「100歳になった相対性理論」(福江純著、講談社サイエンティフィク)への反論19

著者 高田敞


     

(以下{ }内は上記本よりの引用)

 

3K宇宙背景放射

問題

{宇宙が誕生して約40年後、宇宙が約1億光年まで広がった時に、最初に高温の火の玉だった宇宙は膨張によって温度が下がり、およそ3000Kくらいまでになった。}

考察1

{およそ3000Kくらいまでになった。}

ビッグバン論では、1点から、この宇宙のすべての、物質とエネルギーが生まれたということだ。したがって、この宇宙の晴れ上がりのときには、すでに、今宇宙にある、すべての物質とエネルギーが存在していたということになる。

すると、直径1億光年の空間にすべての物質とエネルギーが詰まっていたということだ。そのほかに、今の宇宙論では、物質の数倍のダークマターもあるということだ。それらが、この小さな宇宙に詰まっていたということだ。

問題は、現在宇宙にある物質の総量は不明であるということだ。それも、10%とか20%の違いではなく、まるっきり推測さえできない状態である。ダークマターにいたっては、何者かさえ分かっていない。

すると、3000Kまで下がって宇宙の晴れ上がりが起こったというけれど、それを計算する初期値がまるでわからないということなのだから、3000Kは科学的根拠がないということになる。単なる希望的推測にしかすぎないということだ。

考察2

{宇宙が誕生して約40年後、宇宙が約1億光年まで広がった時}

これは、単純計算で光速の125倍の速度で宇宙が広がったということになる。今の物理学ではありえない速度である。もちろんここまで物質を加速する仕組みもそのエネルギーも現在までに解明されている物理学では解けないし当てはまらない現象である。ビッグバン論者もそのことについて何一つ解明していない。単なる推測と願望である。

考察3

{宇宙が誕生して約40年後、宇宙が約1億光年まで広がった時}

 このときその中に全宇宙の物質と、全宇宙のダークマターが詰め込まれている。その重力で、すべてがブラックホールにならなないのだろうか。

もしこのときにはならないとしても、宇宙誕生後、10万年とか、1000年とかのときには、宇宙はかなり小さかったと思われる。ビッグバン論ではそのときにはすでに、今ある宇宙の全物質と、全ダークマターができていたはずだから、その段階で、ブラックホールになっていたはずだ。

 光は脱出できなくても、空間は、光速をはるかに超えて膨張できるからいいのかもしれない。しかし、そのあたりのことは何一つ説明がない。おそらく、科学的な説明は何一つできないから知らんふりしているのだろう。

結論

 すべてはビッグバン論者の推測と、願望にすぎない。科学は分からないことと分かっていることをはっきり区別して、話さなければならないはずだ。これは科学の域には程遠い。