宇宙物理学者が解きたい12の謎について目次 | どうしても解きたい12のなぞ2 | どうしても解きたい12のなぞ4 |
「宇宙物理学者がどうしても解きたい12の謎」(スティーブン・ウエップ、松浦俊輔訳、青土社)3
著 田 敞
(以下{ }内は上記本からの引用)
インフレーションの速度
・ {インフレーションはビッグバンからおよそ10−36秒後に始まり、やはりビッグバンからおよそ10−33秒後に終わった。}
・ {駆け出しの宇宙はごく短い間、指数関数的な膨張、つまりその体積を少なくとも1078倍に増やした一瞬の猛烈なインフレーションを経た。}
・ {つまり空間そのものが、ある意味で光速よりもはるかに速く膨らんだのだ。この現象は一般相対性理論で許容されている。それに対して、特殊相対性理論によって課せられる「局所的」速度制限―光速が上限―にしたがわなければならないのは、空間の中にある物質だ。}
考察
{この現象は一般相対性理論で許容されている}かもしれないが、10−36秒から10−33秒の間に体積を少なくとも1078倍に増やすことが現実世界の中でできるのだろうか。こんなことができるなら、宇宙から不可能という文字がなくなり、神様だって出番はなくなるのではないだろうか。一般相対性理論で許容されているかもしれないが、相対論以外で、この現象を証明できる物理理論はあるのだろうか。
(こんなことを許容する一般相対性理論とは何でもありの理論ということにもなる)
1 現象の短さ
10−36秒後とか、10−33秒後とかの話である。どのようにスイッチを入れ、どのようにスイッチを切ったのか。
これらの説明はない。かってに起こってかってに終わったのだろうが、その物理的説明が必要である。これは「謎」しかない。すなわち科学的根拠はないということになる。
なぜこんなに短時間なのか。始まったとたんに終わっているのである。この間の時間は、人間が持っている一番短い時間を測れる原子時計でもとても計れないほど短い。
その短時間で宇宙最大の現象が起こっている。全宇宙が1078倍に膨らんだというのである。打ち上げ花火が爆発して広がるのなど比べ物にならない。原爆の爆発だって、とても比べ物にならない。超新星を1000万個集めても到底及ばない爆発だ。光だって追いつかないのだから。10の8乗で1億倍だ。すごいことだ。10の12乗で1兆倍だ。それだってとても間に合わない。0が78個もつくのだ。この短時間にそれが起こったというのだ。
言うは易しである。{10−36秒後に始まり、やはりビッグバンからおよそ10−33秒後に終わった}というけれど、その時間に反応できる現象はあるのだろうか。原子時計の原子の振動だって、1往復どころかその100000000000000000000000分の1往復くらいしか動けないのだ。それなのにその間に全宇宙が1078倍に膨張するというのだから、まあ、奇想天外×1078倍くらいの出来事と言えるだろう。
指数関数的膨張といっているけれど、全宇宙の物質を空間もろとも指数関数的に膨張させるエネルギーとシステムは科学的に説明できているのだろうか。説明の代わりに得意の「謎」が出てくるのだろう。これは、言葉だけの、中身の無い、かっこいいだけのキャッチフレーズにしかすぎないと言える。キャッチフレーズだけ、というのは「謎」ではない。インフレーションは、今証明されている物理学のどの理論にも反する現象である。科学的に不可能な現象である。科学的中身はないといえる。中身がないからキャッチフレーズだけといえる。
ついでに、「ニュートン別冊宇宙無からの創生」ではインフレーションの終わりは10−34となっている。この本の10−33とは、まあ大差ないようだ。たった0一つだ。
1と101は9の違いだ。101と102では違いは90だ。108と109では違いは9億になる。たった8乗と9じょうの0一つの違いなのに、実際は大きく違う。では10−33と10−34ではどれくらい違うのだろう。9に0が33個並ぶ違いがある。巨大な違いだ。といっても分数だから、どちらにしろ人が到底測ることができない短い時間ということには変わりないから、どちらでもいいのだろう。でも、9に0が33個も並ぶ違いがどちらでもいいのだから、この数字が非常に適当に決められた数字であることには変わりがないようだ。
2 宇宙の大きさ
このときの宇宙の大きさは書いていない。なぜだろう。
始まりの大きさが分からない。終りの大きさも分からない。膨張速度も特定されていない。ないないづくしである。
ある人は、10センチメートルまで大きくなったと言っていた。ある人は、今の宇宙よりも大きくなったと言っていた。これもまるっきり適当である。インフレーションがどんぶり勘定であることがよくわかる。いや、我が家とトーキョードームが同じ大きさだというよりはるかの75乗くらい違っているのだから、どんぶり勘定どころではない。1078倍の答えが、10センチと、この宇宙より大きいというのだから、10センチから、半径138億光年の間のどの値を取ってもいということになる。好き放題の値を取ってもいいということだ。すなわち、まるっきり無意味な数であるということだ。まあ、SFならぴったりの現象(幻想)でしょう。
3 速度
