「100歳になった相対性理論」(福江純著、講談社サイエンティフィク)への反論16
著者 高田敞
(以下{ }内は上記本よりの引用)
カーナビと相対性理論
問題
相対論効果により{GPS衛星の時計は地上の時計よりわずかに早く進むのだ。こうした誤差を補正するために、GPS衛星の時計は・・・遅く進むように調整してあるのである。}
考察
相対論効果により速く進む時間を、積んである時計を遅くすることで補正できるということだ。このことは、重力や速度で変化するとする相対論的効果を、人間が時計を操作することで、消せるということだ。すなわち、相対論効果と人間が時計を操作する、ということが等価であるということだ。
相対論効果は、人間が時計の針を回すことと同じであるということなのだから、何のことはない、うちの時計が遅れたら、ノブを回して合わすということと同じ原理ということだ。
結論
相対論は、時間とは時計の針である、という考えだからこんなことになる。これは間違っている。時間とは何か。これに答えられる人はいるのだろうか。少なくとも、時間とは時計の針でも、時計の進み具合でもない。
問題2
{相対論を知らず、先ほどの38マイクロ秒の時間のずれを補正できないでいたら、位置測定には11キロメートルもの誤差が出ることになる。しかも、この誤差は日一日と増えていく…}。
考察
{時間のずれを補正}したということだ。この時間のずれの補正はGPSの時計の進み方を補正して行ったということだ。
ではこの補正はどこまでの範囲有効なのだろうか。
GPS衛星は、全体が毎日38マイクロ秒ずつ早くなっているはずだ。衛星の時計だけが速度や重力の影響を受けているのではなく、衛星全体が同じ速度同じ重力の影響下にあるのだから、時計のないところの物質も、やはり、時間が1日38マイクロ秒早くなっていくはすだ。
すると{この誤差は日一日と増えていく}ことになる。時計は、時間が合わせられたとしても、他の時計のないところの衛星の物質は、毎日38マイクロ秒ずつ地球より未来に進んでいく。2日で76マイクロ秒、3日で114マイクロ秒、1年で139270マイクロ秒3年で417810マイクロ秒地球より未来にあることになる。
結論
カーナビは未来にある衛星から電波を受け取っていることになる。不思議な現象だ。これは、時間とは時計である。時計さえ合わせれば時間が合う、という小学生並みの考え方による。シンプルイズビューティーという考えからなら実にシンプルでいい。しかし(ビューティー=真実)ではない。科学は美ではなく、真実を解き明かすためにある。美は芸術に任せて科学は科学であろう、といいたい。
未来にあるカーナビ衛星から、現在の地上のカーナビは電波を受け取っている。すごいことだ。
問題3
{誤差を補正するために、GPS衛星の時計は・・・遅く進むように調整してある}
考察
時計の速度を遅くすると進んでいた時間を元に戻せるということになる。すると時計を早くすると、時間も速く進むことになる。
まず自分の腕時計を極端に早くする。すると時間が早く進むから未来に行ける。そこで宝くじの当せん番号の発表を見る。それから今度は時計を反対に回す。そして自分の出発点の時刻に合わせる。それから宝くじを買う。ネットで好みの番号を買うことができる。
大金持ちになれる。
この方式は、カーナビだけではなく、ガモフの不思議の国のトムキンスという本にもある。速度のために遅れた時間を、駅の時計に腕時計を合わせることで、地球時間に戻している。
結論
こんなことはできない。なぜか。カーナビの時計やトムキンスの時計は、遅くすると本当の時間を遅くできる特殊な装置を持っているかもしれないが、普通の時計は、時計の速度を変えても、本当の時間は微動だにしないからだ。
相対論以外の時計はタイムマシーンではない。