ヒッグスの海ってあるの?目次 | 質量は動きにくさでいいの | ヒッグスの海と宇宙の大きさ |
ヒッグス粒子への疑問4
著者 田 敞
参考図書
「図解雑学よくわかるヒッグス粒子・広瀬立成・ナツメ社」
「ヒッグス粒子の発見・イアン・サンプル・講談社」
(以下{ }内は図解雑学よくわかるヒッグス粒子。[ ]内はヒッグス粒子の発見よりの引用)
問題
ヒッグスの海とヒッグス粒子の存続時間
[ヒッグス粒子は、捕まえるのが厄介な怪物だった。非常に不安定で、たった10−22秒しか存在できない]
[ヒッグス粒子の質量が軽ければ、ガンマー線となって消え去る可能性が非常に高い]
[ヒッグス粒子がそれよりも重いのであれば、科学者たちは4つのレプトンが残した痕跡を探すことになるだろう]
これらと、{真空はヒッグスの海である}ということを考えてみます。
考察
{真空はヒッグスの海である}ということから、この宇宙には膨大なヒッグス粒子がつまっていることになります。ところが、そのヒッグス粒子は10−22秒で崩壊して、ガンマー線かレプトンになってしまうというのが科学者のいうヒッグス粒子の性質です。そして、LHCで、レプトンが実際に観測されたということです。
すると、真空をヒッグスの海にするには、ヒッグス粒子が次から次に、それも、この宇宙全域のすべてのヒッグス粒子を10−22秒ごとに作り続けなくてはならないことになります。1秒間に1022回ヒッグス粒子を作るということです。蛍光灯のまたたきなんてものではありません(蛍光灯もまたたいているのです)。蛍光灯のまたたきさへ認識できないのに、これではとても人間では数えることもできない回数です。非常に滑らかにレプトンが現れ続けているということです。それが全宇宙空間で行われているということです。驚きです。驚きを超えています。
いったいどこで作られているのでしょう。できてもほとんど移動する時間がないから、その場で作るしかないことになります。宇宙のすべてのミクロな空間がヒッグス製造の場所になります。
空間はどのような方法でヒッグス粒子を作っているのでしょうね。人間が作るときは、LHCというすごい加速器を使って、ものすごい電気を使って作っているようですけど、真空は発電所も持っていないし、加速装置も持っていないようなので(星や銀河などは、電子や陽子を加速するのは朝飯前のようですが、真空となると、そのエネルギー源はありません。量子の揺らぎではあまりにもエネルギーが小さすぎます。太陽と、バクテリアの違い以上の違いがあります)、どうしているのでしょうね。
私たちの目の前でも、まるっきり見えも感じもしないけれどヒッグス粒子製造がおこなわれているということです。LHCでやっとこさ作ることができる粒子を、10−22秒ごとに作っているのです。どうして見えないのでしょうね、感じないのでしょうね。
他にも問題があります。崩壊したヒッグス粒子からレプトンがつくられるということですから。宇宙は10−22秒ごとに、次々にレプトンを作っているということになります。宇宙は一瞬でぎっしりレプトンがつまることになります。もういっぱいだからいらないといっても、レプトンは後からあとから10−22秒ごとに作り続けられます。レプトンはどこにいればいいのでしょう。ぎゅう詰めで、居場所などないでしょうに。
もちろん、地球上や地球の中でも、ヒッグス粒子が生まれては崩壊してレプトンになっています。それが、瞬時に繰り返されるのです。すると地球はそれらであふれてしまうことでしょう。あふれるどころではありません。あっという間もなく地球は何百万倍にも膨れ上がるでしょう。
結論
地球ではそれらのレプトンは観測されていません。もちろんLHCの観測機器もこの現象を観測していません。LHCの中にもヒッグスの海があることになっているのだから、自然に存在するヒッグス粒子がLHCの中で崩壊してレプトンを無数に生んでいるはずです。
何万もの他の粒子(バックグラウンド)から区別してちょっとだけ生成したあるいは叩きだしたヒッグス粒子の崩壊した後にできたほんの少しの粒子を観測できたというのに、ヒッグスの海が崩壊して作る、無数の粒子は観測していません。
陽子の衝突でできるヒッグス粒子よりはるかに多いはずの自然界のヒッグス粒子の崩壊は観測できない。このことは地球上にはヒッグス粒子はないということを示唆しています。また、宇宙にもそのような現象はないということが言えます。すなわち{真空はヒッグスの海である}というのは少なくとも現在には当てはまらないということです。