夢の桂小枝ツア〜?1日目

1996年6月11日


「大阪3泊4日の旅」のパッケージツアーを一人で申し込み、
いざ大阪へ。
やたらと揺れる飛行機と、初のひとり旅への不安とで、
心臓はドキドキしっぱなしでした。


 関空に着いて一言目は、「あ、暑い.....!」。
本州には「梅雨」というものがあることをあまり考えていなかったので、
胸が圧迫されるような湿度、ジットリ感に一瞬でヤラれてしまいました。
例えるなら、裸の上からビニールの合羽を着てサウナに入っているみたい...。


 関空から、まずはホテルのある梅田へ移動しなければなりません。
「快速」という文字に安心しきって乗ったJRの所要時間がわからず、
やきもき、やきもきしながら大阪駅を目指しました。
しかし、電車は天王寺駅停まり。

乗り換えはどうしたらいいの?
どうやったら大阪駅までたどり着けるのー?
NGKのこえぴょんの出演時間に間に合うの〜〜?!

かなりハラハラしながら、何とか乗り換えもして、大阪駅に着きました。


 ホテルに着いてチェックイン。
何がどうなるかわからないけれど、
ABCの向かいにあるこの「ホテルプラザ」に泊まっていれば、
もしかしたら収録のためにABCに来た小枝さんと
ばったり会えるなんてことも....などと妄想を膨らませ、
予約したホテルでした。


 部屋に着いてひと休みする間もなく、大慌てでタクシー乗り場へ。
あらかじめ調べた、NGKの小枝さんの出演時間まで、
もうあまり時間がないではないですか!
何しろ初めてだったので、どうやってNGKへ行けば良いのかわからず、
タクシーに乗ってしまったのですが、夕方近くの混んでいる時間帯。
なかなかタクシーは進まず、運転手さんは笑顔で

「空いとったら、15分で着くんやけどなぁ〜。」

なんて言っています。
限られた滞在日数の中の、限られた小枝さんの出番!
何が何でも逃すわけにはいかず、私は泣きそうになりながら

「早くー。早くぅー。」

と後ろの座席から念力を送っていました。
「ここから先はタクシーでは進めないので」という所で降ろしてもらい、
運転手さんに教えてもらった道を全力疾走。

「ここが憧れのなんばグランド花月」!

なんて感慨に浸っている間もなく、
あわあわしながらチケットを買い、座席へ。


 舞台を見ると、そこには、すでに小枝さんの姿が!!
わたしには後光が射しているようにも見えたかもしれません。
1階席は満杯で、2階席に移動して小枝さんをジッ.....と見つめました。


小枝さん高座
緊張のあまりボケボケになってしまった写真。



「あぁ、わたしは小枝さんをこうして見るためだけに、
 大阪に来たんだー。」


と、やっとホッと一息つきました。
でも、舞台と2階席の間の距離が、何とも切なかったのです。


 小枝さんの出番は終わり、わたしは表へ出ました。
新喜劇も見てみたかったけれど、札幌から持ってきたお土産を、
何とかして小枝さんに渡したいと思ってたのです。
でも、どうして良いのやらわからず、
どこが小枝さんが出入りするところなのかも知らなかったので、
お土産を握りしめたまま、辺りをウロウロ、ウロウロ。


 結局、小枝さんに会うことはなく、
嬉しさと寂しさが入り混じった気持ちでホテルに戻り、
夜には買っておいたお弁当を、もさもさとひとりで食べたのでした。