで進むことが分かりました。秒速30キロメートルという地球の速度は、「足し算」されなかったのです。}

結果は、光は干渉縞を作らなかった。{どちらの光も同じ速さで進}んだということです。

 

考察

マイケルソンとモーリーの実験結果について、大栗博司氏は、光は地球の速度、自転の速度、公転の速度、太陽と共に宇宙空間を飛ぶ速度、という複雑な速度の影響を一切受けなかったと評価しています。すなわち、地球は地球で勝手に宇宙空間を飛び、光は光で勝手に宇宙空間を飛んでいるということです。

また、光は光源の速度や、反射する鏡の速度に影響されずに光独自の速度であったということです。

これは、相対論者の解釈する、マイケルソン・モーリーの実験の解釈と真っ向から対立する考えです。普通の場合は、あとでこの本にも出てくる「光速度不変」の解釈をします。それは、光は何ものにも光速度である、という相対論独自の考えです。これこそ、アインシュタインの天才の名をほしいままにした理論です。

時速9億キロで走っている太郎さんが懐中電灯を前方に照らすと{時速9億キロメートルで走っている太郎さんにも、止まっている花子さんにも、光は時速11億キロメートルで飛んでいくように見えるというのです。}という考えです。

これを一般的に相対論の光速度不変の原理と言います。これが特殊相対論の根本の考えです。

相対論者が言うには、マイケルソン・モーリーの実験はこれを裏付ける実験ということになっています。この本でも上に書いたような現象として光速度不変の考えは紹介されています。そうでしょうか。

地球は宇宙空間を引力の関係で少しは変化しますが、ほぼ一定の速度で飛んでいます。相対論の言うように観察者によって速度が変化はしません。もし、静止衛星から見たら、地球の自転は止まっているから地球の自転は止まった、というなら、大変なことになります。1日が、昼か夜かになってしまいます。遠心力も消えてしまうので、たくさんの女性が体重が増えて泣いてしまいます。おなじように、公転も止まってしまいます。秒速30キロメートルの速度が消えたら地球は太陽にまっさかさまに落下してしまいます。

地球の動きは、相対的ではなく絶対的な動きです。

またマイケルソン・モーリーの光も、地球の速度に影響されずに{どちらの光も同じ速さで進}んだのですから、地球の動きと無関係な速さといえます。

 双方とも宇宙空間を決まった速度で進んでいます。すると、光の速度と地球の速度は無関係ということは、光と地球が相対速度を持つということです。「地球に対する光の相対速度」=「光の速度」−「地球の速度」です。

これに対して、後ほど、大栗博司氏は{動いている列車の中でジャンプしても、飛び上がった地点より後ろに着地しないことを考えると分かるでしょう。空中にいる間も列車と一緒に動くので、同じ所に着地します。}と相対論の光速度不変による解釈を述べています。

列車の中の人が列車と共に動いていくのと同じ原理で光りも地球と共に動いていくと述べています。

ジャンプする人が同じ所に着地するのはニュートンの慣性の法則です。列車の速度が、ジャンプしている人に「足し算されている」から同じ所に着地するという現象です。

列車の中の人は、列車の速度と関係しています。列車が時速100キロで走っていたら、ジャンプした中の人も時速100キロで前方へ動いています。時速300キロで列車が走っていたら、ジャンプした中の人も時速300キロで前方へ動いていきます。列車の速度が中の人の速度に足し算されているのです。

 マイケルソン=モーリーの実験は、これと同じ現象だと述べています。ということはすなわち、地球の速度が光にも「足し算」されている、と言っているということです。

 マイケルソン・モーリーの実験は、光が検出器から飛んでも、地球の速度は関係しないということですから、論理に大きな矛盾があります。

 なぜ矛盾が生じたのかというと、マイケルソン・モーリーの実験を、特殊相対論に無理やり合わせようとしたからです。

 この、{同じ速さで進んでいる}光は、地球に対して同じ所に着地するという、地球に対して光速度であるということではなく、宇宙空間に対して光速度なのです。

 

結論

 マイケルソン・モーリーの実験は、相対論の実証ではなく、反証であると言えます。すなわち光は絶対空間に対して絶対速度で飛び、地球も絶対空間に対して、絶対速度で飛んでいるということです。したがって、光は地球に対して光速度ではなく、宇宙空間に対して光速度だから、光と地球は相対速度を持つということになります。

 この実験は特殊相対論の光は何ものにも光速度であるということの証明にはなりません。