「100歳になった相対性理論」(福江純著、講談社サイエンティフィク)への反論14

著者 高田敞


     


(以下{ }内は上記本よりの引用)

問題

重力場中における時間の遅れの実証

考察

{1971年にジョゼフ・ヘイフェルとリチャード・キーティングによって行われた実験}について。

筆者はこの実験が一般相対論的な効果と特殊相対論的な効果によって予想される時間の違いと{非常によく一致した}と述べている。ところが、3行後に{今日では、精度などの点で彼らの実験結果自体は疑問視されているが、原理的には正しい実験で、その後も検証されている。}と述べている。

矛盾した記述である。実験結果は信用できないということなのに、非常によく一致したと述べている。精度の悪い実験結果に一致したということは、どういうことなのだろう。相対論が精度が悪いということではないだろうが、少なくともこの実験は相対論の何ものも証明していないということだ。

原理的には正しいなら、正しい結果出るはずだ。それが不正確なら、原理も間違っている可能性がるということだ。どちらにしろこの実験はなにも証明していないということは言える。

その後精度のいいロケットで実験した結果0.02%の精度になる検証結果を得たという。ほんとかいな。最初の実験を非常によく一致したとべたほめして、それが不正確だったといっている。このロケットも時間がたてば、やはり不正確だったということにならないのだろうか。

問題2

{まあ、要するに、地球のそばでは、極めて高い精度(誤差0.02%以内)で、一般相対論的な時間の遅れが検証されているわけだ。}となるだろか。

{地上とロケットとの間でマイクロ波で信号をやり取りし、ロケットと地上のそれぞれの原子時計の進み具合を比較したのである。}その結果{ロケットに搭載した原子時計の方が、地上のものより早く進むことが観測された。}

考察

ロケットの時間が早く進んでいるということだ。するとロケットは、地上より未来にあるということになる。未来にあるロケットから、現在の地上に電波が届いたということだ。未来から現在にということは、ロケットのマイクロ波は時間をさかのぼったということになる。タイムマシーンである。どのような装置がロケットについていたのだろう。タイムマシーンを見てみたいものだ。

結論

今のところ、人間はタイムマシーンを作ってはいない。この本にも、タイムマシーンがロケットに積んであったとは書いていない。すると、いかに現代科学の粋を集めて精度高くつくった機器から出た光速のマイクロ波であっても、時間をさかのぼることはできないはずだ。すなわち、この観測は単なる機器の誤差といえる。そうでないならマイクロ波が時間をさかのぼる仕組みについて説明する必要がある。無理でしょう。