1日2缶以上の炭酸飲料の摂取は、腎臓病のリスクを高める

最新疫学研究情報No.61

米国のロヨラ大学の研究者らによって、「1日2缶以上の炭酸飲料を飲む女性は、腎臓病の初期症状を示すタンパク尿のリスクが高まる」との報告がなされました。

研究者らは、1999~2004年に実施された米国全国健康・栄養調査の結果をもとに、糖尿病にかかったことのない20歳以上の男女9358人のデータを選出し、「炭酸飲料の摂取量とタンパク尿との関係」について調査しました。

調査の結果、1日に2缶以上の炭酸飲料を飲んだ女性は、そうでない女性と比べ、タンパク尿のリスクが1.86倍高いことが明らかになりました。一方、男性では炭酸飲料をたくさん飲んでもこの傾向は見られませんでした。また、ダイエット炭酸飲料の場合は、男女ともタンパク尿との関連性は見られませんでした。

この研究を指揮したDavid.Shoham助教授は、「今回の調査結果によって、女性における甘い炭酸飲料の摂取が腎臓にダメージを与えることが示された。砂糖の過剰摂取に原因があるのか、あるいは炭酸飲料に含まれるブドウ糖果糖液糖(*コーンシロップ)自体に原因があるのかについては、さらに研究が必要とされる」と述べています。

最近の別の調査では、世間に出回っている20種類のブドウ糖果糖液糖のうち、9種類から水銀が検出されています。その結果を受けて、助教授は「ブドウ糖果糖液糖に含まれる水銀が、腎臓に有害な影響を与えている可能性も考えられる」とも言及しています。

出典

  • 『PLoS ONE 2008年10月17日号』Medline Plusより
このページの先頭へ