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タイムトラベルと双子のパラドックスについての疑問10
(「Newton7,2017」ニュートンプレス)
著者 田 敞
(以下{ }内は、上記本よりの引用)
問題
{空間のゆがみ(重力)によって,光が曲がる}
アインシュタインや相対論者は、これが重力によって空間が曲がっていることの証拠である、と言っている現象があります。それについて考えてみます。
@ エディントンの観測
A 重力レンズ
考察
1 @エディントンの観測
彼の観測には観測値にばらつきがありました。
この理由はさまざまに言われています。
(1)相対論者の見解
@ 観測値は観測誤差があった
実験、観測に誤差はつきものであるからもっともな意見です。一般相対論の効果ならばらつきがあってはならないのにばらつきがあるのだから、誤差とするしかありません。当時の観測機器と技術では正確に測ることはできなかったという意見さえあります。ほぼ全否定です。
問題は、相対性理論の予想と違った観測値が出たので、観測値が間違いであると結論づけたことです。普通の科学では、理論と観測値が違った場合、理論の方も検討し直します。この場合、相対論は絶対正しいという大前提に立っていることから、観測を間違いだとしています。これは正しい科学の方法ではありません。科学なら双方を検討し直さなければなりません。
A アインシュタインの予測した通りの観測結果が出た。
このような意見もあります。しかし、この人は、観測値のばらつきを考慮していません。
この人はエディントンの観測値のばらつきを知らないか、一般相対論ではばらつきが出ると考えているか、あるいは、知っていても20世紀最大の天才が言っているのだから絶対正しい観測値が出た、と思い込んでいるかのどれかでしょう。どれにしろ間違った考えです。
B @、Aの考察
重力によって空間が曲がり、それによって光が曲がるなら、ばらつきがあってはならないはずです。
太陽の重力が瞬時に変化して、空間の曲がりが瞬時に変化するならばらつきがあってもおかしくはありませんが、太陽の重力が光の進路を変化させるほど瞬時に変化することはないので、星の見える角度の観測値は一定にならなくてはならないはずです。
C 結論
アインシュタインの予測した通りの結果が出たという意見は、完全な間違いです。また、誤差としたら、それを持って重力は空間を曲げるという実証ができたということはできません。
また、エディントンの観測値が誤差であるという証拠は存在しません。検証せずにアインシュタインの理論と違う観測値だから誤差としたということも考えられます。正確なのか、誤差なのかの検証はなされていません。検証なしに理論と違うから誤差と決定するのは科学の方法ではありません。空間が曲がっている証拠にするためには、観測値が正確である、という見解であっては困るということは言えます。
アインシュタインが絶対に正しいから,それと異なる観測値が出たのだから、観測値は誤差であると結論したとしたら、単なる、権威主義にしかすぎません。科学の方法ではありません。
(2)私の見解
@ 観測値は正確であった
エディントンの観測した星の光は、太陽大気による屈折現象である、と考えると、観測値のばらつきは矛盾なく説明できます。
ア 根拠
・ エディントンの観測した星は太陽コロナの中に写っている。
これは、この星の光が太陽大気の中を通ったことを示しています。
・ 気体は光を屈折する
この現象は地球上で観測されています。
蜃気楼、逃げ水、等いろいろな現象として日常的に観測されています。
特に、星のまたたき現象は、エディントンの観測結果と同じ現象です。この現象は、地球大気の乱れ(風等)によって空気の屈折率が変化するために起こります。
太陽大気は地球より激しく乱れているはずです。したがって、太陽大気の屈折率も瞬時に変化し、星の光のまたたき現象が起こると考えられます。
(3)科学の方法
l 理論と観測が異なるときは、観測を否定するのではなく理論も考え直さなくてはならない。
l 科学なら、理論に一番不都合なことを真っ先に取り上げて検討しなければならない。この場合、エディントンの観測値が正確であったなら、ということである。検討もせずに、アインシュタインの理論と違うから誤差である、と否定するのは科学ではない。
l 既成の実証された理論で説明できる観測値を、新しい理論の実証には使えない。エディントンの観測は大気による星のまたたき現象として過不足なく説明できる。したがって、新しい理論である、重力は光を曲げるという理論の証拠には使えない。
(3) 結論
このことから、エディントンの観測は、太陽大気によって星の光が屈折したのを観測したといえます。重力による空間の曲がりのためではないといえます。
大気による光の屈折は、地球上で多数観測されています。それも身の周りで普通に見られている現象です。一方、重力による光の曲がりは他に観測された例がありません(重力レンズは後述)。
エディントンの観測は、理論もあり実証もされている大気の屈折現象で過不足なく説明できるのだから、この観測を重力による空間の曲がりの実証には使えません。
相対論者は一番不都合なことを真っ先に取り上げて、検討しなければならないという科学の方法論をもう一度考えなくてはならないのではないでしょうか。特にエディントンの観測は誤差であるとか、アインシュタインの予言どおりであったという考えは、単なる権威主義にしかすぎません。科学の方法ではありません。
2 重力レンズ
銀河や銀河団による光の曲がりが観測されています。この現象が、相対論者がいっているように、空間の曲がりから起こっている現象であるかを考えてみます。
なぜなら、これはアインシュタインの予言どおりだということで、エディントンの観測と同じように科学的検証が行われていないふしがあるからです。
銀河は、星などで見える範囲よりはるかに外側まで大きく星間ガスが広がっているのが現在観測されています。巨大な星間ガスの中に銀河がどっぷりとつかっています。大きなガスの固まりです。ガスのレンズが宇宙空間に浮かんでいるようなものです。
したがって、この中を通る光は気体による屈折現象を起こすはずです。
また、銀河団も、全体がすっぽりとガスの中に埋もれているのが観測されています。やはり大きな気体のレンズが浮かんでいるようなものです。この中を通る光はやはり屈折するはずです。
銀河も、銀河団も、宇宙に浮かぶ巨大な気体のレンズです。必ず光は屈折しているはずです。
結論
このことから、重力レンズも一般相対性理論の実証にはなりません。それを言うためには、重力レンズ現象が、宇宙に浮かぶガスの屈折ではないという証明をしなければなりません。しかし、宇宙空間のガスは水素を中心としたガスです。そこを光が通れば光は必ず屈折するので、その証明は無理だと考えられます。反対に、重力で空間が曲がったためではないという結果が出るだけでしょう。
これもやはり理論も実証もされている既成の現象(気体による屈折現象)で過不足なく説明ができます。新しい理論(一般相対性理論)の証明には使えないというのが科学の方法論です。
3 重力波
重力波は、ブラックホールなどの衝突で、質量が急激に変化して、空間が、水に投げた石による波のように揺れて伝わってくるということです。しかし、これも、相対論が正しいという前提での考え方です。相対論でなくてはならないということではありません。
もし、質量が急激に変化したら、万有引力もそれに対応して急激に変化するはずです。すると、万有引力の強弱が伝わってきて、万有引力波となって、検査機器の長さに変化を与えることも可能です。
このことから、重力波と言われているものは、万有引力波である可能性もあるので、この観測からは、重力は空間を曲げるということの実証にはなりません。それをいうためには万有引力の強弱の波ということを否定しなければなりません。
ところが、アインシュタインの言うとおりだ、ということで、他の理由を考えさえしていません。それを否定する考えは一切取り上げません。科学の方法論としては間違いです。
結論
アインシュタインの言うとおりだということで、他の見解を無視するのは、単なる権威主義です。権威主義は科学を間違いに引き込む大きな原因の一つだということは科学の歴史が示しています。