インフレーション宇宙目次
インフレーション宇宙論への反論10
インフレーション宇宙論への反論12
インフレーション宇宙論への反論 11
田 敞
インフレーション宇宙論(佐藤勝彦。BLUEBACKS)を基に考えてみます。
(以下{ }内は上記本よりの引用)
問題
{宇宙の大きさが現在の8分の1であった頃に生まれた銀河}が観測されたということです。{時期としては今から129億年近く前になります。}
考察
銀河系は今から130億年前ころに生まれたということです。(本によってさまざまです。私はもっとはるか前にできていたと思っていますが、ここでは一般的な考えを取っています)アンドロメダ銀河もおそらくそのころに生まれたことでしょう。勿論「無」から突然生まれたのではなく、宇宙に漂うガスが収縮して、それが銀河になったことでしょう。観測された銀河の近くで銀河系もできていたのでしょう。宇宙は8分の1の大きさだったということですから、16億光年(=129÷8)くらいの距離にあったことでしょう。その後129億年で、今の129億光年の距離に離れていったのでしょう。
ハッブル定数を1Mpsで100km/sとすると、その銀河と銀河系が離れる速度は秒速5万kmほどです。光速の6分の1ほどです。とても速いですね。でも、これでは、約129億年で113億光年(=129−16)離れることはできませんね。また、銀河系は25000km/s(=50000÷2)で飛ばなくてはなりません。可能なのでしょうか。空間膨張だから、大丈夫と言うことでしょう。
では、アンドロメダ銀河はどうでしょう。
現在の230万光年の距離の8分の1は28,75万光年です。ハッブル定数では、両銀河が離れる速度は最大でも9km/sくらいです。これでは、129億年で約200万光年離れることはとてもできそうにありません。
それ以上に困ったことは引力です。現在230万光年離れていても引力で接近しているということですから。28,75万光年の距離では、引力で接近してしまうことでしょう。離れることなどとてもできません。
これは他の銀河でも同じです。今の銀河間は129億年前は、平均して8分の1の距離にあったと考えられます。それが宇宙膨張によって今の距離に離れたということです。多くの銀河で、銀河系とアンドロメダ銀河のように互いに働く引力が強くて離れることができなくなっていたのではないでしょうか。
結論
宇宙が膨張するというけれど、個々の銀河を見ると、膨張はかなり困難なようです。特に、観測が正確にできるところにある銀河ではほとんど無理のようです。