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相対論の二つの土台 について 5

Newton 2017,5


著者 田 敞
(以下{ }内は上記本からの引用)

 

{「等速直線運動」をしているかぎり,宇宙船内の“環境”は同じなのです。“環境”が同じであるとは,ものの動き方が同じである(同じ運動法則が成り立つ)といいかえることができます。このことは,私たちが上空を時速1000キロで安定して飛んでいる飛行機の中でも,地上で停止している飛行機の中でも,同じように動けることからも分かります。動いているか止まっているかは見る人の立場によって変わり,等速直線運動をしているかぎり,常に同じ運動の法則が成り立つ―これが「相対性原理」なのです。}

 

問題1

{動いているか止まっているかは見る人の立場によって変わり}

考察

 見る人の立場によって動きが変わる相対性原理で考えてみます。

地上で停止している飛行機の中から見たら、地上の飛行機は停止し、上空の飛行機は時速1000キロで安定して飛んでいます。問題はありません。

ところが、見る人の立場を変えると困ったことになります。上空の飛行機から見たら、上空の飛行機は停止し、地上の飛行機が時速1000キロで走っている、となります。

 上空の停止した飛行機は墜落するでしょう。とても安定して飛ぶことはできません。もちろん地上で、時速1000キロで走っている飛行機も安定して走ることはできないでしょう。とてもタイヤがもたないでしょう。え、駐機場も一緒に走っているから心配はないって。それが相対性原理でしたね。すごいですね。

{動いているか止まっているかは見る人の立場によって変わり}と何気なく言っているけれど、実際にそんなことが起こったら大変なことになります。実際には成田でも、羽田でも飛んでいる飛行機は飛んでいて、地上の駐機場の飛行機は止まっています。視点を変えたからといって、飛んでいる飛行機が止まったり、駐機場の飛行機が走り出すことはありません。相対性原は理言葉だけです。実際には起こりません。(駐機場の飛行機は実際は地球と共に動いています。それについては後述)

これがニュートンの慣性の法則ならだれがどこから見ようとも、上空の飛行機は時速1000キロで飛び続け、地上の飛行機は停止し続けることができます(これは地表に対する相対速度です)。エネルギーが加わらない限り同じ等速直線運動を続けるという慣性の法則です。これは実際に起こっています。実際の現象から考えたのが、ニュートンの力学です。頭の中の、思考実験から考えたのが、相対性原理です。だから、ニュートンの法則は実際の現象とぴったり一致しますが、相対性原理は空想には一致しますが、実際の現象には一致しません。

 

問題2

{私たちが上空を時速1000キロで安定して飛んでいる飛行機の中でも,地上で停止している飛行機の中でも,同じように動けることからも分かります。}

考察1

これは、ガリレオや、ニュートンの慣性の法則です。これは相対性原理ではありません。だから、特殊相対性理論の土台にはなりません。

飛んでいる飛行機に乗っている人は、やがて、ニューヨークに着くけれど、地上の飛行機に乗っている人は、ニューヨークには着きません。同じように動けるからといっても、結果は異なります。地上の飛行機の人はいつまでも成田にいなければなりません。せっかくのバカンスが台無しです。同じではないのです。なにが違うかというと、速度が違うのです。

上空の飛行機に乗っているものはすべて飛行機の速度を共通して持っています。その運動エネルギーは、ジェットエンジンのエネルギーです。地上の飛行機に乗っているものはすべて地上の飛行機の速度を共通して持っています。その速度は、地表の速度と同じです。それがそれぞれの飛行機の慣性系です。独立しています。ふたつを一緒にするにはそれらを含むさらに大きな慣性系がいります。地球です。上空ののジェット機も、地上のジェット機も地球の速度を共通して持っています。地上の飛行機と同様に、上空の飛行機も出発する前まで地上にあったから、地球の速度を受け取って保存しています。共に、地球の速度を共通項として持っています。地球の慣性系です。

