オメガ3脂肪酸は、更年期の抑うつ症状を軽減させる
最新疫学研究情報No.60
カナダのラバル大学の研究チームによって、「オメガ3脂肪酸は、更年期に起こる抑うつ症状(*イライラ・落ち込み・不安など)を軽減させる」との発表がなされました。
研究チームは、精神的な更年期障害のある(*中程度のうつ病と診断されている、または重い精神的苦痛を抱えている)女性120人(40~55歳)を対象に、オメガ3脂肪酸がもたらす効果について調査しました。被験者を「オメガ3脂肪酸(EPA1.05g/日+DHA0.15g/日)のサプリメントを摂取するグループ」と「ひまわり油のカプセル(プラセボ)を摂取するグループ」に分け、8週間の比較調査を行いました(二重盲検・無作為割付)。その結果、オメガ3脂肪酸を摂取したグループは、摂取しなかったグループに比べて、うつ病の症状や精神的苦痛が減少しました。また更年期の“ほてり”の症状も軽減することが明らかになりました。
研究を指揮したミッシェル・ルーカス博士は、「オメガ3脂肪酸は、心血管疾患を改善し“ほてり”の症状を緩和させることが、すでに知られている。今回の研究では、更年期に起きる精神的な症状にも、有効であることが明らかになった」と述べています。
出典
- 『The American Journal of Clinical Nutrition 2009年2月号』