プロローグ

 わたしが小枝さんのファンになったのは、確か1995年のこと。
探偵!ナイトスクープを毎週見るようになってから、
小枝さんのことはちょっとずつ気になっていたのですが、
小枝さんへの思いを決定的にしたのは、
「目を開けたままクシャミはできるか」という小ネタでの
小枝さんの姿でした。
 涙を流して鼻をチリ紙でツンツンしながら、ヒーヒー言いながら
必死で目を開けたままクシャミをしようとするそのお姿に、
お腹がよじれる程爆笑し、同時に

「なんて素敵な人なのー?
 桂小枝さんて、どんな人なんだろうー?」


と思ったのがきっかけです。
その年から、ちょこちょことファンレターを出すようになりました。
月に一度は書いていたでしょうか。


 年が明けて、2月の末頃。
見なれない消印のハガキが届きました。
何だかかわいらしい、筆ペンの字。


小枝さんおたより



 小枝さんからのファンレターのお返事に、
すっかり舞い上がってしまったわたしはその頃から

「一度でいいから、小枝さんに会ってみたい。
 小枝さんが暮らしている大阪というところに行ってみたい。」


と思うようになりました。


 大阪....その頃のわたしにとって、
関西はまるきり外国のような感覚でした。
ほとんど北海道から出ることなく過ごしてきて、
特に今までも大阪に行きたいと思ったこともありませんでした。

「どんなところだろう....?
 みんな大阪弁で喋って、たこ焼きとか食べて、
 毎日、吉本のお笑い番組を家族で見て、
 阪神タイガースの応援に熱心なんだろうか....。」


位しかイメージがわきませんでした。
小枝さんの活動の拠点である大阪に、行ってみたい気持ちと、
正直、ちょっと足を踏み入れるのが怖いような気持ちがミックスしていました。


 その頃は、インターネットもまだ日本にはほとんど普及しておらず、
わたしは始めたばかりのパソコン通信で小枝さんに関する情報や、
大阪に関する情報を集め始めました。
そして、小枝さんが関西では知らない人はいない位の有名な方で、
レギュラー番組も何本も持っておられること、昔やっておられた番組のこと、
ラジオの話などを、沢山の関西の人達から教わりました。


 ますます小枝さんに夢中になったわたしは、その年の6月に一人、
本当に大阪へ行ってしまいます。

その時、結婚2年目。

オットを残して一人旅へ....。
(寛大なオットに感謝)


夢の桂小枝ツア〜?は、ここからはじまりました。