したがって、上空の飛行機内で歩いている人は、「地球の速度±1000±4キロ」です。成田で止まっている飛行機の中で歩いている人は、「地球の速度±時速4キロ」です。

これは{動いているか止まっているかは見る人の立場によって変わり,}ではありません。決まった速度です。

慣性系はその慣性系内で完結します。同じ速度で動いているものだけの世界です。上空の飛行機は上空の飛行機内の慣性系です。飛んでいる飛行機の運動エネルギーを受けているものだけに通用する法則です。地上の飛行機は地上の飛行機だけの慣性系です。地球の慣性系は地球の慣性系です。地球の速度を共通して持っている物の運動です。慣性系は、共通した速度を持っているものの中だけにしか通用しません。

上の飛行機の式で、どちらも、地球の速度が入っているのは、どちらも地球の速度を持っているからです。飛行機も人も、必ず地球と接触して、地球の運動エネルギーを受け取り、その運動エネルギーが基本になっているからです。

上空の飛行機も、地上の飛行機も、地球と一緒に太陽を公転しているという仲間です。同じ速度を持っている一種の慣性系です。共通の速度は取り除いて相対速度を考えられるからです。だから地球は止まっているとして考えられます。しかし、これは火星の慣性系とは異なります。火星には火星と同じ速度を共有している物質があります。火星の風は、火星が止まっていると考えても大丈夫です。しかし、地球に対しては、地球に対する火星の相対速度±火星に対する風の速度になります。それが地球と火星の風の相対速度です。火星と地球は太陽系の慣性系で考えなくてはなりません。火星と地球は太陽と共に銀河系をまわっています。太陽系の速度を共有している仲間です。だから太陽が止まっていると考えて惑星の公転を考えることができます。太陽と、他の星も、銀河系の速度を共有している仲間です。銀河系の慣性系といえます。しかし、他の銀河の慣性系とは異なります。では無数にある銀河の慣性系はどうなるのでしょう。ここが、ニュートンとアインシュタインの考え方の違いです。ニュートンは、宇宙全体が絶対静止空間として、すべてのものはその中で絵絶対速度で動いていると考えました。一種の止まっている慣性系です。アインシュタインは{動いているか止まっているかは見る人の立場によって変わ}るとしました。

 静止しているものは存在しないというのは共に同じです。違いは、ニュートンはすべてのものは、絶対速度を持っていると考えました。したがって物質間の速度は、相対速度になります。相対速度が変化しますが、絶対速度は変化しません。アインシュタインは止まっているものはないから、動きは、視点を変えれば速度が変わると考えました。相対性原理です。絶対速度は決められないという考えです。

現在は、アインシュタインの考えが主流です。そうすると、空間が伸び縮みし、時間が伸び縮みするという私たちの身の回りでは起こっていない不思議な現象が起こるといいます。私たちの周りでは絶対空間絶対時間のニュートンの考えの通りに動いています。これを、相対論では、通常の速度ではニュートンの法則で十分だといって、言い逃れをしています。ニュートンの法則は近似値だといっているのです。身の回りでは起こっていないから相対論を疑問に考えるのではなく、俺たちが本当は正しいのだが、俺たちの計算は難しくて面倒だろうから、現実の運動はニュートンの考えでだいたい合うので、簡単なニュートンの計算でも良いんだぞ、とか言って、自分たちの理論が日常生活に現れないことのいいわけにしているのです。

相対論が正しければ日常でもニュートンではなく相対性理論の現象がすべてに現れていなければなりません。時間が速くなったり遅くなったり、空間が伸びたり縮んだりする現象です。

いやそれは現れている、みんなが知らないだけだと相対論者は言うでしょう。たとえば、相対性理論によると、太陽は地球より1年で1分時間が遅れているんだぞと。そうでしょうか。それをどうやって実証しているのでしょう。実証はあるのでしょうか。

