信仰を持つことは、寿命を延ばすかもしれません

最新疫学研究情報No.57

米国のイェシーバ大学とアルバート・アインシュタイン医科大学の研究チームによって、「礼拝への出席回数と死亡リスクとの間には、関連性が見られる」との発表がなされました。

研究チームは、WHI(※1)の臨床試験に参加している女性92395人(50~79歳)を対象に、宗教に関する質問(①宗教組織への所属の有無 ②礼拝への出席頻度 ③宗教がどの程度、拠りどころ・支えとなっているか) と心身の健康状態についてのアンケートを行いました。そのデータをもとに約8年間の追跡調査をした結果、宗教の種類に関係なく、週1回礼拝に出席する人は、全く出席しない人と比べて死亡リスクが20%減少し、週1回未満の人の場合でも、死亡リスクが15%減少することが明らかになりました。

研究を指揮したイェシーバ大学のEliezer Schnall助教授は、「今回の研究では、礼拝への参加回数の高い人に死亡リスクの減少傾向が示されたが、礼拝参加のどのような要因によってそうした効果が生じるようになったのか、そのメカニズムについては現時点では明らかではない」と述べています。

※1WHI(Women's Health Initiative)は、米国国立衛生研究所(NIH)によって設立された、女性の健康に関する総合的な研究機関です。ここでは、閉経後の女性を対象とした米国最大規模の臨床試験が行われています。

出典

  • 『Psychology and Health 2008年11月17号』
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