インフレーション宇宙への疑問目次
インフレーション1
インフレーション宇宙論への疑問3
インフレーション宇宙論への疑問2
インフレーション宇宙のシナリオ
著者 田 敞
(以下{ }内は「インフレーション宇宙論」佐藤勝彦著、BLUEBACKSから)の引用)
1 インフレーションのシナリオ
インフレーションについて佐藤氏は以下のシナリオを述べている。
1番目
{宇宙は、真空のエネルギーが高い状態で生まれた}(あるところでは、真空はエネルギーが一番低い状態、と云っています。真空のエネルギーは、都合次第でどうにでもなるようです)
2番目 最初の相転移
{その直後、10のマイナス44乗秒後に、最初の相転移によって重力が他の3つの力と枝別れをします}
3番目 2回目の相転移 (宇宙膨張)
{いわゆる「インフレーション」はその後10のマイナス36乗秒後頃、強い力が残りの二つの力と枝別れをする相転移のときに起こりました}
4番目
{10のマイナス35乗秒後からマイナス34乗秒というほんのわずかな時間で、宇宙は急激に大きくなりました。その規模は10の43乗倍とされています。想像することが難しいと思いますが、そのような膨張が起きれば、1ナノメートル(1mの10億分の1)ほどの宇宙でも、私たちの宇宙(100億光年レベル)よりずっと大きくすることができるのです}
5番目 3回目の相転移 (火の玉になる)
{急激な加速膨張によって、宇宙のエネルギー密度は急激に減少し、宇宙の温度も急激に低下します。しかし、それによってすぐに真空の相転移が起こるため、前に説明した潜熱が出てきて、宇宙は熱い火の玉になるのです。これを再熱化といいます。}
{ビッグバン理論では「宇宙が火の玉になる」といわれていますが、実はそれは、宇宙が最初から火の玉として生まれ、そのエネルギーによって爆発的に膨張したのではなく、真空のエネルギーが宇宙を急激に押し広げるとともに相転移によって熱エネルギーに変わり、その時に火の玉になったということだったのです}
2 初期宇宙の状態
{真空のエネルギーは、斥力として働くという意味でアインシュタインが「失敗」と嘆いた宇宙定数と同じ役割を果たしています}
{「インフレーション理論が予言する宇宙の初期の姿とは、真空のエネルギーが宇宙を満たしているというものであり、それはとりもなおさず、宇宙初期には宇宙定数があったということなのです」}
3 指数関数的膨張モデル
{指数関数的膨張モデルとは、簡単にいえば倍々ゲームで大きくなるということです}
この例に毎日倍になるお金のことが出ています。1円から始めて、2日目には2円3日目には4円となると、{31日目の額は、2の30乗、つまり10億円を超えてしまうのです}
問題
{なにしろ1ナノメートルよりも小さな宇宙がわずかマイナス35乗秒からマイナス34乗秒後の間に137億光年よりも大きな宇宙へと膨張するのですから}
考察
最初に書いたように、これは1秒以内に137億円の金持ちになるのと同じです。計算上はできても、現実にはそれを支えるエネルギーはなにもありません。金がないのと同じです。
ところが、インフレーション宇宙論では、そのエネルギーが真空から無尽蔵に出てくることになっています。良いですね。打ち出の小づちがあれば倍々ゲームで貯金ができるのと同じです。真空のエネルギーとか真空の相転移とかの、真空という名の打ち出の小づちを宇宙論者は手に入れたのです。
宇宙論者は、必要なものは何でも真空から出します。一瞬より短い時間で全宇宙を真空からポンと出します。ポンというポも言わないうちに全宇宙が出てきています。そしてポンのポを言い終わらないうちに宇宙は1000億光年以上にも広がっています。素晴らしい仕組みを考えたものです。1秒もかからずに世界一の金持ちになるのと瓜二つの仕組み、指数関数的膨張です。頭がいいですね。(注:ここでは137億光年以上に膨張といっていますが、モノポール問題の解決には1000億光年以上に膨張と言っています。都合次第のようです。パソコンに打つには137億光年も1000億光年も大差ありません。1秒と違いません。しかし、1000億光年と137億光年は863億光年の違いがあります。光でさえ863億年もかかる距離です。太陽系ができて46億年です。言葉では137億光年も1000億光年も大差ないけれど、現実には、非常に大きな違いなのです。このように、都合しだで適当に距離を書いているのは、現実を考慮していない机上の空論だという証拠です)
そして、その真空のエネルギーもその膨張の仕組みも、すべて謎しかないもので作られています。真空のエネルギーと相転移と言っていれば、それで何でもできるというのです。真空のエネルギーとは有り難いものですね。真空の相転移とはありがたいものですね。水が相転移したって熱なんて感じられないくらいのものしか出てきません。真空は、相転移すると、直径10億光年の宇宙を直径20億光年の宇宙に10のマイナス34乗秒(もちろん適当な数です。この本でも真面目な顔して10のマイナス35乗秒とか10のマイナス34乗秒とかなんて書いているけど、一体どのような実験からそれが証明されたのでしょうか。勝手な数であるのは同じです)、で膨張させるのですから、ほんと神業以上のすばやさです。神様だってこの世界を造るとき、水をかき回してしずくを落とすのに1秒以上かかっています。西洋の神様だって、「ひかりあれ」と云うのに1秒以上かかっています。ところが、現代の科学者は、10のマイナス34乗秒で1000億光年以上に広がる宇宙を造っています。科学力の素晴らしさです。