地球ができてから46億年たっています。相対論では、今、太陽の時間は地球から46億分遅れていることになっています。ところが、太陽と地球は今同時に存在しています。これはニュートンの、宇宙はすべて同じ時間の流れにある、という考えなら事実と合います。相対性理論なら、46億分遅れている太陽は石器時代の時刻をさしているのだから石器時代に存在しなくてはなりません。事実とは異なっています。いや、太陽がなくなるなんてありえない、というかもしれません。でも昨日の時刻の太陽は今日は現れません。昨日の時刻の太陽は今はもうないのです。あるのは今の同時刻の太陽だけです。当たり前にことです。1571年3月3日3時25分21秒の太陽は今日現れてはいません。それと同じように、相対性理論によると、今現在、46億分過去の太陽、約8752年前の時刻、紀元前6733年の時刻をさしている太陽が今日現れるわけはありません。もし石器時代の時刻の太陽が今現れるなら、昨日の太陽も、10日前の太陽も、5年前の太陽も、今日現れて輝いているはずです。46億分過去の太陽が現れているのだから、すべての時刻の太陽が今現れていいはずです。そんなことはありません。

紀元前6733年の時刻の太陽から出た光が、8分後地球に届いているというのが相対性理論です。そんなことは起こっていません。ニュートン力学では太陽の時刻は地球の時刻と、同時刻をさしています。46億分過去をさしている相対論の時刻とはかけ離れているので近似値ではありません。太陽は地球と同じ時刻をさしています。相対性理論ではなく、ニュートンの絶対時間の方が事実には合っています。

また相対論者は言うでしょう。相対性理論によると、富士山頂上と東京は時刻が違っている。違いが小さいから、時計では測れないだけだと。

富士山ができてから、富士山の時間は東京より速く進み続けています,数万年積み重なって今ではしっかり未来に行っています。東京からバスに乗って富士山に行くと、未来に行くということです。帰ってくると、未来から現在にやってくるということです。バスはタイムマシーンです。すごいことです。それが事実だというのが相対性理論です。ニュートンはこれを否定しています。富士山頂も東京も同じ時刻だと。その考えなら矛盾がありません。

ニュートン力学は、相対性理論は近似値であるということはいいません。その計算でわれわれの動きも、太陽系の動きも、天の川銀河の動きも計算どおりです。相対性理論を使う必要はありません。しかし、相対性理論は現実の当たり前のことを計算できません。上に書いた太陽や富士山の時刻の問題のように、矛盾が現れます。だから、ニュートンの力学で計算しろといっているのです。そのままではニュートン力学が正しくなってしまうので、いや、相対性理論の計算は大変だから簡単に計算できるニュートン力学で良いよ、普通は近似値でも支障はないのだから、と大きな顔をしているのです。実質はなにもないのに、大きな顔をすることで信頼を得ているだけです。詐欺師のやり方に似ています。

実際、富士山頂と東京駅の時刻が違うなんて不便でしょうがないでしょ。いつもタイムマシーンに乗らなければならないなんて。現実はニュートンで計算するしかないのですから。相対論者はニュートン力学を借りるしかないのです。タイムマシーンに乗らなくても富士山に登れるよ、変なこと言わないで、というのはもっともです。その現実が表しているのは、富士山頂と東京駅とは同時刻だということです。相対性理論の効果で、時刻が違うということを否定しているということです。

このようなことは普通に見られます。月と地球では月が軽いので、相対論では月の時間が地球より速く進みます。すると、46億年の間に月は地球より未来に行っています。私たちは未来にある月を見ていることになります。アポロは、未来の月に行ってまた現在の地球に帰ってきたことになります。今小惑星探査にハヤブサ2が小惑星カグヤに着陸しました。小惑星は地球に比べてはるかに軽いし速度も遅いので、地球より時間の進み方がずっと早いはずです。地球とカグヤが誕生してから46億年です。その間カグヤの時間はどんどん未来にいっています。何百年。いや、何千年もでしょう。ハヤブサ2は何千年も未来のカグヤに着陸しました。すごいことです。ハヤブサ2はタイムマシーンです。

そんなことはないです。地球もカグヤも、同じ時刻です。ニュートンの理論の方が当たっています。相対性理論を否定している事実です。

このように、相対論による現象は日常の中でも現れなくてはならないのに、現れていません。相対論の間違いの実証です。

(相対論の式を速度0にするとニュートンの式になるということでしょう。当たり前です、ニュートンの式をこねくり回して作ったのですから。机上の空論です。実証することが必要です。ところが実際の現象には相対論効果は一切現れていません)