全宇宙を{光速よりもはるかに速く膨ら}ませたのだ。それも、1瞬よりもはるかに短い時間で光速よりもはるかに速い速度に加速している。すごい加速度である。どこからそのエネルギーは出てきたのだろうか。その加速のシステムと共に、もちろん「謎」なのだろう。
また、光速よりもはるかに速い膨張を瞬時より短い時間で止めている。どうやって止めたのか。その止めるエネルギーはどこから生じたのか。その減速のエネルギーもシステムももちろん「謎」である。
また、3トンの庭石を考えてみよう。これを音速に加速するにはどうすればいいだろう。ジェット機に積んで飛ぶしかない。それでも、音速になるのに1分はかかるだろう。光速に加速することは今の人にはできない。加速機の中の陽子でもせいぜい光速に限りなく近い速度にしかできていないのだから。それも一瞬ではできない。時間がかかる。顕微鏡でさえ見えない小さな陽子でさえそうだ。庭石を光速に加速するなど、とてもできない相談だ。
では富士山はどうだろう。これを一瞬で音速に加速することはできるだろうか。光速ではどうだろうか。今の人間には不可能である。地球を一瞬で光速に加速できるだろうか。不可能である。
ところが、インフレーションでは全宇宙の物質を一瞬より速く0から光速に加速したという。どうやるのだろう。
その時、やがて庭石になる物質もその中にあったはずだ。富士山になる物質もその中に入っていたはずだ。庭石も、富士山も光速をはるかに超える速度に一瞬より短い時間で加速されたという。地球はどうだろう。地球になる物質もその中に入っていたはずだからやはり光速をはるかに超える速度に一瞬より短い時間で加速されていたはずだ。不可能だろう。それどころではない、太陽10個分の物質も一瞬で光速をはるかに超える速度に加速し、一瞬で減速したというのだ。それどころではない、太陽1000億個分の銀河系になるはずの物質も光速を超える速度に一瞬より短い時間で加速し減速したというのだ。ありえることではない。言葉でいうのは簡単だ。地球の10258倍の物質を10−123秒で、指数関数的な膨張で光速の1024倍に加速した、と私でも言える。簡単である。もちろん、これには科学的根拠は何一つない。ではビッグバン論者の言う、{駆け出しの宇宙はごく短い間、指数関数的な膨張、つまりその体積を少なくとも1078倍に増やした一瞬の猛烈なインフレーションを経た。}には科学的根拠はあるのだろうか。そのシステムは?そのエネルギーは?科学として証明された理論はなにもない。科学的根拠がないのは私のたわごとと何一つ変わらない。私のが何の科学的根拠もないからたわごとなら、インフレーションも何の科学的根拠もないから、たわごとになる。インフレーションが正しければ、私のも正しくなる。科学的根拠では同等なのだからそうなる。違いは、私は自分の意見が嘘だと考えているが、インフレーション論者は、本当だと信じているということが違う。立派な科学者が信じているからインフレーションは正しいという、偉い人が信じる信じないが、事実か否かを決めるなら、科学などいらない。信じるものは皆救われるの世界で十分だ。
ビッグバン論者のいう理由はなんでしょう
一つは、ビッグバンの3つの難点を解決できる、といっています。でもこれは、難点の解決のために、作り上げたビッグバン論者の願望だということになります。インフレーションの科学的根拠にはなりません。
後はなんでしょうか。偉い複数の科学者が一生懸命考えてたどり着いた結論だ、あなたのは素人の出まかせだという考え方もあります。たぶんこれがいちばん多いのではないでしょうか。この本でも、インフレーションを考えた複数の人の名が出ています。でもこれも科学ではありません。科学は名声や、多数決で決めるものではありません。それらはかえって真実を見誤らせる結果になってきたのは、科学の歴史を見れば分かります。
10−36秒が正しいという根拠は「謎」であるのは変わりません
その例が、{およそ10−36秒後に始まり、・・・}の{およそ}です。彼らにとって{10−36秒}が{およそ}なのです。人間が測ることができない、非常に短い時間が{およそ}なのです。オリンピック競技の時間は、10−2秒で確定です。国際的には現在の時間はセシウムの原子時計を基準にしているといいます。セシウムの振動の91億9263万1770倍の時間が1秒だそうです。9.192631770×109です。それで確定です。インフレーションの時間の桁と24桁違います。{10−36秒}が{およそ}であるわけがありません。なぜ{およそ}かというと、−36乗だからです。巨大な数字です。1億分の1や、91億9263万1770分の1は誤差の範囲です。それが{およそ}なのです。実際の現象は、だれにも測れないあまりにも短い時間なのにおよそなのです。なぜそうなるかというと、実際を見ないでコンピューターの中の{10−36秒}という数字だけを相手にしているから{およそ}になるのです。机上の数字いじりです。だから、−36乗が、−37乗になろうが、−35乗になろうがどちらでもいい数字なのです。ただ人には判断できないこけおどしの数字をいっていればいいだけなのです。これもインフレーション論がいかに机上の空論かがよくわかる事象です。
結論
{10−36秒}の物理学の根拠はあるのでしょうか。実証はあるのでしょうか。謎しかないのではないでしょうか。