STAGE5>憧れのマシン、その名は「ぴゅう太」!


過去の「画面の告白」は↓からどうぞ
<STAGE1>「まだ『画面』が無かった頃」
<STAGE2>「ゲームウォッチ」との遭遇
<STAGE3>「テレビゲーム」登場

<STAGE4>「カセットビジョン」への複雑な愛情



 内心「ぴゅう太のほうが良かった」なんて思っていたにもかかわらず、遊んでみるとカセットビジョンはけっこう面白かったのです。「きこりの与作」は、あの高速イノシシに何度もやられながら、オノを振り下ろすタイミングを見つけ出すのにはまったし、与作がやられたときに軽快なアレンジの「葬送行進曲」とともに天に昇っていく姿には、友達とみんなで笑い転げたものでした。あのころは、『テレビゲーム』があるというだけで、その家はもう、たまり場確定だったんですよね。「カセットビジョン」の中で僕がもっとも気にいっていたのが、この「ギャラクシアン」なのですが、もちろん、画面はあのナムコの「ギャラクシアン」と似てもにつかないこのゲーム、遊んでみると、ものすごく動きがスムースで敵の動きもトリッキー、テンポも良くて、長い間、僕のお気に入りのゲームでした。

 しかし、「カセットビジョン」のゲームはやっぱりまだまだ全体的には低レベルで、とくにグラフィックは、静止画で見ると辛いものもあり、画面もゲームセンターのゲームに比べたら(そりゃ、比べることそのものに問題があるんだけどね)かなり狭苦しい印象でした。ゲームの内容も、「ベースボール」なんてそりゃあもう今から考えたら凄いもので、ピッチャーは本体のレバーで5種類のコースに投げ分けられるのですが、それぞれストライクとボールがはっきり分かれていて、そのコースによって打ったらどういう方向に飛ぶかというのが、明確に色分けされているのです。このゲームは「コンピューターと対戦して、ひとりで遊べる」なんていうのが「売り」になっていたんですが、なんと、対戦相手のコンピューターは、最初っからバットをグルングルンと振りまわしまくっているのです。こちらがどんな球を投げようがお構いなしに。これはもう「試合」というよりは、バッティングマシンを相手に野球をやっているようなもので、かなりしらけてしまったのを思い出します。だからこそ、任天堂の「ベースボール」をはじめてみたときは、その3D表現に驚き、ファミスタをはじめてみたときは、その「野球の試合らしさ」の衝撃を受けたのですが、それはまた別の話。

 ちなみに、当時僕が欲しかった「ぴゅう太」ですが、これは、「パソコン入門機」のような位置づけで、「日本語BASIC」というのが装備されていました。当時のBASICの「IFTHEN」が「モシ○○ナラバ ××セヨ」というような日本語に置き換えられている、ある意味画期的な試みだったのですが、結局これが主流になることはありませんでした。でも、「ぴゅう太」というのは、当時の僕たちにとっては、もっとも身近な「マイコン」でしたし、「いつかは、ぴゅう太」と、まさにセルシオに乗っているセレブを見るような思いで、僕は「ぴゅう太」を見ていたのです。とくにこのぴゅう太の「スクランブル」(リンク先の画面写真は、PS2用「復刻版」です)のというコナミの横スクロールシューティングの移植版は、「本物そっくりの画面」ということで、あの「ドットというより四角」のカセットビジョンとは雲泥の差だったのです。ほんと、あの頃の僕に「ぴゅう太」を買ってあげていたら、天才プログラマーになっていたかもしれないという気もするんですけどねえ。


 <STAGE6>「『ファミリーコンピューター』の衝撃」へ