「重力とは何か」について目次
重力とは何か2二つの光速度不変
重力とは何か4 マイケルソンとモーリーの実験2
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重力とは何か(大栗博司・幻冬舎新書)について3


著者 田 敞


(以下{ }内は上記本からの引用)

 

マイケルソンとモーリーの実験


問題1 ニュートン理論とマクスウェルの理論について

{ニュートンとマクスウェルのどちらが正しいのかを決定するために精密な実験がおこなわれました。}

 それが、「マイケルソン=モーリーの実験」だということのようです。

考察

 ニュートンの理論と、マクスウェルの理論は相反するものではなく、異なるジャンルの理論だから、どちらが正しいという問題ではないはずです。ともに正しいのです。比べるのが間違いなのです。白鳥とK鳥どちらが正しいか、と言っているようなものです。

 ニュートンの理論は物質の理論です。マクスウェルの理論は電磁波の理論です。

 何が違うかというと、物質は慣性質量を持っています。ところが電磁波は慣性質量を持っていません。このことから、物質は運動エネルギーを保存するけれど、電磁波は運動エネルギーを保存しません。

 現象として何が違うかというと、物質はニュートンの慣性の法則が適用できるけれど、電磁波にはニュートンの慣性の法則が適用できないことです。マクスウェルの理論は電磁波の理論ですから、物質についてのニュートンの理論を適用するのは間違いということです。

 具体的には、ピッチャーが投げたボールは手から受けた運動エネルギーを保存してキャッチャーまで届きます。手の速度がボールのその後の速度になります。しかし光は、手に持った懐中電灯を振り回しても、光の速度には関係しません。手の運動エネルギーを保存できないから、光はつねに光独自の速度になります。

 このように運動の法則が違うので、ニュートンの理論を光に適用することはできないし、マクスエルの光(電磁波)の理論を物質に適用することもできません。

結論

{どちらが正しいか}という問題が間違っています。どちらも正しいのです。ラグビーのルールでサッカーをやるようなものです。サッカーの試合でボールを持って走ったらゲームにはなりません。かといってラグビーのルールが間違っているとか、サッカーのルールが間違っているとかは言えません。どちらも正しいのです。ニュートンの法則も、マクスエルの法則もどちらも正しいのです。互いに相手に適用するのが間違いなだけです。

 適用できないルールを無理やり適用したことで、相対性理論が生まれました。ラグビーのルールをサッカーに適用したら新しいスポーツが生まれる可能性があります。ラグビーはそうやって生まれたと聞きます。スポーツならそれもありでしょう。こうでなければならにという動かしがたいものはないのですから。しかし、自然はそうはいきせん。人間がルールを変えても、自然はそれに従いません。重力でフワフワ浮いていると感じても、地球に落下するのを止めることはできません。列車の外を見ると、景色が動いていると見えても、景色が時速200キロで列車の後方に動くことはありません。相対論の見え方と、実際の動きは異なります。

 

問題2 マイケルソン・モーリーの実験

{極めて高い精度を求められる実験ですから}{そのため、地下の実験室の中に、水銀を満たした・・・}と実験装置の精密さが述べられています。

 精密な実験であることは分かります。しかし、科学はそれだけでは、その実験が正しいということにはなりません。科学では、必ず検証実験が必要です。この本では、あたかも精密な実験であったからその結果は正しいというようにイメージさせています。でもそれは科学の方法では間違いです。簡単に、検証実験が、いつどこで誰がおこなったか。その結果はどうであったかを書けばいいのです。そしてそれは実験の素晴らしさを述べるよりも科学には必要なことです。

 この本では検証実験のことが述べられていないので、「マイケルソン=モーリー」の実験はまだ仮説の段階といえます。100人の科学者がそれは素晴らしい実験だとたたえても、どのような素晴らしい賞をもらってもだめです。科学には検証実験が必要です。科学は多数決ではないのです。実証です。

 他の本でも、検証実験のことについて書かれた本はありません。どうしてでしょう。だから、「マイケルソン=モーリー」の実験データーには24時間の周期性があるというクレームが出るのです。

 現在、重力波の検出がおこなわれています。この装置は、「マイケルソン=モーリー」の実験と同じ仕組みです。これで検証すれば、簡単にできると思われますが、そのことはやっていないみたいです。

 また、重力波の装置は非常に精密な調整が必要なようで、できてから、調整に半年以上もかかったとかいうことです。現在の科学の粋を集めてもそれくらい難しい実験のようです。「マイケルソン=モーリー」は調整にそんなに時間はかからなかったみたいです。まあ、重力波の装置は、巨大で、調整に手間がかかるとは思われますが、現在の科学を持ってしても、大変なことのようです。ひょっとしてマイケルソン=モーリーの実験結果が足を引っ張っているのではと勘繰ったりしています。マイケルソン=モーリーの実験の解釈が間違いだったら、それに合わせようとすると、合わなくなるのは必然ですから。

結論

 科学なのですから、検証実験を述べなくてはなりません。素晴らしさを解くことは本としては必要でも、科学としてはかえって目くらましになる可能性があります。実際そうなっているのではないでしょうか。20世紀最大の天才アインシュタインの予言通りだ、が相対論の証拠であるかのように言っているところがありますから。アインシュタインのいうとおりだから、で、なんの検証もしていない現象が多々あります。これまで書いてきた、時空が伸び縮みするとかいうのもそうです。何の検証もしていません。「時空」、だって、素晴らしい、天才の考えることは違う、と感心しているだけです。キャッチフレーズに心酔しているだけではないでしょうか。一般相対性理論でも同じです。それについては後でのべます。