香港旅行記(3)〜マカオ弾丸ツアー


これまでの旅程。
香港旅行記(1)〜香港夜景編
香港旅行記(2)〜香港ディズニーランド突入編


 7時半に起きたのだが、昨日の1日4食攻撃ですっかり胃が弱ってしまっており、朝食はパス。
 あーもうなんだか起きた早々に疲れたねえ、なんて言いながらも観光できるのも今日1日なので、頑張ってマカオツアーに出発。

 8時半にホテルを出て港に行き、ちょうど祝日ということもあってか、港は大混雑しているなか、なんとかマカオ行きの船に乗り込む。

 マカオ港で入国審査を受けたあと、ついにマカオに上陸したのだが、まだ9月の半ばということもあり、陽射しが強くて暑い。
 ツアーのバスに乗って、まず、世界遺産になっている「マカオの歴史建築群」の代表である「聖ポール天主堂」へ。17世紀初頭にイエズス会の宣教師たちによって建てられた、マカオの代表的な建築物で、写真ではその優美な姿が観られるのだが、この建物、1835年の火災で正面の壁を残して焼けてしまったとのことで、実物は、「壁一枚」なのだ。横からみたらペラペラ。昔、漫画の「銀河鉄道999」で読んだ、「紙みたいな薄っぺらい宇宙人」を思い出してしまった。いや、この壁だけでも、その素晴らしさは伝わってこなくもないことはないのだけれど、正直、ちょっと厳しいよなあ。


左:聖ポール天主堂。しかし、「横からは現地に行かないと観られない、というのは一種のプレミアなのかも…
右:「マカオ」の名前の由来となったといわれている寺院。何が面白いのか僕には不明だったのですが、人がものすごく多かった……



 それからも「ヨーロッパ風の広場(セナド広場)」とか、「ポルトガル人が最初に上陸した場所(ここの寺院の名前が「マカオ」の由来になっているのだとか)」などを巡ったのですが、うーん、観光地としてはちょっと厳しいな、という印象。なかなか風情がある街だとは思うのだけれど、なんだか長崎観光の劣化版みたいな感じです。そういえば、人口45万人だそうなので、街の大きさもちょうど長崎くらい。
 お昼はマカオ料理をバイキング形式で。豚足とか豆の料理とかイワシ料理とかがありました。おにぎりとかもあって、そこそこのお味ではあったのですが、なにぶんにも今回の旅行では慢性的に食べすぎ状態だったため、夜のことも考えて、とりあえず控えめに。

 それから午後は、僕にとってはマカオ唯一のお楽しみであったカジノへ!という予定だったのだが、「希望者はマカオタワーに連れて行きますよ」というアナウンスがあり、y嬢の手前もあって「いや、カジノよりも観光だよ、もう二度と来ないかもしれないしさ」なんて格好をつけてマカオタワーに。

 マカオタワーは最近日本の建設会社によって建てられたそうなのだけれど、現地のガイドさんは「エレベーターがものすごく静かで速い」というのをものすごく自慢していた。タワーの中は、日本の建設会社が関わっていたためなのか、妙な「日本風」のオブジェなどが並んでおり、頭がクラクラする。タワーの展望台はたしかにすばらしい眺めで、下が透けて見えるところもあるのだけれど、高所が苦手な僕とy嬢にとっては、かなりライフの減りが速い空間でもある。「ねえ、今ちょっと揺れたんじゃない?」って、頼むからおどかさないでもらいたい。しかし、このタワーには「タワーの外周を歩ける「スカイウォーク」とか「バンジージャンプ」とかがあって、同じツアーの人が「ぜひやりたい!」と名乗り出ていたのには驚いた。僕の経験上、海外でこの手のバンジーとかをやりたがるのは、圧倒的に若いけれど若すぎない女性が多いのだが、統計学的にはどうなのだろうか。



