「100歳になった相対性理論」(福江純著、講談社サイエンティフィク)への反論3


     

メッセージ。ご感想をお聞かせください
著者 高田敞

(以下{ }内は上記本よりの引用)

 

基本原理

 

問題

{光速度不変の原理や特殊相対性原理は、特殊相対性理論の「基本原理」なので、観測や実験によって証明することはできない。}

考察1

 上記二つの原理が基本原理であるということはだれが証明し、そして誰が検証したのか、ここには書かれていない。もちろんその証明も書かれていない。したがって上記二つが、基本原理であるということはできない。基本原理だから、基本原理であるという証明もいらないということでは、証明できないものはみんな基本原理だと言えばいいことになる。それでは科学ではなくなるし、間違いしか生まれない。その一番の例が相対論だ。

考察2

{「基本原理」なので、観測や実験によって証明することはできない}とはだれが決めたのか。

 マイケルソン=モーレーの実験が光速度不変の原理を直接証明したという科学者が複数いる。これが定説になっている。この本の著者は証明できないといっているが、証明できたという人も数多くいるのである。

 また、一般相対性理論では、重力が光を曲げるという原理が、エディントンの観測で直接証明されたという意見が定説だ。

 原理なのに直接証明できたという科学者がたくさんいる。著者との意見の食い違いがある。

 宇宙科学者としては、光速度不変や特殊相対性の原理については、無視しなければ宇宙の現実の観測に一致しないので、触れないことにしたのではないだろうか。

考察3

特殊相対論の成果や予想が、{観測や実験によってちゃんと検証することができる。そして、観測事実や検証実験は、すべて、アインシュタインの特殊相対論を支持したのである}とあるが、具体的な実験や観測はここには載っていない。{(あとで述べるように)}とあるから、本当にこの世界のすべてが特殊相対論を支持しているといえるのかをその時々で考えてみよう。基本原理というからには、ニュートンの万有引力の法則や運動の法則のように、この世界のすべてにわたって、上記の二つの原理で動いているはずである。だから、どの現象を取り上げても、この原理の具現化であるはずだ。

結論

「基本原理」が証明できないのは、そのようなことがないということだ。「基本原理」であっても証明しなければならない。証明しなくてもいい理論が科学にあるということはない。

{「基本原理」なので、観測や実験によって証明することはできない。}というのは、証明できないからの逃げの言葉にしかすぎない。