みんな机上の空論です。昔の人は云いました。「言うは易し、行うは難し」。できるわけないでしょ。10のマイナス34乗秒で、1000億光年の宇宙を造るのに比べると、10のマイナス34乗秒で世界一の金持ちになる方が10の45乗倍ほど簡単です。その世界一の金持ちになることができないのに、1000億光年の宇宙ができるわけないでしょう。
問題
{真空のエネルギーは、斥力として働く}
考察
真空のエネルギーというものは、今までの物理学の4つの力とは異なるものです。何なのでしょう。証明はされたのでしょうか。
真空のエネルギーは斥力であるということだけれど、斥力であるということは証明されたのでしょうか。
真空のエネルギーは宇宙を膨張させる。これは真空を膨張させるということです。真空は、どのように膨張するのでしょう。1ナノメートルの真空と、膨張して、1000億光年の真空とはどのような構造の違いがあるのでしょう。なにもないものが膨張するというのはどのような現象なのでしょう。なにもないものを膨張させるにはエネルギーはいるのでしょうか。説明が必要です。それがありません。
インフレーション宇宙は、空間と共に物質やモノポールも膨張しています(モノポールは宇宙の端っこに吹き飛ばされ、物質(粒子)は宇宙全体に散らばった。膨張の仕方が違うようです)。物質は引力を持っているので、これをバラバラにするには、斥力がいります。物質をバラバラにする斥力は、4つの力の他の力です。この世界は4つの力だけではなく、第5の力真空の力があるということです。今の物理学では、世界は5つの力でできている、となぜ言わないのでしょう。
問題
真空のエネルギーの作用
考察1
真空のエネルギーはインフレーションの膨張を起こす。真空の相転移を起こす。宇宙を火の玉にする。ビッグバンの空間膨張を起こす。
このように、膨張宇宙の根幹となる力のようです。
しかし、太陽系には作用しない。銀河系には作用しない。このあたりの局部銀河団には作用しない。
考察2
インフレーションで、宇宙は急激に膨張した。その速度は、光速×10の35乗倍ほどである。その速度に、10のマイナス35乗秒ほどで加速したということです。これが真空のエネルギーの斥力ということです。では、その速度の宇宙を10のマイナス35乗秒で減速したのはどのエネルギーでしょう。慣性の法則では速度は変化しません。粒子が光速×10の35乗倍ほどで飛ぶとその速度はそのまま残ります。自動車は減速するときはブレーキをかけます。インフレーション宇宙にブレーキをかけたのは、どのエネルギーでしょう。このときの宇宙には、モノポールや、4つの力や、粒子があります。真空には斥力しかないので、加速はできても減速はできません。粒子や4つの力の重力で減速するしかありません。しかし、10のマイナス35乗秒で、光速×10の35乗倍ほどで飛ぶ粒子を止めることはできません。他のなにかのエネルギーが必要です。それがありません。
考察3
粒子の間はどうなっているのでしょう。1ナノメートルの空間が、10の34乗秒で、1000億光年に広がるのです。すると、インフレーション空間に粒子ができたとたんに、粒子間の空間が倍々ゲームで広がっていくのだから、粒子間も10の34乗秒で、100億光年くらいには広がるのではないでしょうか。少なくとも、1億光年くらいには広がるでしょう。現在の宇宙には、1億光年以内にたくさんの銀河があります。太陽系にだって無数の粒子があります。なぜインフレーションで散り散りに飛び散らなかったのでしょう。ビッグバンと同じように、重力の方がインフレーションの膨張より強かった、ということでしょうか。それなら、粒子はみんなインフレーションに取り残されて、宇宙のひと隅に固まってしまうことでしょう。勿論モノポールも、4つの力もです。そこからビッグバンが始まったということも考えられますが、インフレーションの膨張速度でも広がらないとすると、ビッグバンの速度ではとても、物質は広がることはできないはずです。
また、真空が指数関数的に広がると、その真空から粒子が指数関数的に湧いてくるということも考えられます。なんせ、10のマイナ34乗秒で、何もかもが起こっているのですから可能性はあります。しかし、インフレーション理論にはそれはありません。また、新たに考えたとしても、現実には真空から大老の粒子が湧いている事実は観測されていません。実際には不可能でしょう。
結論
真空のエネルギーは、インフレーション宇宙やビッグバン宇宙には不可欠なエネルギーです。そして、インフレーション論や、ビッグバン論者にはとても便利なエネルギーです。インフレーション論やビッグバン論のために生まれてきたといってもいいくらいです。宇宙論者の必要なものは何でも出す打ち出の小槌です。勿論、彼らの望まないものはなんにも出てきません。
そのうち、インフレーションを10のマイナス35乗秒で、ストップさせる謎のエネルギーやシステムも発明することでしょう。いや、めんどくさいから無視することでしょう。