左:マカオタワー(の一部)。こんな写真しかなくて申し訳ない。
右:タワーの中には、こんな謎の(日本風?)オブジェがたくさんありました。何か壮絶に勘違いされていそうなんですけど……



 マカオタワー観光を終えたあと、カジノで再合流し、30分ほどスロットマシーンで遊ぶ。マカオのカジノというのは、ラスベガスのカジノと比べたら、全体的にカジュアルな感じのようだ。靴を脱いでスロットマシーンに足を乗せてふんぞり返って打っている人がけっこう多い。まだ昼過ぎということでディーラーの中にも暇そうな人が多い。30分では勝負にならない(というか、30分でも勝負のしようはもちろんあるのだが、僕はそんな度胸は無い)ので、少額のスロットでウダウダと遊ぶ。しかし、ラスベガスでも思ったのだが、日本で日常的にパチンコ屋や競馬場などに行っている僕にとっては、カジノというのはややまだるっこしいギャンブルではあるのだ。スロットマシンでは魚群は出ないし、エヴァンゲリオンも発進しない。もし大当たりすれば大金持ちになれるかもしれないが、そういうマシンというのは、けっこうお金がかかるわりにはあたる確率は非常に低い。ポーカーとかブラックジャックみたいなテーブルものは、「目の前の人と直接お金のやりとりをする」ということそのものに緊張してしまうので、ちょっと苦手だ。結局スロットしかやらないのなら、日本のパチンコ屋のほうが面白いのではないか、とすら思えてくる。パチンコでは勝てる金額が(もちろん、負けられる金額も)限界があるし、結果を出すには時間が必要なので、大きな勝負を短時間でやるのなら、カジノのほうが良いのだろうけどねえ。
 欲が無いのがかえって良かったらしく、y嬢とともにスロットで少しだけ勝ち、気分を良くして帰りのバスに。
 帰る途中で、ラスベガスの有名ホテル「ベネチアン」のマカオ進出のポスターを発見。マカオ市内には建設中の建物が多くみられており、中国の経済発展もあって、これからは「東洋のラスベガス化」していくのかもしれない。そうなれば、ラスベガスより日本からは行きやすいのは間違いないので、ちょっと楽しみではある。

 帰りのフェリーでは爆睡し、ホテルに帰って休憩したのちに、タクシーで「南翔饅頭店(なんしょうまんじゅうてん)」の香港支店に。六本木ヒルズにも支店がある(らしい)小龍包で有名な店。やや頼みすぎたものの、確かにスープがたくさんつまった小龍包は美味しく、値段も日本で同じものを食べるより2〜3割くらいは安いだろうというリーズナブルさで満足。やっぱり、地元の人が多い店は違うな。しかし、上海本店に行ったことがあるというy嬢によると、「本店のほうが美味しい、ここのは皮がいまいち」なのだそうだ。おそるべしグルメセレブ女!

 それからホテルの近くに戻り、おみやげをあれこれ探したのだが、なかなか「コレ!」というものがなくて困ってしまう。「ウーロン茶クッキー」とか、「マンゴー饅頭」「亀ゼリー」なんていうのは確かにここにしか置いていないのかもしれないが、試食してみるとかなりキツイ。ネタとしてならともかく……というお味。名物月餅も、美味しいのもあるのかもしれないが、僕が食べてみたのはみんな、ノドにつまりそうなバサバサしたものばかり。しかし、香港まで来てマカダミアナッツとか、ゴディバのチョコレートっていうのもねえ……大都会というのは、意外と土産物が選び難いものなのかもしれない。
 ホテルの近くをしばらく散策して夜景を頭にインプットし、22時にホテルに帰着。部屋のテレビの有料放送で、「Mi:3」を観ようとしたのだが、「日本語メニュー」で説明されていたにもかかわらず「音声は英語、字幕なし」で、15分ほど頑張って観ようとしたものの眠気もあって頭に入らず、あきらめて「アラビアの夜の種族」を少しだけ読んで就寝。


 『香港旅行記(4)〜帰国編』に続きます。