木曾へ  
                                                        地図   
阿寺渓谷
(あてらけいこく)

〜 水の色に惹かれて 〜


木曽川に注ぐ阿寺渓谷は
川床の石が白なので、水がエメラルド・グリーンに輝くという

川の流域に集落がないので汚れがない

 私は、日本一透明な水と聞くこの渓谷に行きかった

        

     
                        by 木曽駒さん

窓のカーテンを開けた 今日の青空が約束されたような空だった 樹の間から御嶽もキレイに見えた 天気予報は、昨日も今日も曇り時々晴れだったが、私の木曾への旅を喜んでくれるかのように見事な晴れだ 昨日は1時まで起きていたので、睡眠7時間は要す私は、身体がだるくてあと一時間寝ていたかった それでも、朝食に遅れてしまうので起きだした 

朝食はたっぷりで食べ切れなかった 地元産の山菜料理がことに美味しい・・ 昨夜といい、ここはとても食事がいい ペンションのご主人に見送られて宿をたった これだけのロケーションと料理の腕を持ちながら、この宿は惜しいな、と昨夜の寝苦しいベットや温泉無料券のことを思った 




 
途中に、色のくっきりした細かい花の桜の木があった まるで刈り込んだかのように丸い形が不思議だった こちらの地方に住む木曽駒さんも見たことないという とてもキレイな桜だった 昨日の温泉「やまゆり荘」の帰りにも気づいたが、夕方の光の薄い時間になだったので写真は諦めた 今、朝の光の中で車を降りて写真撮りたい気持ちは十分にあったが、遅れている時間が気になりそれは出来なかった 

「木曾なら何処でも御嶽山が見えると思っている人が多いけれど、この道はここでしか見えないの」と、木曽駒さんがある箇所で教えてくれた 私も、その見えると思っていた一人で、山が近いとその山が邪魔して他の山が見えない、と聞いたことを思い出していた

途中、木曽駒さんが知り合いのお店に頼んでくれていた五平餅を受け取り急いだ 車の中は美味しそうな匂いでいっぱいになった 今日のお八つには、昨日の漆器屋さんの奥さんから戴いた手作りのホウバもちもあり楽しみだった




8時を回っても、マサヒさんからは電話が入らなかった もし、マサヒさんが来られた時には、待ち合わせの「大桑村・道の駅」に着いたら電話することになっているという 今日は無理だったのね、と思いがけず会えるかとソワソワしていただけに残念であったが、遠くから来る人を待たせなかったことにホッとしていた

道の駅に着き車が入っていくと、奥の方に男女の姿が見える お互いにすぐに分かり手を振る 車を飛び降りると、ASAKOさんと子供のように両手をを握り合い喜んだ 

木曽駒さんがマサヒさんに確認の電話をする おお!来ていた・・・ 向こうから歩いてくるのは、プロフィールの写真で見ていた甘い雰囲気のマサヒさんだった いつも、もっと太りたいと言っていたのが実感できる華奢さで、この人が土木をやるのだろうか、という思いが一瞬頭をよぎった

マサヒさんとASAKOさんご夫婦は、お互いにまったく初めてで、皆で紹介しあった 阿寺渓谷の入り口で、木曾駒さんの車に皆が乗ることにして出発した

     
 赤い橋がかかっている木曾川です                     





        

       







水は限りなく透明だった・・・ 一昨日の雨で水が濁っていないかと心配していたが、杞憂だった 

ここは岩なので、水が濁らないンだよとマサヒさんが教えてくれた いつもより今日は水の色が薄いね、と何回も来ているマサヒさんは言う やはり、雨がりなので水量も多いそうだ



これは昔の森林鉄道の鉄橋跡だそうだ 新緑の中で、この朽ちかけた木の色はなんと趣があることか・・ 

マサヒさんは水を覗き込む私に、「落ちるんじゃないよ」と何回も注意する 下の水は浅く見えるけれど、落ちれば背が立たないという 私には2m以上あるとは思えなかった
    
「渡るのは危ないよ」と自分で言っておきながら、マサヒさんはフワフワっ〜と向こう側まで駆けて行った 大丈夫とは思っても、ドキドキした



私たちはマサヒさんに教えてもらった所で水を眺め、写真を撮った いつもは歩くのが主で写真は従だったから腕がそう気にならなかったが、今日はいい写真が撮りたいな、と願った

今回、マサヒさんもデジカメしか持って来ていなかった 偶然ASAKOさんと同じカメラだった 同じカメラは良く教えてもらえて羨ましかった 私の「パワーショット40もいいカメラだよ」と言ってくれたが、私はシャッターを押してできることしかしないので機能は役にたっていなかった




      

私が
何処に降りる時も、何処を覗き込んでいても、
マサヒさんに
「落ちないでね」と言葉をかけられた

 他の人にはかけない言葉なので、
いかに私が不安定なのかがわかった 
私は寝ていた時間や落ちた筋力のことを思った














手前の枝が邪魔だった
絵なら描かないことができるけれどね、と・・


途中、山小屋への橋がまったく落ちていた 昨年の台風によるという その橋は小屋へのためだけのものだった 「橋が出来ないと、この夏は小屋が営業出来ないな」と話していた 私は小屋が作る橋なのだろうか、2度と営業できなくなるのだろうかと気になった 




   
  水を見に降りて  写真よりもお喋りに夢中


      



   

いつもは、もっと水の色が濃いんだ

今日は水量が多いから
泡で水が白くなってしまうとマサヒさんは言う




 

亀甲模様に見えるでしょうか?




