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タイムトラベルと双子のパラドックスについての疑問11

(「Newton7,2017」ニュートンプレス)

著者 田 敞

(以下{ }内は、上記本よりの引用)



問題

{ブラックホールの表面では,時間は停止する}

問題1

 時間が停止するとどのようなことが起こるか。

考察

1 ブラックホールの移動

 上記本に{速度=移動した距離÷かかった時間}とあります。これは小学校で習う算数の定理です。

このことから、(移動した距離=速度×かかった時間)という式が導けます。

 ブラックホールでは時間が停止するということですから、上の式の「かかった時間」が0になります。すると「移動した距離」も0になります。

 どんなに速いジェット機でも、0秒間には0kmしか進めません。相対論では絶対であるという光さえ、0秒間には0kmしか動けません。当たり前のことです。

 この本でも、発光装置をブラックホールに近付けていくと、{ブラックホールに近づくにつれて重力が強くなり,装置から出た光がその場をはなれるのに時間がかかるようになります。}{ブラックホールに到達すると,もはやそこから光は脱出できませんから,発光装置からの光はこちらには届きません。つまり時間の流れが止まるというわけです}とのべています。宇宙最高速の光さへいくら待っても到達しないのですから、時間が止まっているブラックホールそのものもどこにも到達できないということです。

 このことから、ブラックホールはブラックホールになった瞬間から移動できなくなります。

 現在、多くの銀河の中心には巨大ブラックホールが観測されています。銀河系の中心にもあります。銀河系は、できてから100億年ほどたっているということです。銀河系は宇宙空間をかなりの速度で移動しています。秒速300kmだと光速の1000分の1になります。100億年では移動距離は1000万光年になります。秒速30kmでも100万光年です。

 ところが、一般相対性理論では、銀河系の中心のブラックホールはできてから時間が停止しているので動くことができないはずです。

 すると、銀河系本体と、銀河系中心のブラックホールは1000万光年離れた所になくてはなりません。ところが、今も、ブラックホールは、銀河系の中心にあります。100億年の間、ブラックホールは銀河系と同じ速度で動いてきたということです。

 これは他の銀河でも同じです。銀河の中心に巨大ブラックホールが観測されています。一般相対性理論では巨大ブラックホールは銀河と離れた所になくてはならないはずです。ところがそうはなっていません。

 ブラックホールが、他の星や星間雲と同じ速度で動いてきたということは、ブラックホールでも他の星や星間雲と同じ速度で時間が動いているということになります。ブラックホールでは時間は停止していないばかりでなく、ほんの少しも遅くなっていないということの観測結果です。

結論

ブラックホールでは、時間が停止していないばかりか、地球と同じ速度で時間が経過しているということが実証されたということです。このことから、一般相対性理論は間違いであるということがいえます。


問題2

{ただし、時間が停止したように見えるのは,十分遠方からこの様子を観察した場合です。ブラックホールの表面にある発光装置に近づけば,時間は通常どおりに流れています}と細貝教授は続けます。}

考察

(1)矛盾

{ブラックホールの表面では,時間は停止する}とあります。ところが、細貝教授は{ブラックホールの表面にある発光装置に近づけば,時間は通常どおりに流れています}と述べています。

 一方でブラックホールの表面は重力のために時間が停止していると述べ、他方で通常どおりに流れていると述べています。矛盾しています。

(2)どちらが正しいのか

 {誰から見ても重力が強い方が時間が遅くなるという,絶対的な遅れなのです。}

 {誰から見ても}なのですから、発光装置から{十分遠方からこの様子を観測}している観測者が見ても、{発光装置に近づ}いて見ている観測者から見ても、{重力が強い方が時間の流れが遅くなる}ということにならなければならないはずです。

 しかし細貝教授の言うように{ブラックホールの表面にある発光装置に近づけば,時間は通常どおりに流れています}というのが正しいとすると、重力の強いブラックホールの表面でも近くから見ると時間は通常通りに流れることになり、「近くから見ると重力は時間を遅くしない」、ということになってしまいます。

すると、重力は、{十分遠方からこの様子を観測}するときだけ時間を遅くする、という仮説にしなければなりません。{誰から見ても}と言う条件を外さなくてはなりません。また、近くでは通常通りで、遠くでは遅くなるなら、その中間の距離ではどうなるのかという問題が生じます。すると、時間は見る人との距離によって遅速が決まる、というルールができます。一般相対性理論ではなくなってしまいます。

また次の矛盾もあります。この発光装置は1秒間隔で点滅するということです。すると最初に光がついて消えてから、1秒後にまた光がつくということです。この1秒が、重力によって長くなるというのですから、発光装置が、ブラックホールに近づくにつれて点滅の間隔が長くなって、ブラックホール表面では、時間が停止しているなら、1秒が永遠に経過しないはずです。2回目の光は点くことは永遠に無くなります。いくら近くから見ても次の点滅が来ないのですから、通常通り時間が流れているとはいえません。

もし、発光装置の近くの人の時間が発光装置と同じ速度だから、近くの人の1秒と発光装置の1秒が同じだから、通常通り見えるというのかもしれません。それでも、やはり時間が停止すると、永遠に、次の光は点滅しないのは変わりません。もちろん、最初の光も、観測者が1mmでも離れていたら光は観測者には届きません。光も0秒間では0mしか動けないからです。観測者自身も思考することができません。神経細胞の中を流れる伝達物質が動けないからです。

(3)ブラックホールに落ちる物質と、停止した時間

 また、もし、ブラックホールの表面では時間が止まってしまうのなら、ブラックホールへ落ち込む物質は、ブラックホールの表面で時間が止まってしまうので、動けなくなってしまいます。ブラックホールの表面に落ち込んだ物質がそこに溜まって身動きとれなくなってしまいます。これも変な状態です。

(4)重力の伝達

 相対論では光より速いものはないということから、重力の伝導速度も光速であるということです。ブラックホールの重力も1秒間に30万km伝わるということです。すると、0秒間には0kmしか伝わらないということになります。ブラックホールにある物質はみんな中心の1点に集まっているということのようです。中心の物質から表面まで、時間が止まっている空間を、どのようにして重力は伝わるのでしょう。

結論

 あちらを立てればこちらが立たず。こちらを立てればあちらがたたず、です。これはブラックホールでは強い重力のために時間が止まる、という考え方が実際の現象とは異なっていることから起こっています。現象と理論が違っているときは、理論を修正しなければなりません。その修正が、{ブラックホールの表面にある発光装置に近づけば,時間は通常どおりに流れています}ということになったのではないでしょうか。それでもやはり矛盾は出てきます。

実際の現象と異なったのは、重力は時間を遅らせるという考えが間違っていることから起こっています。高層ビルには、過去人、現在人、未来人が同時に住んでいるとか、数千年過去の太陽から出た光が8分後地球に届いているということとかがおこってしまうのもそのためです。

太陽も、地球も高層ビルの人も、現在同一時刻に存在しています。銀河系の中心のブラックホールも他の銀河系の星と同一時刻に存在しています。それが観測事実です。観測事実と理論が矛盾するときは、理論が間違っているということです。それが科学です。宗教は観測事実と矛盾しても大丈夫です。神様が言っているのだから、と言っていればいいのですから。アインシュタインが言っているのだからという相対論は、科学というより、宗教に近いものだということです。

時間は速度や重力とは関係なく一定速度で動いているとすると、何の矛盾も起こりません。これなら観測事実と一致します。