双子のパラドクス目次 | 重力の正体は空間のゆがみですか? | 空間のゆがみの証拠の検討 | メッセージ |
タイムトラベルと双子のパラドックスについての疑問9
(「Newton7,2017」ニュートンプレス))
著者 田 敞
(以下{ }内は、上記本よりの引用)
{一般相対性理論は,重力の正体を「空間(時空)のゆがみ」だと説明します。}と
{重力源を中心に空間がゆがむことで,まるでくぼみに物が落ちていくように,重力源に引き寄せられる(重力が働く)というわけです。}の違い。
問題
「空間のゆがみ」と「重力源」
重力とは何かについて、ここには二つの重力が出ています。ひとつは、重力の正体は「空間のゆがみ」という重力と、もう一つは空間のゆがみの中心にある「重力源」という重力です。
考察
前章で書いたように、空間のゆがみだけでは物質は動きません。物質が動くには、エネルギーがいります。ゆがみだけではそのエネルギーがありません。そこで、苦肉の策として、「重力源」なるものを登場させたのでしょうか。しかし、アインシュタインは、空間のゆがみそのものが重力であると言っていて、ゆがみの中心に重力源がありそれが引っ張っているとは言っていません。
この本の主張はその意味で相対論から逸脱しています。
この重力源は万有引力と同じものです。物質同士が引き合う力なのですから、ゆがみに落ちていく重い力「重力」ではなく、物質同士が引き合う力「万有引力」です。
重力源があれば、空間がゆがんでいなくても物質は引き合います。万有引力の法則です。
結論
相対性理論がどんなに素晴らしくても、物質が動くためにはエネルギーがいります。ゆがみにはエネルギーがありません。空間がゆがんでいても、それだけでは物質は引き合いません。
問題2
{まるでくぼみに物が落ちていくように,重力源に引き寄せられる(重力が働く)というわけです。}
考察1
{重力源に引き寄せられる}というのは、万有引力と同じ現象です。窪みがなくても重力源があれば物は地上に落ちます。空間はこれを曲げたり止めたりすることはありません。空間の抵抗はなく、物は地球に引っ張られくっつきます。重力が空間の抵抗だということかもしれません。しかし、物質を空間が押したり引いたりしていることはありません。今のところ空間そのものが物質のような何かが存在するということは観測されていません。なにもないものが曲がったり、物質を落としたりするということは考えられません。重力源がひっぱれば、空間のゆがみがなくてもなにもない空間を抵抗なく物は落ちます。空間(時空)のゆがみと物が落ちることは無関係だということです。
考察2 {まるでくぼみに物が落ちていくように}
ニュートン以前は、物は重いから落ちると考えていました。窪みがあると、物は重いからくぼみに転がり落ちると考えました。地球と引っ張り合っているからとは考えませんでした。物には重いという性質があってそれゆえに落ちるということです。アインシュタインでは、これが、物質は「重い」から{空間(時空)のゆがみ}に落ちるになるわけです。「重い」から落ちる現象が重力ということです。「重い」から空間(時空)をゆがませる。すると、そのゆがみに落ちるというわけです。引っ張り合うのではなく、物質おのおのが作ったへこみに重いから落ち合うのです。これがアインシュタインの「重力」です。中心に重力源はありません。もちろん引力はありません。
アインシュタインの空間がゆがんでいると、重力が生まれるというのはその考え方です。だから「重い力」、「重力」になります。
ところが、物質を動かすには必ずエネルギーが必要です。しかし、「重い」、にも、「ゆがみ」にも力はありません。「重い」は動かしにくさはあっても、自ら動き出す力はありません。ゆがみも、ただゆがんでいるだけです。地球上の窪みは引力があるから上下があり物が落ちますが、引力がなければくぼみがあっても物は落ちません。空間にゆがみがあっても、重力源の引っ張る力、あるいは、物質に落ちる力がなければ物は落ちません。しかし、アインシュタインはそういう力があるとは言っていません。したがって、「重い」と「ゆがみ」が組み合わさっても、それだけでは物質は動きません。そこでこの本では、仕方なく重力源なるものを言い出したのでしょうが、それは、アインシュタインの考えではありません。勝手に誰かが付け加えた考えです。そして、それはニュートンの万有引力の考え方です。物質には引き付ける力がある、という考え方です。引力があれば、空間(時空)がゆがもうが真っすぐであろうが、関係なく、引力だけでくっつきます。そして跳ね返ります。
結論
重力源なるものを勝手に持ち出して、重力源が引っ張っては、万有引力になってしまいます。相対論ではなくなります。