「100歳になった相対性理論」(福江純著、講談社サイエンティフィク)への反論4

著者 高田敞

     

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(以下{ }内は上記本よりの引用)

1 問題

{ニュートンの世界でもアインシュタインの世界でも、時間や空間の入れ物の中を光が進むことには変わりないので、光速度を絶対的な速度にすることは、入れものである時間や空間が変わりうるということになる。}

2 考察

(1) 絶対なものとは

 人は、時間を変えることはできない。人は、空間を変えることはできない。そして、時間とは何か、空間とは何かということは分かっていない。

反対に、人は、光の速度を変えることができる、光の進路を曲げることもできる。光を作り出すこともできる。そして、光の性質や、光とは何物かはだいたい分かっている。

 人が絶対手出しできない時間や空間が絶対でなく、人が簡単に(子供でも)変えることができる光が絶対だという。

 人が実際に変えることができないものが変化するとし、常に変化しているものが絶対だという。実際の現象と理論が反対である。

(2) 光速度は絶対か

 光は自然界で、速度を変えている。空気の中や、水の中では速度が落ちる。ダイヤモンドの輝きは、強い屈折率にあるという。その結果、光の速度は大きく落ちている。実験では、光を止めることもできたそうだ。星のまたたき現象のように、風が吹くだけで星の光が曲がっているのが肉眼でも観測できる。この宇宙では、光の速度は、さまざまである。光速度は絶対速度を示していない。光の速度が計算上の光速c299792458[m/s]になるのは、理論上の速度である。地球上でぴったりこの速度を計測することはできない。

また、筆者が{「基本原理」なので、観測や実験によって証明することはできない。}と述べているように、光速度不変の現象は観測されていない。反対に光速度が相対的であるという現象は日常的な観測の中で観測されている。

結論

@ 人の手で簡単に変えることができ、また、自然現象の中で観測されている光は速度が変化しているので(速度が変化していない光はない)光の速度を絶対とすることはできない。

A 光速度不変の原理は、証明されていない。