100歳になった相対性理論」(福江純著、講談社サイエンティフィク)への反論23

著者 高田敞


     

(以下{ }内は上記本よりの引用)

インフレーション宇宙モデル

問題

{こうした地平線問題と平坦性問題を一挙に解決するのが、インフレーション宇宙モデルなのだ。}

考察1

インフレーション宇宙モデルは、上にあるように、ビッグバン宇宙論が、観測されている宇宙とは合わないために、それを補てんするために生まれたということだ。宇宙で、インフレーション宇宙モデルを示唆する、あるいは証明する何かが実際に発見されたためではない。もしくは、物理学で、空間膨張の新たな原理が発見されて、それがインフレーションを示唆しているということでもない。したがって、インフレーション宇宙モデルは科学的な現象や理論が先にあって生まれたのではないということがいえる。また、その後、インフレーションモデルを証明する現象や、理論が見つかったということもない。実際の証明もそれをうらづける理論もないということである。

 今の物理学では説明も証明できない現象でもあり。ビッグバン論の間違いを上塗りするために考え出された理論にしかすぎない。

考察2

たどってみよう。

ビッグバンは遠い銀河ほど赤方偏移しているというハッブルの観測から考えだされた。証拠は、宇宙背景放射だということだ。ビッグバン論者が言う証拠はたったこれしかない。肝心な空間膨張の原理も、仕組みも、膨張のエネルギーも、何一つ理論すらない。現在まで分かっている物理学にはビッグバンを証明する理論は何一つない。すなわちビッグバン現象を否定しているのだ。

 そのビッグバン論がうまくいかないからといって、今度は、インフレーション宇宙モデルなるものを考えだした。これも、これだとうまくビッグバンを補えるというだけの理由だ。ビッグバン同様、インフレーションの原理も仕組みも、エネルギーも不明のままだ。ただ、ビッグバン現象を10の40乗倍派手にしただけのしろものだ。

 証拠はビッグバン同様に、銀河の赤方偏移と、宇宙背景放射しかない。これも先に述べたように、銀河の光と宇宙の塵との衝突や、宇宙の塵の出す光と考えると、今分かっている物理学で過不足なく説明できる。

銀河の光が赤方偏移をしているからといって、今の物理学では何一つ観測もされていないし、理論もない空間が膨張するとか、137億年前の光が今地球にやってきたとか、手品や魔法や神様の天地創造のようなことが起こったとするのを科学として許容していいのだろうか。ましてそれだけのことで、空間や時間がない、何かわからない代物の中に突然時間とか空間ができ、それが10の40乗とかに引き延ばされたなどと、嘘はでっかくつけのようなことが起こったというのは科学としていいのだろうか。

ただ、インフレーションビッグバン論を裏付ける理論が一つ昔からある。

昔、神様がいた。神様が住む世界があった。そこはこの宇宙とは違ったところであった。神様は「光あれ」と言った。すると、光と光の入る空間ができた。それは、瞬時に10の40乗倍に引き延ばされた。そのとき時間が生まれた。そうして、われわれの住む宇宙は神様の住む宇宙の中に出来上がった。

その後、ビッグバンによって光から物質が生まれ、物質は変遷し、銀河や星が生まれ、地球が生まれ、生きものが生まれ、現在にいたっている。

結論

インフレーション宇宙モデルには科学的な根拠は何一つ存在しないということである。間違いをごまかすためにさらなる間違いをするということによく似ている。あるいは嘘が嘘を呼ぶということにも似ている。しりぬぐいをしているうちに嘘はだんだん大きくなるという。そんなことを言うのは、カチカチ頭で想像力のない人間の言うことだ。インフレーション宇宙は、神様が後ろ盾してくれている。これ以上の理由などどこにも存在しないだろう。

 現代科学はやっとキリスト教の領域に迫ったということでもある。