ジャスミンの風

                                         
                                           
「羌」を訪ねて敦煌へ−中国シルクロード紀行−14

北 京



 6月9日(水)の朝、9:30にYHをチェックアウト。滞在中対応してくれた夫婦
は言葉はうまく通じなかったが、一所懸命に行き先を教えてくれたりして家
族的な雰囲気で好感が持てた。呼んでもらったタクシーで空港へ向かう。4
年ほど前に新しく営業開始されたという市街地の西10km余りに位置する鉄
道の敦煌駅を通り過ぎて、しばらく進んだ所にある敦煌空港に30分ほどで
到着。殺風景なだだっ広い平地にある真新しい感じの空港はそれほど大き
くはない。6基ほどしか無くてガランとした受付カウンター前の椅子に座って
いると、中国語,英語に続いて日本語の案内アナウンスも流れてくる。ハイシ
ーズンには多くの日本人客が訪れるのであろう。受付カウンターで無事搭
乗券を受け取った時には、2度日程の変更を余儀なくされたという因縁の空
港でもあるので、「これで何とか帰れそうだ」という思いでホッとした。搭乗口
のある待合室にもこじんまりした土産物店とコーヒーショップがそれぞれ一
店ずつあるのみ。100mほど先のエプロンに停まっている機体まで歩いて搭
乗。機体の向こう側には低い山々が連なっているのが見える。


[敦煌空港ターミナルビル]



[窓外は一面の土漠]
 日本人らしき人は見当らなくて、乗客は半分程度。定刻の10分前の11:
35に離陸。窓際の席に移って窓外を眺める。左側には所々オアシス混じ
りの砂漠,右側には雪を被った祁連(キレン)山脈の連なりが見える。やがて
黄茶色の砂漠景色に変わりそれが延々と続く(ゴビ灘だろうか?)。中国国
土の広大さを改めて実感する。機内食はチキンライス+パン。久し振りのラ
イスはおいしかった。定刻20分前の14:15に北京首都国際空港着。奇抜な
デザインの新しい空港である。空港快速と地下鉄2号線を乗り継いで(地
下鉄の扉が開くと、降客が降りる前に乗客がわれ先にと乗り始める)、和平
門駅で下車。辺りは書画等を扱う店の集まる地区のようで少し迷ったが、
16時過ぎに小さい通りの角にあるYHを無事探し当てる。

 チェックイン後、早速歩いてそれほど遠くない天安門方面に出掛ける。北京の街には2連バスと自転車が混交して走っている。物乞いの屯する地下道にはX線に拠る荷物のチェックポイントがあり、階段を上がると天安門広場に出る。内外の多くの観光客で混雑するだだっ広い広場の向こう側には、車の行き来する長安街を挟んで、毛沢東の大きな肖像画の架かった巨大な天安門が見える。広場のあちこちに衛兵が立っていかめしい顔つきで監視している。奥の方には若い衛兵を訓練している光景もあった。その長安街をさらに東に進んで、北京の銀座と呼ばれる繁華街「王府井大街」へ向かう。500mあまりの区間が歩行者天国となっており、両側にはバーゲンセールをしている宝飾店や数多くのレストラン等がネオンをちらつかせている。一歩横町へ入ると、提灯を模した電灯を点けた屋台食堂が何十軒も並んでいる。風があって涼しい。至る所にベンチがあって至便である。地下街で夕食を摂って帰途につく。通りかかった天安門はライトアップされて、前の広場は遅くまで賑わっているようである。


[天安門広場にて]



[王府井街近くの屋台食堂街]






                                         
                                           


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