ジャスミンの風

                                         
                                           
「羌」を訪ねて敦煌へ−中国シルクロード紀行−7








 少し明るくなってきたところで荷物を担いで歩きだすと、タクシー運
転手が声を掛けてくるが無視。何回か道を訊ねながら迎賓西路,勝
利南路と40分ほど歩いて、街中のバスターミナルに到着。14:30発
の敦煌行きのバス・チケットを購入する(約980円)。ここ嘉峪関はか
の万里の長城の西の終点と称される地点で、バスターミナル前に居
たタクシーの女性ドライバーと交渉して、チャーターで3ケ所の遺跡
めぐりをすることにする(≒2,100円)。先ずは西北方8kmほどの所に
位置する「懸壁長城」に赴く。平坦な野っ原の中の一本道を15分ほ
ど走った所で下車。明代に築かれたという長城は小高い尾根筋を
ウネウネと曲がりくねりながら上へと続いていく。一番高い所に見張
り台のような建物が見える。そこへ登る途中からは、向かいの山に
登っていく龍の背のような別の長城がはるかに見通せる。アップダ
ウンの続く長城を喘ぎながら頂上まで登ると、黄褐色を呈する浸食
された山肌のはるか彼方に、青く澄み渡った空をバックに雪を被っ
た祁連(キレン)山脈の連なっているのが眺められる。素晴らしい気持
ちの良い眺めである。


懸壁長城1



懸壁長城2


雪を被った祁連山脈




北大河の絶壁(長城の最西端)
 一時間近く眺望を楽しんだ後、今度は「万里長城第一とん」を訪ねる。とんは物見台という意味で、北大河の絶壁で長城がプッツリと途絶えてしまう場所である(長城の最西端)。一部工事中だったが、感慨深い地点でもある。次いで長城の西端の関所'嘉峪関'に向かう。天下第一雄関とも呼ばれる高さ11mの城壁に囲まれた広大な要塞で、東西に2基の高さ17m ,3層の大きな楼閣が建てられている。この要塞からは背丈の低い長城が土漠の中を遠くまでうねって続いているのが見渡せる。観光用のラクダも数頭待機して座っている。厭が応でも地の果てに来たな、という感慨に浸される。そばにある博物館では、万里の長城3,000年の歴史とその意義等の知識を得ることが出来る。また、行き帰りに通る車道は長城の一部を切り取って通っていて、土を突き固めて造られたその断面をかい間見ることが出来る。




嘉峪関にて


嘉峪関から延びる長城跡




道路で分断された長城跡


 2時間近く散策した後、正午過ぎにバスターミナルに帰着。隣にある食堂で作り立ての炒
刀削麺を食べる(約85円)。あっさりしていておいしかった。気温28℃で乾燥しているため
か、お茶を何杯もお代りする。居合わせた子供たちの写真を撮ったりしているうちに、バス
出発の時間が迫ってくる。


炒刀削麺



                                         
                                           


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