   
 水は拡大してみたら、まるで抽象絵画のような美しさだった

私たちは亀甲波紋に挑戦した そこは、もう奥ののキャンプ場近くだった 慣れない私たちには、目で見るだけでは亀甲波紋が見つかなかった

 「ホラあの辺だよ!」言われても、高い位置から下を見下ろすのだから指差す所が分からない マサヒさんが「水の流れが終わった後の静かになった時に見えるよ」とおしえくれる 「岩の傍じゃないよ XXの辺りに出るよ、ほら今だ!」と何回も教えてくれた 全員デジカメなので、大きくしてカメラから覗くことは出来ない 

何枚か撮って、自宅で拡大してみた 写真の円形の辺りがこの亀甲波紋です

マサヒさんがいなければ、亀甲波紋のある場所が見つかったとしても到底撮れなかっただろう・・ 私たちは上手な先生教えのお陰で、皆が亀甲波紋が撮れていた






     

             もやもやした所はさざ波で、その右上辺りです




                                           



私たちは、亀甲波紋の撮影に満足してキャンプ場で昼食にした ここには豊かな湧き水があり、 その一つに美顔水と名がついていた

「美顔水で顔洗うの忘れないでね」と潤平さんに言われていたので、私はシッカリ洗った 持っていたペットボトルやサーモスにも詰めた

木曽駒さんが、この水で美味しいコーヒーを入れてくれた お昼には、車の中でずっといい匂いを漂わせていた五平餅に、昨日の漆器店の奥さんに戴いた手作りのほうば巻きがあった 私にはどちらも初めての物で、美味しかった 


ほうば餅は柏餅と中身は同じだが、
柏の葉が育たない
この地方ではほうばの葉を使うそうだ

手のひらのように広がるほうばの葉
1枚1枚に
一つづつ餅が包んであり
一本の枝に放射状にぶら下がっているのが面白かった 

残った物を自宅に持ち帰り
息子とまた面白がった


      by ASAKO


マサヒさんは、ホームページ作成にも詳しく、いろいろ話してくれた ASAKOさんも木曽駒さんもその話が分かるようだった 私にも説明が分かる程度の知識が欲しいなと思った kazuさんはネットはまったくやらないそうで、今日はカメラにも触れず、山菜や花を楽しんでいた マサヒさんは誰とも気さくだったが、kazuさんと今日初めて知り合ったたとは思えない雰囲気で話が弾んでいた

カメラの話、ネットの話、山の話、話は限りなかった そして、3時までという床浪荘(とこなみそう温泉に行く為にやっと腰を上げ、妻籠町の富貴の森に向かった 岐阜に帰るマサヒさんも一緒してくれ、ASAKOさんご夫婦、と3台に分かれた 

* 以前かつりんさんにも言われていたが、この日また「HPビルダーの何処でも配置モードは、パソコンにより配置が崩れる」ということを聞いた そこで、この木曽路のレポで標準モードに再挑戦してみた

                    
床浪荘の駐車場は、桃の花に囲まれていた

遮るものなしの露天風呂は眺めが良く気持ちよかった 女3人は、のんびりゆっくりお風呂に浸かった 

この晩、私は宿を取っておらず何処に泊まろうかと考えていた お昼には、「このまま名古屋までおいでよ」という、ASAKOさんの誘いにのり、愛知・地球博で踊るサテュロス観るのもいいかと思っていた



温泉へ行く途中妻籠宿が見えた 私は新緑の山を背景にした、そのたたずまいにひと目で惹かれた 木曽駒さんがここに民宿を取ると良いと教えてくれ、温泉の後に民宿を探してくれた 宿の食事を抜いて、夕食は春日井に帰るASAKOさんご夫婦と3人ですることにした 

ここで、美濃に帰るマサヒさんを見送り、今日は地元の木曽駒さんも帰宅だ 木曽駒さんが、サヨナラ・・と言って車に向かうが、また立ち止まるを繰り返して、名残惜しくも帰宅した
   

3人は、木曽駒さんお勧めの
音吉という素敵な蕎麦屋さんで
山菜やタラの芽の美味しい天ぷらで
ビールと蕎麦を楽しんだ
 
こんな時には、Kazuさんが
飲まないことはありがたかった




夕闇の中、私はASAKOさんご夫婦に妻籠宿に送られ今日のオフ会は終わった・・・
  
     
                                                     
                                                 


ひとつ心残りなのは、阿寺渓谷に島木赤彦の歌碑があったと帰宅後に知ったことです
特に彼が好きと言うわけではありませんが、歌人の感動した場所で歌を見たかったです

    「山深く分け入るままに谷川の 
          水きはまりて家一つあり」



 
                                * 木曽駒さんの「阿寺渓谷渓レポ」も合わせてご覧下さい
                                 * blog「妻籠に旅人いな時間」「妻籠でお茶を」に続きます
                                 
                                                                                                
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