アンテナに関する用語は、購入時に添付の日本アンテナ「取扱説明書」を参考とされたい。
1) 素子の切断
購入したFMアンテナは4素子だが、3素子として使用するので導波器は1本だけとなる。VORはFMより周波数が高いので素子を切り詰めることとなる。素子を切断する際は、切断後の長さはミリ単位の精度が要求されるとともに、左右の長さを同じにすることが重要である。下記は各素子の切断する長さを記載しているので参考とされたい。(単位[mm])
反 射 器 | 放 射 器 | 導 波 器 | 反射器〜放射器 | 放射器〜導波器 | |
FMアンテナ AF−4 | 1,290 | 1,272 | 1,030 | 496 | 455 |
VOR用改造アンテナ | 1,252 | 1,180 | 954 | 496 | 455 |
素子間の間隔は、既存の間隔としているので余計な穴を空けないですむ。放射器は折返しダイポール素子となっているので反射器側の素子だけを使い、導波器側は不要なので給電部の端子ネジを抜くことで取り外しておく。
Pic-1 切断前 Pic-2 切断後
反射器(導波器)の中央部分にあるカバーを外すとコイルが入っている。コイルを外し矩形の銅線をラグ端子に接続をする。矩形にしないとカバーが取り付けられないので注意を要する。また、ラグ端子がアルミパイプと一緒だとハンダ付けができない場合は、一時的にネジを緩めてラグ端子だけにすると簡単にハンダ付けができる。
Pic-3 加工前 Pic-4 加工後
2) 給電部の改造
同軸ケーブルを直接給電部の端子に接続する方法とするならば、日本アンテナ「取扱説明書」のとおりである。購入した給電部の中央付近でコイルが巻かれているが、これがバランである。バランは、平衡型回路(アンテナ)と不平衡型回路(同軸ケーブルなど)を接続するための変換器である。既存のバランは仕様が不明なため新規に作ることとする。今回は、アンテナ側が50Ωで同軸ケーブル側も50Ωに設計してあるので「1:1」の単純なバランを作る。バランは、0.4mm被膜線を3本撚りにしたうえで、Fig-1とPic-5を参考にして作くる。(バランの製作は手間がかかるので、ご依頼があれば当方で製作をして郵送します。)
FIg-1 回路図 Pic-5 バラン
既存のバランは不用なのでハンダ付けを外して撤去する。その際、バランを保護していた突起物も邪魔なのでニッパー等で除去をしておくとよい。新しいバランは既存のバランと同じ端子に接続をする。
M型コネクタを介して接続をするには、給電部にレセプタクル「M-BR」を取付る。(Pic-8)
Pic-6 加工前 Pic-7 加工後(同軸ケーブル直付け) Pic-8
加工後(同軸ケーブルコネクタ接続)
3) 組立て
組立ては、日本アンテナ「取扱説明書」を参考にすれば容易にできる。この時点、無線屋ならSWRメータなどでアンテナの性能を確認することとなるが、用途が受信だけなので測定は省略する。